2019年2月15日金曜日

優勝はパが日本ハム、セは広島か


NPB春季キャンプも実戦試合形式に移行。スポーツメディアでは昨年ドラフト上位指名ルーキーの活躍ぶりが報道される今日このごろ。この先、電撃トレードや大物外国人選手の入団がないとはいえないし、主力選手の故障等の不確定要因がないとはいえないものの、各球団の陣容は概ね整ったと判断できる。そこで例年どおり、順位予想を行う。


優勝はパが日ハム、セは広島

〔パリーグ〕
1.日本ハム、2.楽天、3.ソフトバンク、4.西武、5.オリックス、6.ロッテ

〔セリーグ〕
1.広島、2.読売、3.阪神、4.DeNA、5.ヤクルト、6.中日

パリーグは昨年の覇者西武が大幅な戦力ダウン。投手陣の柱(菊池)、攻撃の柱(浅村)をFA移籍で失った。一方、その代替が内海(読売からの人的補償)一人というのでは話にならない。昨年の読売の岡本のような突然変異的新戦力の台頭がない限り、上位は難しい。

パリーグの上位4球団(と筆者が予想する)に力の差がなく、順位予想は例年以上に難しい。日ハム、楽天、ソフトバンク、西武に優勝のチャンスはある。そのなかで、新戦力を加え、バランスのとれたチーム整備に成功した(と筆者が考える)日ハムが優勝する。その一方の下位2球団にも差が少なく、ロッテ、オリックスのどちらが最下位になってもおかしくない。

セリーグでは、積極補強を敢行したのが読売と阪神の2球団。逆に、補強に消極的だったのがDeNA、ヤクルト、中日、広島の4球団。4連覇を目指す広島は主砲、丸をFAで読売に獲られたが、長野を人的補償で獲得した。広島にとってこのディールはもちろんマイナスだが、広島は既存の戦力の底上げに自信を見せている。セリーグについては、優勝争いは広島と読売に絞られ、3位にどこが食い込むかが順位予想の焦点になる。阪神、DeNA、ヤクルトの差は小さく、中日の最下位だけが固い。

2球団分の戦力を保持した読売

2月11日に行われた読売の紅白戦の先発は以下のとおり。一球団内の紅白戦とは思えない豪華メンバーがそろっている。

【紅組】
1番(中)重信、2番(左)亀井、3番(遊)坂本勇、4番(三)ビヤヌエバ、5番(一)和田、6番(指)立岡、7番(右)松原、8番(捕)炭谷、9番(二)吉川尚
先発投手=メルセデス

【白組】
1番(二)田中俊、2番(右)陽、3番(中)丸、4番(三)岡本、5番(左)ゲレーロ、6番(一)北村、7番(遊)山本、8番(捕)小林、9番(指)石川
先発投手=田口

野手陣では、阿部(捕)、中島(一ほか)が出場していない。拙Blogで書いたことがあるが、読売のチームづくりは単純で、2球団分の戦力を保有すること。そのために一軍半の若手及びベテラン選手が塩漬けになることを辞さない。塩漬けになっている選手を放出した結果、他球団で活躍されることを恐れ、戦力が異様にダブつく。一例を挙げれば捕手。ベンチ入り3人が原則だが、炭谷、小林、阿部を一軍にすると、昨年一軍ベンチ入りした宇佐美、大城、そして若手の有望株である岸田は2軍に落ちる。もったいない。

これだけの戦力があれば優勝候補にしてもいいのだが、読売の死角は投手陣。先発は菅野、メルセデス、山口、今村、田口、岩隈、ヤングマン、加えて、新人の高橋優、畠、鍬原と数は揃っているものの、計算できるのは菅野ひとり。筆者の予想では昨年よかったメルセデス、今村、山口が悪くなり、昨年悪かった田口も復活がない。先発で菅野に次ぐのはヤングマンひとりではないか。畠、鍬原、桜井、高田、育成から上がった坂本工は未知数。

抑えはクック、澤村だろうが、投げてみなければわからない。セットアッパーもマシソンが出遅れ、ベテランの上原(シーズンインすると44才)に1シーズンは任せられない。勝ちゲームの7回は、吉川光、田原、野上が候補だろうが、昨年は3人ともいまひとつだった。ビハインドならアダメス、桜井、宮國、高木京らが候補に挙げられるが、昨年はいい成績を残していない。前出の畠、鍬原、桜井、高田、坂本工もブルペンにまわる可能性大だが、実績はない。金満の読売だが、投手陣ばかりは2球団分の戦力保有はできない。

読売と優勝争いするのが四連覇を目指す広島。さすがに丸が抜けた穴は埋められないから、昨年、一昨年ほど大差で優勝するとは思えない。昨年、不調だった抑えの中崎が復活して、僅差の試合を逃げ切り勝ちする試合が増え、読売より上に行く。

阪神の弱点は捕手

昨年、屈辱の最下位に沈んだ阪神もチーム力を上げた。西、ガルシアと実績のある先発投手が加わり、監督交代により、藤浪の復活が期待できる。メッセンジャー、秋山、岩貞、青柳、小野、才木に前出の西、ガルシア、藤浪と先発の駒はリーグナンバーワンだ。

問題の第一は打撃陣。福留、糸井頼みならば、クライマックスにも残れまい。新外国人(今年はマルテ)次第というお寒い状態は昨年と変わらない。若手の台頭と騒がれた野手が伸び悩み(というか、もともとそれほどの実力があるわけではない)、昨年の読売の岡本のような突然変異がないかぎり、投高打低は免れない。

第二の問題点は捕手。金本監督時代は梅野が先発マスクを務めることが多かったが、筆者は梅野のリードに疑問を持ち続けていて、拙Blogでも再三指摘した。藤波の不調も梅野のリードに起因すると筆者は断言してもいいと思っている。捕手出身の矢野監督の指導で変わる可能性がないとはいえないが、心配である。しかも梅野を脅かす人材がいない。捕手難が、阪神を優勝候補に挙げられない要因の一つだ。

金満読売に優勝してほしくない

戦力から見れば、セは読売がダントツ。しかし、読売の戦力はカネで掻き集めた結果にすぎない。高橋前監督時代、成績は落ちたが若手が育つという好ましい傾向が出てきたところで、監督交代によりその芽がつぶされた。筆者は原辰徳が好きではない。意味不明で奇妙な日本語を駆使し、いかにも策士ぶった言動が気に入らない。自前で育てた若手を二軍に落とし、カネで掻き集めた戦力で優勝を狙うとは虫が良すぎる、というのが筆者の思いだ。