2021年12月10日金曜日

労働者に敵対する芳野友子連合会長

芳野友子・新連合会長が、日本共産党排除の発言を頻発している。発言することはけっこうなことだけれど、その理由・根拠が不明なままだ。説明しているにもかかわらず、報道されていないのかもしれない。ならば、メディアの報道姿勢の問題かもしれないが、とにかく、国民には届いていない。

連合が日共を排除する理由はなにか

連合が日共を排除するのは、①労農派↔講座派の対立まで遡るのか、それとも、②反共を任じて総評に反旗を翻した同盟のDNAを引き摺るためか。いやいや、③大企業の利益擁護を第一として、全労働者の抵抗・団結を阻害する自公補完集団である故なのか。③だとするならば、立民・共産の共闘は自公政権にとってプラスではないから、日共排除は連合の一丁目一番地の「政策」に違いない。立民に圧力をかけて、「おまえら余計なことしないで、おとなしくしとれ」ということになる。

立民議員が恐れているのは、連合の支援なしで落選してしまうこと。立民議員が気楽な野党業の職を失えば、莫大な議員報酬を失うしテレビにも出られなくなる。いわば野良犬である。立民が連合のいいなりで、飼い犬みたいな存在だとすれば、健全な野党とは言えない。

芳野友子は反共・旧同盟系労組出身

芳野友子の出身母体は全金労だ。同労組は六産別の一つで、反共・労使協調路線を掲げたナショナルセンターである旧同盟を構成した労働組合の一つ。そこから成り上がったのなら、筋金入りの反共主義者かもしれない。

旧同盟の労働者観は階級としてのプロレタリアを否定し、会社という家族のなか、社長(経営者)は親、使用人(労働者)は子という戦前の労使観で貫かれている。この労使構造は日本帝国における、天皇が親で臣民は赤子(せきし)という国家像を企業像に置き換えたにすぎない。

立憲左派排除、新民主党結党を指示か

芳野友子が描く日本の政治の構図としては、立憲内左派を排除して立憲右派・中間派と国民を合併させて「新民主党」とし、野党共闘を白紙にして、日本共産党、れいわ新選組を排除し、「新民主党」と維新を協調関係にもっていき、小選挙区で自公が安定的に勝ち続ける政治状況をつくり上げること。ちょっと前の「女帝の党」の再現だろう。なお、連合の支援で「新民主党」議員の議席はこれまでどおり確保される。

維新と連携して大政翼賛体制へまっしぐら

このような政治状況は、言うまでもなく、治安維持法なき大政翼賛体制であり、労使関係においては、労働三法を改正なしで骨抜きにする労働運動の全否定だ。芳野友子は労働者のストライキを自主規制させ、時間外手当等の賃金削減を労働者に弾圧なしで容認させ、非正規労働者を増やして景気次第で自由にクビにする強権的労使関係を合法的に推進する、いわば、「円満」な労使関係を経団連等に差し出すつもりだ。いや、もうすでに差し出していて、さらに強化するつもりかもしれない。その見返りは、連合に加盟している労働者を「勝ち組」として経営者様に守っていただくこと。

そして芳野友子は、政府の「新しい資本主義」のメンバーに名を連ねた。労働者を資本の側に売り渡すためでなくてなんであろう。おそろしいデストピアが、すぐそこまできているような気がする。