2013年8月25日日曜日

谷川健一さん逝く

またまた訃報。日本民俗学会の巨星の一人が逝ってしまった。谷川健一さんだ。谷川さんは雑誌『太陽』の編集長を経て、独自に民俗学を研究し、確立したひとだ。アカデミズムに属さない、在野の学者だ。沖縄論、日本の地名研究、物部氏論、東北論、製鉄技術を担った部族のこと・・・などなど、柳田・折口民俗学を継承しつつも、独自に発展させたことで知られている。

筆者は、谷川さんに特別の思いを持っている。筆者がマイナーな情報誌の編集長をしていたとき、谷川さんが主宰する地名研究所(「地名」を守る会)のイベントについて取材したことがあった。事務局への取材後、谷川さんから筆者に、「会いたい」という連絡があった。筆者は喜んで、川崎の地名研究所を再度訪れた。そのとき、谷川さんは、「祭り」の本質について独自の見解を滔々と述べられた。筆者はそのインタビュー記事を後日特集としてまとめ、雑誌に掲載した。

それだけの関係だったけれど、そのときの谷川さんの優しい語り口を忘れたことがない。