2015年1月23日金曜日

モーリのクリエイションクラブ展「神々のマスク」

不思議な展覧会である。


全国の美術、芸術とは無縁の人々が、部活動というかたちで創作した手づくりのマスク・100点余が集まった。

マスク、すなわち神である。

コラボレーション美学(国籍、性別、年齢を問わず、イキイキ活動する人々から生まれた美しい世界)と呼ばれるこの活動は、毛利臣男が提唱し、広げているもの。

毛利臣男はイッセイミヤケのファッションデザイナーおよびファッションショー演出を担当した後、モーリス・ヴェジャール、パリオペラ座のバレエ衣装等、世界のデザイン界で活躍するアーチスト。

その活動はいわゆるジャンルを越えている。

日本では猿之助の「ヤマトタケル」の舞台衣装を手掛けたことでよく知られている。

筆者は彼が三宅一生のところで仕事をしているときに出会った。

さて、展覧会の印象。マスクはそれぞれ個性的で、個別的であるが、どうやら地域ごとに似通っている。

唐津のもの、山口のもので、アイデンティティーを感じる。さらに神としての同一性も感じられる。

このことは人が神を外化するときに、無意識の集合性として表象する結果なのか。

そこに日本人の基層の神が潜んでいるのかもしれない。

なにやらユングのようだ。








毛利臣男



この展覧会はさらなる発展が期待される。

世界を見渡せば、独特のマスク文化をもつメキシコが、そして、アフリカ・マリ共和国のドゴン族の仮面のダンス、チベット仏教の仮面劇(筆者はインド北部のラダック地方で見たことがある)も思い浮かぶ。

ラダック地方の仮面ダンス(筆者撮影)
ユーラシア、アフリカ、アメリカ大陸とのマスクの共演・・・が