2019年2月28日木曜日

米朝合意できず

ベトナムの首都ハノイで開催された、トランプーキム会談が失敗に終わった。

会談前は朝鮮戦争の終結までが予想されていたのだが、期待は裏切られた。

筆者は、東西ドイツの統一、南北ベトナムの統一に次いで、南北朝鮮の統一が一日も早く成就されることを願っていたので、この会談の失敗が残念でならない。

極東の平和を望まない勢力が、米国内に依然として根強く存在することが明らかになった。
会談前後の日刊紙の第一面

2019年2月27日水曜日

もうすぐ春ですね

春が谷中に近づいてきた。(天王寺)




不忍池の景観は・・・

これが東京だと言ってしまえば、それまで。

高層マンションが墓石に見えてこないだろうか。

弁財天も存在感がない。





2019年2月22日金曜日

梅は咲いたが、

谷中の寺の庭の梅がほぼ満開


2019年2月15日金曜日

エジプトのピラミッド

エジプトのお土産は黄金色に輝くピラミッド(の包装紙のチョコ)だった。


優勝はパが日本ハム、セは広島か


NPB春季キャンプも実戦試合形式に移行。スポーツメディアでは昨年ドラフト上位指名ルーキーの活躍ぶりが報道される今日このごろ。この先、電撃トレードや大物外国人選手の入団がないとはいえないし、主力選手の故障等の不確定要因がないとはいえないものの、各球団の陣容は概ね整ったと判断できる。そこで例年どおり、順位予想を行う。


優勝はパが日ハム、セは広島

〔パリーグ〕
1.日本ハム、2.楽天、3.ソフトバンク、4.西武、5.オリックス、6.ロッテ

〔セリーグ〕
1.広島、2.読売、3.阪神、4.DeNA、5.ヤクルト、6.中日

パリーグは昨年の覇者西武が大幅な戦力ダウン。投手陣の柱(菊池)、攻撃の柱(浅村)をFA移籍で失った。一方、その代替が内海(読売からの人的補償)一人というのでは話にならない。昨年の読売の岡本のような突然変異的新戦力の台頭がない限り、上位は難しい。

パリーグの上位4球団(と筆者が予想する)に力の差がなく、順位予想は例年以上に難しい。日ハム、楽天、ソフトバンク、西武に優勝のチャンスはある。そのなかで、新戦力を加え、バランスのとれたチーム整備に成功した(と筆者が考える)日ハムが優勝する。その一方の下位2球団にも差が少なく、ロッテ、オリックスのどちらが最下位になってもおかしくない。

セリーグでは、積極補強を敢行したのが読売と阪神の2球団。逆に、補強に消極的だったのがDeNA、ヤクルト、中日、広島の4球団。4連覇を目指す広島は主砲、丸をFAで読売に獲られたが、長野を人的補償で獲得した。広島にとってこのディールはもちろんマイナスだが、広島は既存の戦力の底上げに自信を見せている。セリーグについては、優勝争いは広島と読売に絞られ、3位にどこが食い込むかが順位予想の焦点になる。阪神、DeNA、ヤクルトの差は小さく、中日の最下位だけが固い。

2球団分の戦力を保持した読売

2月11日に行われた読売の紅白戦の先発は以下のとおり。一球団内の紅白戦とは思えない豪華メンバーがそろっている。

【紅組】
1番(中)重信、2番(左)亀井、3番(遊)坂本勇、4番(三)ビヤヌエバ、5番(一)和田、6番(指)立岡、7番(右)松原、8番(捕)炭谷、9番(二)吉川尚
先発投手=メルセデス

【白組】
1番(二)田中俊、2番(右)陽、3番(中)丸、4番(三)岡本、5番(左)ゲレーロ、6番(一)北村、7番(遊)山本、8番(捕)小林、9番(指)石川
先発投手=田口

野手陣では、阿部(捕)、中島(一ほか)が出場していない。拙Blogで書いたことがあるが、読売のチームづくりは単純で、2球団分の戦力を保有すること。そのために一軍半の若手及びベテラン選手が塩漬けになることを辞さない。塩漬けになっている選手を放出した結果、他球団で活躍されることを恐れ、戦力が異様にダブつく。一例を挙げれば捕手。ベンチ入り3人が原則だが、炭谷、小林、阿部を一軍にすると、昨年一軍ベンチ入りした宇佐美、大城、そして若手の有望株である岸田は2軍に落ちる。もったいない。

これだけの戦力があれば優勝候補にしてもいいのだが、読売の死角は投手陣。先発は菅野、メルセデス、山口、今村、田口、岩隈、ヤングマン、加えて、新人の高橋優、畠、鍬原と数は揃っているものの、計算できるのは菅野ひとり。筆者の予想では昨年よかったメルセデス、今村、山口が悪くなり、昨年悪かった田口も復活がない。先発で菅野に次ぐのはヤングマンひとりではないか。畠、鍬原、桜井、高田、育成から上がった坂本工は未知数。

抑えはクック、澤村だろうが、投げてみなければわからない。セットアッパーもマシソンが出遅れ、ベテランの上原(シーズンインすると44才)に1シーズンは任せられない。勝ちゲームの7回は、吉川光、田原、野上が候補だろうが、昨年は3人ともいまひとつだった。ビハインドならアダメス、桜井、宮國、高木京らが候補に挙げられるが、昨年はいい成績を残していない。前出の畠、鍬原、桜井、高田、坂本工もブルペンにまわる可能性大だが、実績はない。金満の読売だが、投手陣ばかりは2球団分の戦力保有はできない。

読売と優勝争いするのが四連覇を目指す広島。さすがに丸が抜けた穴は埋められないから、昨年、一昨年ほど大差で優勝するとは思えない。昨年、不調だった抑えの中崎が復活して、僅差の試合を逃げ切り勝ちする試合が増え、読売より上に行く。

阪神の弱点は捕手

昨年、屈辱の最下位に沈んだ阪神もチーム力を上げた。西、ガルシアと実績のある先発投手が加わり、監督交代により、藤浪の復活が期待できる。メッセンジャー、秋山、岩貞、青柳、小野、才木に前出の西、ガルシア、藤浪と先発の駒はリーグナンバーワンだ。

問題の第一は打撃陣。福留、糸井頼みならば、クライマックスにも残れまい。新外国人(今年はマルテ)次第というお寒い状態は昨年と変わらない。若手の台頭と騒がれた野手が伸び悩み(というか、もともとそれほどの実力があるわけではない)、昨年の読売の岡本のような突然変異がないかぎり、投高打低は免れない。

第二の問題点は捕手。金本監督時代は梅野が先発マスクを務めることが多かったが、筆者は梅野のリードに疑問を持ち続けていて、拙Blogでも再三指摘した。藤波の不調も梅野のリードに起因すると筆者は断言してもいいと思っている。捕手出身の矢野監督の指導で変わる可能性がないとはいえないが、心配である。しかも梅野を脅かす人材がいない。捕手難が、阪神を優勝候補に挙げられない要因の一つだ。

金満読売に優勝してほしくない

戦力から見れば、セは読売がダントツ。しかし、読売の戦力はカネで掻き集めた結果にすぎない。高橋前監督時代、成績は落ちたが若手が育つという好ましい傾向が出てきたところで、監督交代によりその芽がつぶされた。筆者は原辰徳が好きではない。意味不明で奇妙な日本語を駆使し、いかにも策士ぶった言動が気に入らない。自前で育てた若手を二軍に落とし、カネで掻き集めた戦力で優勝を狙うとは虫が良すぎる、というのが筆者の思いだ。

2019年2月14日木曜日

Happy Valentin's Day

家内、お友達、そしてジム友から、チョコ他をいただきました。

みなさま、本当にありがとうございます。


2019年2月3日日曜日

森保ジャパン限界を露呈ー 日本、カタールに完敗ー

アジア杯決勝、日本はカタールに3-1で完敗した。この結果に驚いた人は少ないと思う。直前の拙Blogにおける筆者の試合予想は、2-0でカタールだった。実際は両者が1点ずつ多く点をとったわけだけれど、前半の2-0がカタールと日本の力の差を示していたと思われる。


大会前、カタール優勝を予想せず

本大会前、カタールの優勝を予想した人は少なかったと思う。筆者も優勝は韓国、イラン、オーストラリアのうちのどこかだと思っていた。カタールに注目したのは、韓国とのベスト8を賭けた試合で勝ったところからだった。

森保ジャパン、研究してきた相手に苦戦

日本の敗因については既に多くの報道があり、付け加えることはない。日本が相手の5バックへの対応に時間がかかりすぎたこと、日本の得意なプレーである大迫のポスト・プレーがカタールDFに読まれ、潰されたこと、相手のキープレイヤーに対するマークが甘かったこと、選手交代が遅れたこと・・・そのとおりだと思う。いずれも日本とカタールの監督の能力差が反映したものであって、森保の監督の資質が問われて当然だ。サウジアラビア戦、ベトナム戦と、相手の監督が日本を研究してくると、森保ジャパンは苦戦する。戦い方がワンパターンなのだ。

カタール代表のバルセロナ化・プロジェクト

カタールは人口200万人足らずの小国。日本でいえば札幌市、名古屋市くらいの人口規模だが、そのうち85%近くが外国人労働者だという。豊富な石油、天然ガス等のエネルギー資源を有する湾岸の富裕国家の一つだ。

サッカーのカタール代表も北アフリカ、中東諸国にルーツをもつ選手が数多く占めている。2022年ワールド杯開催国であることはよく知られているが、そのため、代表強化は国家的プロジェクトになっている。

スペインのバルセロナFCのユニフォームの広告主はカタール航空。同機内でもバルセロナFCの映像がビデオ・コンテンツになっている。本大会の代表監督であるフェリックス・サンチェス・バスはバルセロナ出身でバルセロナFCでコーチの経歴をもっていて、カタールのスポーツエリート養成施設「アスパイア・アカデミー」で10年にわたり仕事をしていた。代表監督に就任したのは2017年。

「アスパイア・アカデミー」では、カタールのクラブチーム、アル・サッド(ドーハ)でプレーしていたシャビエル・エルナンデス・クレウス(元FCバルセロナ、元スペイン代表、通称「シャビ」。ただしシャビアロンソとは別人)に現役を続けながら、指導者の活動機会を同アカデミーで与えていた。

前出のとおり、2017年、サンチェスがカタール代表監督に就任すると同時に、シャビも現役を引退し、代表コーチに就任するかと思いきや、アルサッドとの契約を2020年まで延長した。シャビは、サンチェスから、カタール代表監督の座を2022・W杯カタール大会の直前に引き継ぐのではないか、と噂されている。

サッカー後進国がW杯開催国に決まった途端、ホスト国として代表強化に勤しむのは珍しくない。日本も2002年日韓共催が決まったところで、フランス人のフィリップ・トルシエを代表監督に招聘し、有望な若手選手を集めて強化した。その結果、W杯ベスト16入りを果たしたことは記憶に新しい。

カタールもそれに倣っているわけだから、近い将来、中国、ベトナム、タイ、オーストラリアといったアジア諸国がW杯開催国となれば、いま以上にそれらの国の実力は向上する。金満の湾岸石油産出国が代表チーム強化に本腰を入れれば、アジアのレベルはもっと上がる。

本大会最低のできだったカタール

決勝に戻ろう。この試合のカタールは、本大会中、最悪だった。前半は日本選手への寄せが早くプレスもきいていた。ほぼ完璧な守備だった。攻撃も卓抜した個人技から先取点、追加点を奪い、2-0とリードし、楽勝ムードが漂った。

日本が反撃できたのは後半から。69分に南野のゴールが決まり1-2となったときがカタール最大の危機だった。カタールは準決勝から中2日、日本は中3日とコンディション的には日本のほうが優位にあった。直前の拙Blogで「精密機械のよう」と筆者が称したカタールだが、後半、とうとう燃料切れに至ったかと思われた。

カタールを救ったのは83分のPKだった。カタールの攻撃が日本のペナルティーエリア(PE)内に迫って得たコーナーキックで、DF吉田がVAR判定の末、ハンドをとられた。TV映像のスロービデオでは吉田の手がボールに触れていた。

VAR判定ならPE内でボールが手にふれればPK

さて、ここで問題となるのが、「故意か、そうでないか」となる。ハンドを犯した選手のプレーが故意かそうでないかの判断は難しい。それを判断するのはVARではなく、「嘘発見器」なのだから。

つまり、VARにおけるPE内のファウル判定については、試合中もしくは大会中の過去の事例によるしかない。それは、司法判断の根拠として用いられる「判例」に似ている。

本大会のVARによるPE内のハンドの判定としては、準決勝、日本―イラン戦における、南野のパスがイランDFの上腕に当たったプレーがあった。VARでは、イランDFが「故意に」手を使ったかそうでないかはわからないが、スロービデオ映像では、ボールが手に当たっているのが明らかだった。準決勝の日本―イラン戦の主審は躊躇なく、イランDFのハンドをとり、日本にPKを与えた。決勝の笛を吹いた主審はおそらく、イラン戦の〔VAR→PK判定〕の事例に準拠し、吉田のハンドをとりカタールにPKを与えたのだろう。

イラン戦、VARでPKをもらった当事者・日本が、カタール戦では逆にVARでPKを与えたことになる。なんとも皮肉だが、決勝の主審の判断は、「判例」に基づいたものなので、本大会のジャッジとして一貫性が認められる。もちろん、いわゆる「中東の笛」ではない。

VAR判定が与えるショックは甚大

カタール選手がPKを難なく決めたところで、カタールの優勝は決ったようなもの。日本が反撃する時間もパワーも残されていなかった。時間が残されていたとしても、日本の命運は尽きていた。前出のとおり、この試合について、筆者は拙Blogにおいて、「・・・日本がツキを使い果たし、カタールが2-0で勝つ」と書いた。本大会、不思議とツキまくっていた日本だったが、決勝はそうはいかなかった。

森保更迭は早ければ早いほどいい

日本のサッカーメディアに望まれるのは、結果の報道よりも、内容を分析して伝えることだ。森保ジャパンは相手が研究してくると苦戦する。指揮官(森保)の引き出しが少ないからだ。アジア(公式戦)のレベルでそのことが明確になったのだから、メディアは「次の一手」を協会に提言しなければ存在価値はない。結果についてはサッカーファンでなくとも、だれにでもわかることなのだから。勝って大騒ぎという単細胞的報道は、専門メディアのやることではない。

重複するが、日本の課題をまとめよう

  • GK=フィジカル、判断力のあるGKを一刻も早く見つけないと・・・
  • DF(CB)=冨安の成長は認めるが、もう一人実力者が欲しい。
  • DF(SB)=長友、酒井に追いつき追い越す若手は?
  • MF(DMF)=日本では「ボランチ」と呼ばれるポジション。遠藤航の代替は?柴崎に守備の意識ある?
  • MF(OMF)=日本では「トップ下」と呼ばれるポジション。南野がここまで他選手をリードしているが、彼に次ぐ選手は?
  • FW(1.2列目)=堂安は相手DFの左足ケアで完全沈黙。原口のフィジカル、守備の意識は買うものの・・・中島まちか?
  • FW(ワントップ)=”はんぱない大迫”も相手の研究次第で並み以下。アジア(カタール)レベルで完封されているようでは・・・
  • 代表監督=このままでは日本代表のレベルの低下は必至。早いとこ森保更迭を
  • カタール並みの国家プロジェクトは無理だとしても、日本代表再構築のプログラムに着手しなければ、日本はアジアで勝てなくなる。協会は本気を出せ!!

2019年2月1日金曜日

決勝は日本とカタール 優勝候補イラン、ミサイル不発で自滅

アジア杯2019・UAE大会、決勝は日本とカタールの組合せになった。準決勝、日本はイランを3-0で、カタールは開催国UAEを4-0とくだした。2試合とも大差の結果となった。

荒れた準決勝2試合

準決勝2試合が大差の結果に終わったことに加え、試合終了間際、前者ではイラン選手が日本選手を突き飛ばしたことから両チームが小競り合いを演じ、後者では、負けがほぼ確定したUAEの選手がカタールの選手を肘打ちしてレッドカードで退場と、準決勝2試合とも混乱した幕切れとなった。

敗色濃厚となったチームがファウル等の非紳士的プレーを行うのはアジアにおける大会ではしばしば起こる。本大会では、開催国UAEがカタールと政治的対立関係にあることから、スタジアムはキックオフ前から異様な雰囲気に包まれていた。UAEが失点したシーン直後にUAEサポーターがカタール選手にモノを投げ込み、その後もUAEサポーターの見苦しい行為がやまず、なんとも後味の悪い試合となった。

イランは自滅で日本に大差の敗北

アジア最強と謳われたイランだが、日本に大差で敗れた。この結果は筆者にとって、意外だった。本大会、順風満帆で勝ち上がってきたイラン、守備も鉄壁に近く、与えた得点はなし。一方の日本は予選リーグから薄氷を踏む勝利で勝ち上がったばかりか、準々決勝は格下相手のベトナムにてこずり1-0の辛勝だった。

イランの敗因は、日本を舐めてかかったこと。前半、そして後半開始から10分までのあいだ、イランは日本を圧倒していた。ロングボールの攻撃は得点に結びつかなかったが、フィジカルで日本を圧倒し、イランの得点は時間の問題かと思われた。

イランDFの勘違い

イランにとって悪夢が訪れたのは56分、日本がイラン陣内ペナルティーエリア(PE)内に攻め込んだ瞬間からだった。PE付近で日本の南野がイランの選手との接触プレーで倒れた。イランDFは南野のシミュレーションだと主審に猛抗議し、南野から目を離した。南野はタッチライン際に転がったボールを追いかけ追いつき、フリーで狙いすましたような絶妙なクロスをあげた。それをゴール前に走り込んでいた大迫が頭で仕留めた。イランDFは大迫につききれず、ほぼ大迫をフリーにしてしまった。主審への抗議でゴール前を空けたイランDF痛恨のミスだ。

イラン選手は主審の笛に不信感を抱き続けていた

この得点シーンに至るまで、イランは主審のジャッジに不満を露わにしていた。主審のジャッジがことさら、日本寄りというわけではなかったが、イラン選手と価値観が異なったようだ。南野が倒れたシーンについては、南野のシミュレーションをとる主審もいただろうし、とらない者もいただろう。それだけの話だ。イランDFが抗議に夢中になっているあいだ、ボールを追いかけ、大迫にクロスを上げた南野の執念が勝負を分けた。

日本にとって喜ばしいVAR判定

イランにとって不運が続く。67分、日本選手のPE内進出を阻もうと守備に入ったイランDFが滑って手をついたところに南野のパスが当たり、VAR判定の結果、日本がPKを得た。このPK判定も微妙。スロービデオを見ると、確かにイランDFの上腕にボールが当たっているが、故意ではない。イランDFがピッチに手をついたときにボールが偶然、飛んできたかたちだ。VARを見た主審がPK判定したのは、日本にとってラッキーだった。

イランにとって0-1で後半が進めば、同点、逆転の目はもちろんあっただろう。しかし、後半開始57分~67分のイランにとって不本意なダブルパンチは、致命的だった。失点の仕方が悪すぎた。主審との相性の悪さ、油断から失った本大会初失点のショック、続くVARによるPK判定による失点と、イラン選手にとって悪夢のような10分だった。

日本がイランDFを完全に崩した結果での得点でない。そのことが余計に、イラン選手の焦燥感、不信感を深め、戦闘意欲を喪失させていった。この試合も日本にツキがあった。このような流れは、ワールドカップやアジアカップのような短期決戦で優勝するための重要な要素だ。

結論をいえば、本大会優勝候補のイランに日本が大差で勝利したからといって、得点差ほど実力差があるわけではない。ボタンの掛け違いが90分経過して、大きな得点差に昇華したのだ。日本は“勝って兜の緒を締めよ”と心したほうがよい。

カタールは冷静なスナイパー、決勝は2-0でカタール勝利か

カタールは異様なスタジアムの雰囲気の中、開催国UAEに準決勝で完勝した。スタジアムの興奮やペットボトルはもとより靴が投げられるような状況の中、冷静沈着だった。試合終了間際のUAE選手の暴力行為にも動じなかった。彼らはよく訓練されていて、精神的にタフ。精巧に組み上げられた機械のようなプレーをする。

日本の勝機は、彼らが構築してきたメカニズムを狂わせることで、見いだされるのではないか。決勝は、フィジカル、スピードでカタール、メンタル、技術で互角、経験で日本が有利だと判断する。

実力は両者ほぼ互角。ノックアウトステージにおいて試合を決定する不確定な要素としては、VAR判定を含めたジャッジ、セットプレー、ミスだろうか。決勝は日本時間今夜23時、筆者の予想は、日本がツキを使い果たし、カタールが2-0で勝つ。