2011年9月16日金曜日

記憶の女神

3.11から6カ月、9.11から10年、そして、リーマンショックから3年目という、9月中旬が慌ただしく過ぎようとしている。季節は秋だが、残暑が厳しい。

前出の3つの事件は一見、関連性もなければ因果関係もないようにみえる。とりわけ、3.11は自然災害だといえるかもしれないが、東京電力福島第一原子力発電所の事故は人災であり、原発建設推進の裏には、グローバル資本主義のメカニズムが働いている。原発を日本が受け入れた背景には、それを世界市場に向けて販売しようとした米国主導の(グローバル)資本主義の影が確認できる。

日本が以降、原発を建設し続けてきた動機は、効率的なエネルギー政策の推進というよりも、原発建設に関連する者たちが、原発がもたらす巨額の利権を享受しようとする欲望からだった。原発は危険だが、儲かるという単純な動機からだった。

9.11には謀略説もある。米国の自作自演だというものだ。謀略説の真偽はともかく、ハイジャックを防げなかった、米国のハイジャック防止対策の杜撰さ、脆弱さというものは非難に値する。

9.11から今日までの10年間、米国はアフガニスタン、イラクで戦争をしてきたのだが、リーマンショックという米国の経済破綻は、9.11以降の米国の軍事路線の帰結ともいえる。いま現在、慌ただしい9月の中旬に再確認している3つの歴史的大事件は、いわば、グローバル資本主義の綻びという意味で、同根のようだ。

さて、3.11以降、筆者は音の欠乏症に陥っていた。いままで好きだった音楽を身体が受け付けなくなっていた。被災地を元気づけようと、世界中のミュージシャンがライブを行った。ライブを行ったミュージシャンには失礼な言い方だが、実際に被災地で聞いたわけではないけれど、なぜか、それらは3.11以降の状況にそぐわないような気がした。かくして、この半年間、筆者は自らにかなった音楽を求めて漂流していた。

そんな中、筆者はいままで聴くことのなかった、Jan Garbarek(sax)とThe Hilliard Ensemble(voc)のコラボレーションをラジオで聴いた。曲は「Remember Me, My Dear(愛しき人よ、私を忘れないで)」(スコットランド民謡)だった。 そうか、そういうことか・・・自分がいま聞きたいのは、これだったのか。

彼らについて興味のある方は、その詳細な情報について、Wikipedia等で調べてほしい。前出のRemember Me, My Dearが収められているアルバムは、『Mnemosyne』という。Mnemosyneとは、ギリシャ神話に出てくる記憶を司る女神のことだ。

なお、Blog 、Twitter等で筆者が使っているプロフィール写真は、We Remember 3.11を染め抜いた、義捐Tシャツ姿だ。7月に被災地で買い求めた。

Mnemosyneの力によって、わたしは3.11を忘れない。

Jan Garbarek ,Hilliard Ensemble




久々にCDを3枚購入した。

3.11以降、音に飢えていた。

そして、その気分にもっともマッチしたと思えたものとして――Jan Garbarek(sax) と Hilliard Ensemble(voc)のコラボレーション――『Officium Anonymous 』『Officium Novum』『Mnemosyne』を選んだ。

Garbarek は、北欧出身のモダンジャズサックス奏者、Hilliard Ensemble は中世、ルネサンス期の宗教音楽を専門とする合唱グループ。異色のコラボレーションというところだが、違和感はない。

Officiumとは、聖務日課・時課と訳すらしい。定められた典礼のこと。

Mnemosyneはギリシャ神話に登場する記憶の女神。

Garbarek のサックスの清々しい音色は心を洗うようだ。

2011年9月10日土曜日

弁財天と蓮


不忍池の蓮が大きな葉を茂らせている。

誠に壮観。

彼方には弁財天。

2011年9月5日月曜日

成長する猫たち

Zazie


Nico


二匹の猫たちは順調に成長し、過日(9月1日)、体重測定をしたところ、Zazieが2.0㌔、Nicoが3.2㌔に達していることがわかった。

Nicoというのは旧名シロのことで、いろいろあった挙句、Nicoに改名した次第。

この間、Nicoは去勢手術を受けた。退院してすぐは元気がなかったが、いまではすっかり回復している。

好奇心旺盛で人間が好きなZazie、臆病で警戒心が強いNico、という性格はそのままだ。