恒例の順位予想である。ここ数年、まったく当たっていない。とりわけ昨年は前年最下位球団がセパともにシーズン優勝を飾った。筆者の予想はともに最下位だったから、両球団に礼を失した。順位予想は難しい。
延長12回制度復活
さて、2022シーズンにおいて特筆すべきは、第一に、延長12回制度の復活である。前シーズンのように9回打切りでは引分数が勝率に影響を与え、真の実力が反映しづらかった。今年は前年に比べ、選手層の厚さがより重要となる。第二に、今年に限らずここ1、2年のことであるが、コロナ感染者が与える影響である。感染者、濃厚接触者と特定されれば、出場できなくなる。出場停止期間に関するレギュレーションがいまのところわからいものの、少なくとも5日くらいは試合に出られなくなるのではないか。そうなれば、やはり選手層の厚さが重要となる。レギュラーとリザーブの差が小さい選手を豊富に揃えた球団が優位に立つ。そのような観点からして、セリーグでは読売、パリーグではソフトバンクが上位に来る確率は高い。
セントラルリーグ
今年は昨年以上の混戦が予想される。前出の通り、読売が優位にあることはまちがいないのだが、オープン戦では結果が出ていない。原監督が思い描く理想の先発メンバーを書いてみると、
1.吉川(二)
2.坂本(遊)
3.丸(中)
4.岡本(三)
5.中田(一)
6.ポランコ(右)
7.ウイラー(左)
8.大城(捕)
9.投手
実績十分、ビッグネーム揃いの重量打線である。相手投手は息が抜けない。失投はまちがいなく、オーバーフェンスだ。しかし、オープン戦の成績は岡本、中田以外は振るわなかった。しかも、吉川、岡本を除くと、若くない。ベビーフェイスで若い若いと思っていた坂本がなんと、30半ばである。激務の遊撃でシーズンフルに活躍できるのだろうか。丸も33歳だ。プロ野球選手の30代半ばは働き盛りという見方もあるだろうが、衰えの始まる年齢でもある。
課題は新外国人のポランコ、丸の不振、確定できない一番打者の3点だ。ポランコはなみの外国人選手ではないという評判だが、日本の投手の配給、変化球に慣れていない。慣れるまで時間を要する。原監督が慣れるまで先発で起用し続けるのか、結果が出ないところで二軍調整にまわすのか。ポランコへの期待がマイナスになり、序盤で星を落とす可能性もある。
丸の不振は彼の変則バッティングフォームにある。調整不足ではなく根本的な欠陥である。落差のある変化球に対応できない弱点が相手投手陣に浸透してしまった。
一番の最適任者は松原だが、オープン戦でスランプに陥り、復活のきっかけをつかめないまま、開幕を迎えてしまった。坂本はそれなりの結果を出すだろうが、以前のような爆発力は失われている。中田は体重を増やしてオープン戦は活躍したけど、あの体形は「第二の清原」だろう。ウイラーは守備のマイナス、シーズン全試合は無理だから、それなりの出場で終わる。吉川は3番に起用したい選手なのだろうが、はっきりしない。つまり、岡本だけが昨シーズン並みの活躍が期待できるという状況にある。野手の若手・中堅はのきなみ伸び悩み状態。選手層が厚いと思っていたけど、その知名度・実績に比して、期待度は低い。若手への切り替えに失敗した球団であることはまちがいない。
投手陣では、先発として菅野、メルセデス、新人の赤星が確定。山口、戸郷、高橋が開幕に間に合うかどうか不明。新人の山崎はスタミナ不足で起用法定まらず。
ブルペンは中川、鍵谷、ビエイラが開幕間に合わず。ワンポイント左腕の高木は限界。抑えはデラロサ、セットアッパーが大勢、左の変則の大江、高梨が7回か。投手陣も今村、畠、鍬原、桜井、利根といった中堅が伸び悩み。こうしてみると、序盤戦、戦力は整わない。アンドリュー、シューメイカーの外国人と故障者が復帰するまで、戸田、堀田、直江といった未知数の若手を含めた総動員体制で戦うしかない。
さて、本命の読売が危機にあるなか、他球団はどうなのかというと、これまた明るい材料はない。順位予想はきわめて難しい。混戦にあることはまちがいない。そのなかで下位が確定しそうなのが、貧打の中日、鈴木が抜けた広島、投手陣が弱く、ソトとオースチンが間に合わない横浜の3球団。上位は阪神、ヤクルト、読売でおさまる気配。阪神は藤波の復活がプラス材料。エイヤーで順位を書けば、
1.阪神、2.ヤクルト、3.読売、4.広島、5.中日、6.横浜
(次回はパリーグ)