@Kii-Matsushima
@Taiji-Cho
5月17~21日まで、熊野に行ってきました。熊野は「熊野古道」というテーマで世界遺産に登録されたこともあり、日本で最も有名な観光地の1つとなっています。
この地は、海、山、川…といった自然が集約されていて、しかも、温泉が豊富。旅行好きな人ならば、一度は訪れたことがあることと思われます。
その一方、この地は中世以来の聖地の1つであり、独特の山岳宗教を産みました。山伏、修験者とよばれた宗教者が日本各地を歩き回り、布教活動と同時に、テクノロジー、説話といった諸々の情報を伝えました。やがて、彼らが歩いたルートは全国におよび、独自の山岳ネットワークを形成したのです。
また、海を生業とした人々は、海の彼方に極楽浄土を夢見たのでした。
こうした熊野の独自性は、歴史学、宗教学、民俗学、文学等の学問の対象となり、“日本人とは…”という問いかけの手がかりの一つとなって、今日に至っています。
そればかりではありません。今日では、この地の沿海部で栄えた鯨漁、イルカ漁が「環境テロリスト」からの攻撃対象となってしまいました。西欧的価値観に蝕まれた独善主義者たちは、無意味な事件や中傷攻撃を繰り返し、この地に住む人々をいたずらに苦しめています。
熊野の歴史と自然の偉大さを謙虚にリスペクトしなければ、この地の観光や旅行の楽しさはうまれてくるはずはありません。