読売を優勝候補に挙げることは、「アンチ巨人」の筆者にとって心苦しいが、他の5球団にやる気がないので仕方がない。2021セリーグのペナントレース及びクライマックスシリーズは読売がパリーグの覇者と日本シリーズで戦うまでの調整過程といって過言ではない。関心は、読売がパの覇者に勝てるかどうかである。
順位
1.読売、2.阪神、3.DeNa、4.中日、5.広島、6.ヤクルト
昨シーズン実績とどこが違うのかとお思いの方も多いと思うが、3、4位を入れ替えれば昨年と同じ。つまり、セリーグの読売以外の5球団が戦力の見直し、向上する意欲をみせないので、どうしようもない。戦力が偏りすぎてしまっていて、下剋上のない、おもしろみのない、刺激のないリーグに成り下がっている。セリーグを解体し、1リーグ制にしてほしい。
そのような状況における順位予想である。1位読売、2位阪神、最下位ヤクルトは固い。敢えて予測困難な要素を探し出せば、CS出場がかかる3位争いが流動的。中日かDeNaかの判断に迷った。広島は戦力が整うまでもう少し時間を要する。
阪神ガンバレ
2位が固いと予想される阪神はもったいない球団である。投手陣については、NPBでナンバーワンクラスの人材をそろえている。先発候補として、西(勇)、チェン、アルカンタラ(韓国リーグ)、藤浪、高橋遥、ガンケル、秋山、岩田、中田、及川らが挙げられ、いかにも駒が豊富。セットアッパーには岩崎、エドワード(MLB)、岩貞らが決まっており、先発候補の何人かがリリーフにまわる。クローザーには、不動のロベルト・スワレスがすわる可能性が高いが、藤浪がまわる可能性もある。こうしてみると、投手陣は読売をしのぐ。
問題は守備力と攻撃力だ。内野のエラー数をどれだけ減らせるか。近本の打撃が弱肩を帳消しにするくらいチームに貢献できるか。僅差の試合、浅い外野フライで本塁生還を許すシーンが続くようだと苦しい。
打撃面の好材料は、スーパー新人、佐藤の加入。オープン戦の活躍は申し分ない。しかし、多くの評論家諸氏が指摘する通り、内角攻め、落ちる球の見極めが本番でできるのかどうか。新人・佐藤には期待と不安が入り混じっている。
昨シーズン大砲として実績を残した大山に、さらなる成長が期待できるのか。2020シーズン、大山は数字的に大きな実績を残したが、筆者の記憶には雄姿としての残像がない。なぜならば、阪神は読売に大差の負け越しを屈していて(8勝16敗)、その主因が大山の対読売戦の沈黙にあるからだ。大山の通算成績は、打率.288、本塁打28、打点85なのだが、読売戦では打率.274、本塁打5、打点10。大山は最下位ヤクルト戦の成績がもっとも悪く、読売戦はそれに次ぐ。ちなみに、最もよい成績を残したのが対DeNa戦で、打率.398、本塁打5、打点22。打点が対読売戦の倍以上もある。なお、阪神の対ヤクルト戦の成績は、13勝10敗1引分、読売は対ヤクルトに15勝6敗3引分と圧倒的強さをみせている。
阪神が読売に勝てないのは大山一人の責任ではないけれど、優勝するためには、上のチームを叩くことが大事であることはもちろんだし、弱いチームから勝星を稼ぐことも大事。大山がチームの顔としてファンに強烈な印象を与えるためには、さらなる努力が必要ということだ。
阪神が優勝できないのは、「バース再来の夢」を外国人に求め続けることだ、と拙Blogで何度か書いた。今年はどうなのか。サンズ、マルテが残留して、韓国リーグからメル・ロハス・ジュニア外野手(身長189 ㎝、体重102㎏)が入団した。ロハスが来日していないのでなんとも言えないが、昨年、韓国リーグで47本塁打を打っているというから、長打力はまちがいない。
阪神の最大の問題点は監督。今年も迷采配が続けば、2位転落もあり得る。奇策やめてデータ重視、セオリー重視に徹してほしい。とりわけ盗塁失敗を極力減らすこと。盗塁失敗は流れを変えてしまう。クリーンアップにまわったところで盗塁を失敗すると、主力打者のやる気をそぐばかりか、プライドを傷つけることになる。焦ってリスクを負って1点をとりにいくよりも、どっしりと構えて、2点、3点を狙ってほしい。
パシフィックリーグ
実力のパリーグに、MLBから田中が戻ってきた。楽天の戦力アップは疑いようがない。ソフトバンクは相変わらず強そうだし、ロッテもしぶとい、西武は山川が健在。パリーグは、Aクラスにソフトバンク、楽天、ロッテ、西武の4球団がひしめき、Bクラスがなくて、Cクラスにオリックスと日本ハムが残る。1~4位はまったく予想がつかないが・・・
順位
1. ソフトバンク、2.楽天、3.ロッテ、4.西武、5.オリックス、6.日本ハム
実力拮抗の4球団、どこが優勝してもおかしくない。この順位は投手力が根拠である。