2015年4月24日金曜日

山口小夜子・未来を着る人

1970年代から、世界規模のファッションモデルとして活躍した山口小夜子の展覧会である。

タイトルは「未来を着る人」(The Wearist, clothed in the future)とある。

しかし、同世代の筆者からすると、このタイトルには違和感を覚える。

小夜子は常に「今」を着るモデルであり表現者(パフォーマー)だったように思うから。

そして、残念ながら小夜子の「今」は、2007年をもって終焉してしまった。

同展は小夜子の、①演じる者としての作品(舞台女優、舞踏家、パフォーマー)、➁モデルとしての作品(ファッションモデル、コマーシャモデル・・・)、③クリエーターとしての作品(人形劇の衣装、洋裁学校時代のイラスト等)、④現代作家が小夜子に捧げた新作――によって構成されている。

小夜子が、いわゆるファッションモデル、CMモデルの枠を超えた存在だったことがよくわかる。

もう少し長く生きていてほしかった、と思うのは筆者ばかりではなかろう。