2017年6月9日金曜日

サッカー日本代表、イラク戦は不安だらけ

<国際親善試合:日本1-1シリア>◇7日◇味スタ

サッカーW杯ロシア大会アジア地区最終予選イラク戦を控えた日本代表(FIFAランク45位)は、親善試合でシリア(同77位)と対戦し、1―1で引き分けた。日本は13日、中立地テヘラン(イラン)で開催される第8戦でイラク代表と対戦する。


日本代表、システムは4-3-3

日本代表のスタメンは以下のとおり。

GK川島永嗣(34=メッス)

DF長友佑都(30=インテル)
DF吉田麻也(28=サウサンプトン)
DF酒井宏樹(27=マルセイユ)
DF昌子源(24=鹿島)

MF今野泰幸(34=G大阪)
MF香川真司(28=ドルトムント)
MF山口蛍(26=C大阪)

FW大迫勇也(27=ケルン)
FW原口元気(26=ヘルタ)
FW久保裕也(23=ヘント)

本番(イラク戦)に向けて沸き起こった4つの不安要素

試合展開の詳細は省略するものの、大雑把に言えば、前半はシリアのスピードとフィジカルに日本が圧倒され、まるでダメという感じ。なお得点は、シリアが後半3分、日本が後半13分。

この試合では以下、4つの不安が認められた。▽香川が脱臼で故障、代表から外れたこと、▽新たにCBのレギュラーとなった昌子の守備力と吉田とのコンビネーション、▽日本のシステム4-3(1-2)-3(中盤の守備的MFが1人=アンカーとかワンボランチとも言う)、▽海外組にコンディションに不安のある選手が散見されたこと――だ。

どれも深刻だが、とりわけ、ワンボランチと急造CBコンビ(昌子と吉田)の2つの不安を抱えた日本の守備陣はどうだろうか。インサイドハーフ(この試合の先発は今野・香川→倉田)のうちどちらかを下げて、2ボランチに戻したほうがいいのではないか。

攻撃陣を構成する海外組のコンディションも悪い。全体的に守備が弱い状況で、いまのシステムだと負ける確率が高くなる。サイドの原口・久保、SBの長友・酒井宏が本番のイラク戦で復調しているかどうか。

本田のインサイドハーフはない

後半、右インサイドハーフに本田が入り、日本の攻撃にリズムと推進力が出たように見え、日本のスポーツメディアが「本田の新たな可能性」として称賛したが、それは違う。親善試合ではアウエーチームは後半スピードが落ちる。そこへ6人交代制で新たに入った選手がいい動きを見せたように見えるだけ。本番で本田がこのポジションで即機能するとは思えない。

本番では、イラクはシリア同様、球際に強く出て、フィジカルを活かして攻撃的に来るだろう。しかも後半まで攻撃を持続させるだろう。なぜならば、イラクのいまの順位では守りに徹しても意味がない。日本がシリア戦と同様、後手に回って先制を許し、そのまま押しまくられるようだと、日本がイラクに勝ち点3を献上する可能性は低くない。

テロ事件直後のテヘランは戒厳体制か

前出のとおり中立地開催ということで、テヘラン(イラン)で開催されるイラク戦。普通ならば、イランは親日感情が高い国だが、テヘランでテロ事件が発生したため、試合前、日本代表選手が息抜きのため、街中を散策したりショッピングをしたりすることが許されない状況となろう。当日は当日で、試合会場は戒厳体制となるだろう。思わぬ重圧が日本代表にかかることが否定できない。13日のイラク戦は、いろいろな面で日本代表にとって、不安だらけの試合となりそうだ。