2024年10月29日火曜日

第50回 衆院選投票結果に思う

  

 自民党の「裏金事件」を争点とした総選挙が終わり、自公政権が過半数割れという結果で幕を閉じた。与党が後退したかわりに立憲民主、国民民主、れいわ新撰組が議席数を伸ばし、公明、維新、共産が議席を減らした。維新と並んで極右と思われる日本保守党、参政党がわずかながら議席数を獲得もしくは伸ばした。

選挙結果は有権者の意識を反映しない

 《選挙結果は有権者の意識を反映する「忠実な鏡」ではない。むしろ、投票率や選挙戦略などの変数によって大きく左右されるというものである。(「極右の躍進は民意の反映か?」(菊池恵介〔著〕『地平』2024.8月号P38)》 さらに続けて、このことは政治学者や社会学者にとって明白である、とも菊池はいう。
 〝選挙結果が有権者の意識を反映しない”とはどういうことかというと、今回のように自公維という保守勢力が議席を減らしたからといって、有権者が保守的政治意識から革新的政治意識に変異したことを意味しないということだ。
 ではこのたびの変数とは投票率や選挙戦略だったのかといえば、投票率は近年の総選挙の数字と同様の低率で変化していない。選挙戦略については、野党の選挙戦略の課題とされる市民共闘は、相変わらず実現しないままだった。ただ唯一の例外として、インターネット(SNS動画)を駆使して若者を対象に「生活」に絞って訴求した選挙戦略が功を奏した国民民主党の躍進は認められる。この選挙戦略は、先の東京都知事選で地方都市の前首長の新人が大きく票を伸ばし得票数2位を獲得したことの延長線上にあり、選挙戦略が投票結果に反映した事例となる。
 ただし、2024年時点では新しい戦略だが、他党が同様のツールを駆使するようになれば、戦略的効果はなくなってしまう。大阪を除く日本のほとんどの有権者の投票先決定要因は〈裏金事件〉だったと断言できる。

議席を伸ばした立憲だが、比例代表得票数では微増 

 〈裏金事件〉に抱いた有権者の感情を筆者なりに解釈してみよう。有権者の意識は「保守」で変わっていないことが、別表からうかがえる。 

【別表】比例代表 党派別得票数 前回対比

自民  1991万→1458万  -533万 

立憲  1149万→1155万     +6万 

国民  259万→616万  +357万 

公明  711万→596万    -115万 

維新  805万→509万       -296万 

れいわ 221万→380万   +159万 

共産  416万→336万    -80万 

参政  なし  →187万 

保守  なし  →114万 

社民  101万  →93万      -8万 

立憲の躍進は有権者のルサンチマン 

 日本のマジョリティー有権者は自公に投票してきた。彼等・彼女等の意識は現状肯定すなわち保守だ。このたびの投票では、保守の意識を内的にとどめたまま、「裏金自民」に反旗を翻した。その情動はカネ・損得勘定への執着だ。釣り銭をちょろまかされたときの悔しさのような感情に近い。裏金議員は裏金で飲み食いしたかポケットに入れたにもかかわらず、所得税も払っていない。有権者の怒りが小選挙区で爆発した。そのルサンチマン、悔しさにも似た感情が「反自民」および自民にへばりつく「反公明」にむけられた。

有権者の意識は保守志向でかわっていない 

 別表から、与党(自公):野党(それ以外)を比較すると、与党2054:野党3390(総数5444)と野党の圧倒的勝利となる。次に、保守:革新という機軸で比較する。この場合の保守/革新という概念は、党綱領、現行憲法に対する姿勢、福祉、支持母体、外国人・在日にたいする見方等を包括して筆者が規定したもの。保守=自民・公明・維新、参政、保守党/2864〉:〈革新=立憲・国民・れいわ・共産・社民/2580〉となり、保守勢力が過半数(2722)を超えている。
 国民民主を革新派に入れたのは支持母体が労働組合だからだけれど、党首の言動から推し量ると、保守に限りなく近い。かりに日本の総選挙制度を政党別比例代表制に一本化したとしたら、保守勢力が過半数をゆうに制していたことになる。
 〈裏金事件〉を世に出したのは孤高の大学教授であり、立憲でも維新でもない。それを精力的に報道したのはマスメディアではなく、共産党の機関紙『赤旗』だった。にもかかわらず、共産党の比例票は減少した。このことは、日本のマジョリティー(有権者)の意識が選挙結果に反映されていない傍証となる。有権者は今回選挙の強力な変数である〈裏金事件〉のみに支配されたのだ。 

これからの日本を支配するのは保守と極右 

 今後の選挙では今回の〈裏金事件〉が変数となることはない。自民党も今後は、「ばれない裏金づくり」を工夫するかもしれないし、多くの有権者は、今回選挙でカタルシスを吐き出してしまった。「裏金事件」は終わった。
 次の参院選(2025年7月)において予想される選挙結果は、保守と新興極右のさらなる党勢拡大だ。新自由主義の浸透の下、民営化、規制緩和、減税へと人々の関心が向かい、近年のフランスでは極右の台頭が顕著となった。前出の菊池は次のように書いている。《階層格差が拡大し、没落する中間層や底辺層の代弁者不在の空白を埋めるかのように、(フランスでは)極右が躍動するようになった。(前掲書P41)》
 今回の選挙で、日本にもその兆候が顕在化した。極右の日本保守党、陰謀論の参政党、左派ポピュリズムれいわ新撰組、優生思想と高齢者排除を党首が公言した国民民主党の台頭だ。また今回後退したものの、維新が大阪の19選挙区すべての議席を独占したように、近畿圏で勢力を維持している。維新の政策は福祉予算削減、緊縮財政、財界と一体化した政策(たとえば万博やカジノ)推進という新自由主義そものであり、その傾向は続く。
 極右およびポピュリズム政党が狙うのは、外国人排斥、差別主義、高齢者攻撃であり、減税(消費税撤廃)を含め、没落する中間層や底辺層の代弁者をよそおうことだ。
 加えて、自民党内では、旧安部派が極右団体の支援の下、石破総裁の責任追及を激化し、石破おろしに決起する可能性を否定できない。次期参院選で自公が負ければ、自民党内の旧安部派が公明・維新・国民民主・日本保守・参政との大連立を画策する可能性もありえないわけではない。そうなれば、自民党内反安部派+立憲民主による中道右派連立が対抗軸として形成される可能性もある。そのとき、れいわ、共産、社民は、日本の政治舞台から大きく後退する。 

自民惨敗報道はきわめて皮相的 

 開票結果を報じる新聞の第一面に踊る「自民惨敗」の見出しは真実を伝えていない。大きく議席数を伸ばした立憲だが、比例では自民500万票減、維新300万票減を奪い取れていない。立憲はなんと、わずか6万票増で終わっている。2020年結党の国民民主が350万票、参政・保守が合せて300万票獲得したが、共産・社民は合せて88万票失い、れいわは159万を奪ったに過ぎない。
 日本人の政党支持に係る意識は不変であるが、このたびの総選挙では、「裏金事件」、ネット戦略という変数が小選挙区を主戦場として、その特異な制度が立憲に議席を与えたとみるべきだ。ゆえに注視すべきは、与党の過半数割れではなく、極右・左派ポピュリズム政党が確実に力を増したというところにある。〔完〕 

2024年10月26日土曜日

2024ドラフト会議に思う


  前回の拙Blogにて、NPBの課題を整理した。その中の一つが限られた球団数であり、それを象徴するのがドラフト会議である。

2024 プロ野球ドラフト会議


 今年のドラフト会議では育成契約をふくめて123名が指名された。今年はどちらかといえば話題をさらうアマチュア界のスター選手が不在のため、父親が元NPB選手で西武、巨人で活躍しながら、覚せい剤取締法違反によって有罪判決を受けた長男の「指名漏れ」が大きな話題となってしまった。彼は東京六大学野球リーグでそれなりの成績を上げたにもかかわらず、「指名漏れ」となったのだ。このことについては後述する。
 さて、指名された選手数は1球団当たりおよそ10人にすぎない。ドラフト会議はNPBの狭き門をもっとも象徴するイベントといわれる所以だ。ドラフト会議が開催される晩秋は、未来のプロ野球選手の誕生が華々しく報道される一方で、NPBから引退、自由契約、戦力外通告によって100人超が退場する時期にもあたる。「プロ野球界の厳しさ」をもっとも実感する季節でもある。

いわゆる「指名漏れ」選手の総数は200人超

 NPB入りの厳しさは、メディアで報じられる指名および「指名漏れ」の選手だけでは実感しにくい。
 NPB球団から指名を受けるには、社会人選手・独立リーグ選手を除く高校生・大学生にはプロ野球志望届の提出が義務付けられている。2024年は、高校生159人、大学生162人の計321人がプロ野球志望届を提出した。ということは、指名をうけなかった選手がおよそ200人いたことになる。もっとも、プロ野球志望届はだれでも提出可能なので、届出者すべてが職業野球を志しているとはかぎらないのだが、届を出さないで指名を待つ独立リーグ選手や社会人野球選手を含めると、実態上の「指名漏れ」はかなりの人数にのぼる。
 NPBが間口を狭めて才能ある人材を埋もれさせているのか、逆に篩にかけ、高いレベルを維持しているのか――について即答することは不可能だとは思う。それでも筆者は、前者の可能性の方が高いと感じている。その根拠となるのが、ドラフト高順位指名選手が必ずしもレギュラーになるとは限らない現実を見るからだ。たとえば近年、育成枠指名でNPBに入団したした選手の活躍が目覚ましい現実に注目したい。ざっと挙げると、MLBメッツ所属の千賀滉大を筆頭に、甲斐拓也(ソフトバンク)、周東佑京(同)、大竹耕太郎(阪神)、宇田川優希(オリックス)、牧原大成(ソフトバンク)が思い浮かぶ。それに下位指名選手を加えるとどうなるだろうか。

ドラフト指名は難しい

 ドラフト指名については、専門の球団専属スカウトが全国をとびまわり、アマチュア選手の才能を見極めた結果だから、その結果は尊重されるべきであり、文句をつける筋合いはない。指名した選手がレギュラーになるか埋もれてしまうかは、さまざまな条件の複合的結果だ。たとえば、ケガ、故障、性格なども関与する。
 また、前出の話題をさらた「指名漏れ」選手の場合、各球団が、覚醒剤問題を起こした父親の影を意識した可能性を否定できない。彼がいわくつきの父親の長男でなかったならば、上位指名は難しくても下位指名はあったように思う。というのも、彼が野球を始めたのは大学生になってからで、中学ではバレーボール、高校ではアメリカンフットボールの選手という経歴をもっていることにある。大学から野球をはじめたにもかかわらず、大学野球界で老舗の東京六大学野球のレギュラーになっていることから、高度の野球センスと身体能力をもっていることが想像できる。彼がこの先、野球の道を進むのかどうかいまの段階では不明だが、NPBに入るにはもう少し時間を要することは確かである。
 NPB入りを目指して10代のほとんどの時間を野球に打ち込んできた若者を「指名漏れ」というかたちで排除するのはいかにも残酷だ。「指名漏れ」となった選手が日本で野球を続ける道は、①国内独立リーグ入団、②社会人野球入り、③高校生なら大学進学または社会人野球入り――にかぎられる。①のみが職業野球であるが、待遇・環境はかなり厳しいという。①②を経てNPBから再指名を受けるには時間経過が必要となる。

NPBが20球団があれば...

 くり返しになるが、NPBの12という球団数は、日本の野球競技人口および日本社会における野球への関心度からして少なすぎる。いますぐ球団数を増やすことは難しいとしても、MLBにおけるマイナーリーグに匹敵する下部リーグの組織化から着手し、たとえば上部リーグをB1、下部リーグをB2とカテゴライズし、サッカーJリーグに倣って、B1下位2チーム⇔B2上位2チームの入れ替え制度なども参考にして、長期計画によってB1(現在の一軍)の球団数増を図ってもらいたいものだ。
 プロ野球選手を目指して青春を賭けた若者に門戸を広げたい。隠れた才能が発掘され開花し、大スターが生まれる可能性が高まることに期待したい。冒頭の写真のとおり、今年のドラフトで最も注目を集めた選手の名前は「夢斗」である。一日も早く、夢が広がるNPBになってほしい。〔完〕

2024年10月22日火曜日

グリーンスローモビリティ

  27日まで台東区・谷中エリアにて実証実験中のグリーンスローモビリティ。小型バス(電気自動車)が同エリアを回遊するという。
 谷中防災コミュニティセンター・日暮里駅・朝倉彫塑館・永久寺前で運転中だ(無料)。
 坂の多い同地区なだけに、区民の新しい足となることが期待される。
 なお、実施の時期などは未定とのこと。








2024年10月18日金曜日

これでいいのかNPB

  NPB(日本野球機構)の観客動員数は確実に伸びている。日本はプロ野球ブームともいえる。その背景には、WBCにおける優勝(2023)、MLB(Major League Baseball)における大谷ほか日本人選手の活躍がある。しかしながら、NPBの好調の要因はいずれも外在的であって、NPB独自の努力とは言いがたい。なによりも、スター選手の不在だ。現在のNPB人気は一過性なのではないか。その理由を以下、述べていく。 

MLBの経営努力 

 MLBも観客動員数は増加傾向にある。だが日米を比較すると、両国のあいだには埋めがたい差異がある。日本では野球が人気ナンバーワンスポーツだが、米国では圧倒的にアメリカン・フットボールのほうが人気がある。野球の欠点は試合が時間制ではないため、試合時間が長いことだ。時間を売るTV(中継)にもなじまない。スポーツファン及びメディアは、試合時間が決まっているアメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケーになびいてしまう。
 MLBは野球における営業面のマイナスを是正(試合時間短縮)するため、さまざまな制度及びルール変更を繰り返してきた。以下、それらについて大雑把に見ておこう。
 2024シーズンから、①ピッチクロック(pitch clock)、②タイブレーク(tie break/ポストシーズンでは採用されない) 、③投手の牽制球回数制限――を導入した。①②については、米国ではMLBほか、マイナーリーグ、大学野球でも採用されている。②は国際大会でも採用されている。また、攻撃重視の観点から、2024年、盗塁数の増加および野手・走者の安全確保のため、塁ベースのサイズを大きくした。この措置は、先行して導入したコリジョンルールを一段高めたものだ。 

NPBセリーグはなぜ、DH制度を採用しないのか 

 MLBアメリカンリーグで1973年より採用されていたDH制度をナショナルリーグでも2022年から完全導入した。いかにも奇異なのが、NPBのセリーグだけがDH制度を採用しないことだ。国際試合で採用されているDH制度を頑なに導入しない理由がわからない。

スケールの大きいMLBのポストシーズン  

 試合システムの改革としては、かなり古い話だがレギュラーシーズンのほかにポストシーズンとして1969年にプレーオフ制度が導入された。プレーオフは漸次制度改良され、現在のワイルドカード・シリーズ、ディビジョン・シリーズ、リーグ・チャンピオンシリーズ、ワールド・シリーズの4シリーズ制に移行した。
 MLBの球団数はアリ―グ15、ナリーグ15の合計30球団だが、ポストシーズンに参加するチームは12球団にのぼり、なんとNPBの全球団数と同数だ。
 3シリーズとも勝ち上がり方式で、ワールド・シリーズまでの道筋を短期決戦型に仕上げた。この制度はサッカーで採用しているカップ戦に近い。長丁場のレギュラーシーズンとは異なった短期決戦をファンに楽しんでもらおうという仕掛けだ。NPBもMLBに倣って、クライマックスシリーズを創設したが、セパ両リーグの上位3チーム(といっても6チーム中の上位3チーム)という、なんとも緊張感を欠いた「ポストシーズン」になっている。
 インターリーグ(NPBでは交流戦と呼ばれる)は1997年から開始され今日に至っている。NPBもMLBに倣って採用されたが、ワンカード(3試合)で終わってしまうため、筆者にはどうでもいい制度に思える。 

NPBの強みと弱み 

 MLBの改革について大雑把にまとめたが、NPBとの違いの根底には、商圏の違いにある。米国は日本の25倍の国土面積を有し、それに北米カナダ(トロント・ブルージエイズ)も商圏に含む。米国(MLB)のスケールを日本(NPB)が真似することは不可能である。人口も日本の約3倍だから、各地域が独立国のような様相を呈していて、各チームは郷土愛に支えられている。

(1)日本社会からの大々的支持

 NPBの強みはなんだろうか。まず、野球が日本社会全体から根強い支持を受けていることだ。少年野球→高校野球→大学野球→社会人野球と分厚い野球人口とそのファンが存在し、それにこたえる選手、指導者、支援者、スタッフが組織されていることだ。このことは最大の強みである。
 しかし日本社会の特殊性がマイナスを生む。そのことを象徴するのが、〝だらだら試合”の横行だ。日本では試合時間が長いことがあまり問題視されない。その理由は、日本人が「間」を重視する国民性をもっているからだろう。不必要なタイムをかけることが、相手の気をそらす有効な手段だと認識されている。不必要な牽制球もそうだ。野球解説者が「打者の打ち気を逸らす絶妙なタイミングですね」と緩慢で無意味な投手の牽制球を称賛することは当たり前であり、中継アナウンサーも解説者に同意する。メディアが試合時間の短縮を阻害する〝だらだらプレー”をあたりまえというよりも、積極的に容認してきたのだ。

(2)甲子園野球からの「解放」が必要

 そればかりではない。日本野球に悪影響を与えているのが「甲子園」だ。短期決戦の甲子園野球は、選手の健康管理面、戦術(作戦)面において、未成年者プレーヤーが本来目指すべき野球を逸脱し、独自の甲子園野球スタイルを確立してしまった。犠牲バントの多用、エースと呼ばれる一人の投手の酷使などだ。変則の甲子園野球に適応するよう訓練された高校生をそこから解放することが、NPB改革の第一歩でもある。  

(3)勝利のほうが引分よりも価値がある

 NPBには延長12回で引分という制度がある。筆者にはまったく理解不能な順位決定基準だ。勝率によって順位が決まるため、勝ち数よりも引分数が多い方が順位が上にくる可能性がある。引分を認めるならば、勝率よりも勝点制度(勝利3、引分1、負け0)にすべきだ。
 MLBでは引分がなかった。タイブレークが導入されるまでは延々とゲームが続き、日付が変わる試合もあった。勝負には勝ちと負けしかないというのがMLBの哲学だが、長時間の試合の非合理性が認識され、タイブレークが導入され、前出のとおり国際試合もMLBに倣った。しかるにNPBは引分・勝率のローカルルールが貫かれ、国際ルールからも離反した状態を続けている。筆者には、NPBの無頓着ぶりが理解できない。国際試合で勝つためには、タイブレークをより多く経験することが必須のはずだが。 

現行12球団による独占状態

 「巨人人気」はこれまでNPB人気を支えてきたのだが、逆にそれがNPBの甘えを生み、近代化、革新の機運を阻んできように筆者には思える。いまでこそ希薄になってきたものの、「野球は巨人...」、「巨人...なんとか、卵焼き」という巨人中心主義が日本球界をながらく蝕んできた。 プロスポーツ存立の基本はホームのファンの支持にある。
 NPBの甘えの構造を象徴するのが、「12球団」という不変の球団数の維持だ。球団のオーナー・チェンジは幾度もあったが、その数は増加しない。NPBとりわけセリーグ各球団は「巨人人気」にあやかって集客できた。だから、新規参入を阻害し、プロ野球マーケットを独占してきた。このことは、既得権益の維持とも換言できる。
 毎年、新人100人が球界入りして、100人が首切りにあうという。だから、高いレベルが保持されるという見方もあるらしいが、筆者は、そうは思わない。チャンスに恵まれず、才能を眠らせたまま職業野球業界を離れた者も多いのではないか。そのことについては後述する。
 日本の職業野球業界はNPB・12球団傘下の二軍と三軍(全球団ではない)があり、二軍はイースタン、ウエスタンの2リーグが活動している。イースタン、ウエスタンは現行12球団の下部組織であり、選手育成と一軍選手の調整の場としての機能を担っている。
 12球団が職業野球人を1軍・2軍・3軍としてを丸抱えして、不要になったと判断した選手の首を斬るシステムだ。そのことはMLBとかわらないが、MLBはAAA、AA、Aの各リーグの独立性が強く、MLB球団の本拠地をもたない地域にプロ野球という娯楽を提供している。
 なお、近年、日本球界に「独立リーグ」が誕生し、(1)四国アイランドリーグ(2005)、(2)ルートインBCリーグ(2007)、(3)さわかみ関西独立リーグ (2014)、(4)北海道ベースボールリーグ(2020)、(5)ヤマエグループ九州アジアリーグ(2021年)、(6)北海道フロンティアリーグ(2022)、(7)日本海リーグ(2023)の7リーグ、28球団が活動している。( )内は創設年。独立リーグの球団はどこも緊縮財政で経営状態は芳しくない。独立リーグの球団を母体としてNPBに参入できるチームをつくりあげるには、大企業のスポンサードを必要とする。

 市場開放、新規参入を促して活性化を

 景気がそれほど良くない日本の経済環境下、NPBに参入したい事業者がいるのかどうかについて、筆者は取材していないのでわからないものの、近年、日本のスポーツ界はMLBの大谷翔平、女子やり投げの北口榛花、イタリア男子バレーボールの石川祐希、NBAの八村塁といった、世界の大舞台で活躍する選手を多数輩出するようになってきた。そのなかで野球はエンタメ産業のなかでの最有力コンテンツであることは確言できる。TVの情報番組で大谷翔平が登場する回数は尋常な数ではない。いまがプロ野球ビジネスを始める絶好のチャンスだと思える。野球人気の高い地方中核都市をホームとしてNPB球団を創設すれば、地域活性化にも資する。MLBの30チームには及ばないものの、サッカーJ1の20チームくらいの規模のリーグが維持できるはずだ。

球団数増こそが発展の道

 前出のとおり、日本球界では球団数を増やせば選手の質が落ちる、という消極論が絶えない。 はたしてそうだろうか。MLBの発展は米国の地域開発の進展にシンクロしている。東海岸から中部に本拠地を置いていた球団が西海岸に移転すると同時に、移転した穴を新球団が埋め、さらにディープサウスの都市化とともに西南部に新球団が結成され、さらに北米カナダに至る。交通機関、とりわけ航空機網の充実がそれを支えた。
 1940年代には黒人選手に門戸が開かれ、人種・国籍不問の下、中米・南米出身選手が活躍する場を得た。そしていまでは東アジア(日本・韓国等)にも門戸が開かれている。MLBで大活躍中の大谷翔平は、MLBの拡大方針に基づくスカウティングの成果の一つでもある。大谷効果により、日本の公営放送であるNHKはMLBに対して87億円の放映料を支払っている。
 MLBは新しいスターを見いだすため、全世界にスカウト網を構築した。30球団はスターを求めて、激しい競争を強いられる。才能を見いだす眼力が求められると同時に、プレーヤーはスカウトの目に留まろうと努力をする。才能のある選手を獲得するため、30球団は給料を上げなければならなくなる。こうして球団と選手のあいだに好循環が形成されていく。かぎられた数の球団で選手の才能を潰すよりも、球団数を増やして活躍の場を広げるほうがスターを生みだす機会が増える。 

大谷の「終わり」がNPBの「終わり」 

 NPB(日本の野球)人気は、いま現在をピークとして、ゆるやかな下降線をたどるのではないか、と筆者は予想する。その異変は、いま海の向こうで活躍する大谷翔平の変容がもたらすはずだ。彼が「二刀流」に復帰すれば、今年の打者「一刀流」ほどの活躍は望めない。投手としての勝ち星は一桁で終わり、本塁打、打点、盗塁、打率は2024年を大幅に下回るだろう。故障する確率も高まる。「二刀流」という〈話題性〉と〈投打の成績すなわちチーム貢献度〉がバランスしなくなった時点で、「大谷神話」は崩壊する。大谷翔平は「並み」もしくは「並以下」の投手であり、「並み」のDH(打者)にとどまる。そのとき、常勝を義務づけられたドジャースは大谷をどうするのか。
 よしんば、大谷翔平がMLBで「二刀流」を貫けたとしても、彼の30歳という現在の年齢を考えると、彼の現役生活はこの先長くて10年に満たないのではないか。大谷翔平は100年に一度の選手であり、彼に代わる選手はしばらく出てこない。大谷の絶頂期の終わりとともに、前出のとおり、NPB(日本の野球)人気もゆるやかな下降線をたどる。下降を迎える時期はそれほど遠くない未来だろう。
 野球人気の下降局面を耐えぬく方策は、地域密着の球団経営にある。スーパースターの出現という一過性に負うのではなく、しっかりとしたフィジビリティ・スタディ(feasibility study)に基づいた球団経営に徹することだ。そういう球団が20チーム集まってリーグを組めば、NPB人気は不動のものとなる。〔完〕

2024年10月17日木曜日

千駄木でカラオケ

 高校時代からの旧友が集まりました。



2024年10月8日火曜日

NPB2024総括(パリーグ)

 

 NPBパシフィックリーグは早々とソフトバンクが独走態勢を固め、すんなりと優勝を決めた。以下、日本ハム、ロッテ(CS出場権獲得)、楽天、オリックス、西武となった。筆者が本年3月26日に拙Blogで予想した順位は1.オリックス、 2. ソフトバンク、3. 楽天、4. ロッテ、 5. 西武、6. 日ハム  だったから、まったく当たらなかった。 

パリーグ3つのサプライズ 

 パリーグの2024シーズンで特筆すべきは以下の3点だ。第一が、2シーズン最下位だった日ハムの2位躍進、第二が、二連覇したオリックスの5位転落、第三が、最下位西武の悲惨な成績(勝率.350/2024/10/07現在)だ。今シーズン、西武球団は黒歴史を刻んでしまった。

(1)バランスのとれた日ハム

  まず、日ハムの2位躍進の主因を探りたいところだが、いまのところ筆者には考えが及ばない。わからない、謎のままだ。手元のありきたりのデータから探るならば、本塁打数111本はソフトバンクに次いでリーグ2位であること、チーム打率.245はリーグで3位であること、盗塁数91はリーグトップであること。一方、防御率.295は、ソフトバンク(2.53)、オリックス(2.82)に次ぐ3位であること――から、日ハムは盗塁数、本塁打数が多く、攻撃型のチームだったことがわかる。日ハム・新庄監督はスクイズ多用のイメージが強く、貧打で守備型のチームだと思っていたが、データからするとそうではなかった。なお、失策数75は、オリックスに次ぐ2位であるから、守備が特段上手いチームでもない。今季の日ハムは、バランスの取れたチームだったことだけは確かである。

(2)5位オリックスは予想外

 開幕前、筆者は、優勝するのはオリックスかソフトバンクかで迷ったくらいだから、ソフトバンクの優勝は驚かない。しかし、オリックスが勝率5割を割り、5位に沈むとは思わなかった。
 結果論になるが、オリックス凋落の要因はわかりやすい。絶対的エース山本がMLBに移籍し、投手陣の柱が抜けたことだ。若手投手陣が支柱を失い、精神的安定感を失い、昨年培った自信が揺らいでしまったと思われる。投手陣を引っ張るリーダー的投手が育っていなかった。加えて打撃陣も精彩を欠いた。主砲杉本が82試合の出場にとどまり、FAで広島から移籍した西川もパリーグの野球にフィットできなかった。
 連覇は難しいといわれるくらいだから、三連覇はなお難しい。若手が多いオリックスだから、既存戦力が昨年から上乗せして戦力アップと単純に考えてはいけなかった。これは予想と結果の乖離という難題だ。既存戦力が順調にスキルアップすれば問題は生じないが、NPB球団が職業野球集団である以上、リーグ途中であっても、構想から外れた弱点をトレード、外国人などで補う努力を必要とする。フロントがなにもせず、すべて現場まかせならば、GMも球団社長も給料を返納すべきだ。 

(3)西武の大不調は論評不能 

 大敗西武の主因は内部の者でないとわからないのではないか。戦力、モチベーション、チーム内不和・・・なのか、それらが複合的にからみあったのか。選手、コーチ・監督、フロントすべてにかかわる問題なのだろう。NPBはセパ6チームと少ない構成だ。そのうちの一つが勝率.350となれば、リーグ戦の興味は失せる。
 さて以下の記述は推察にすぎないが、昨シーズン、西武は「山川問題」でつまずき、その山川がソフトバンクで大活躍したという重い現実がある。以下、「山川問題」を大雑把に振り返ってみる。

 事件は、2023年5月、山川が東京都内のホテルで当時20代の知人女性に対して性的な暴行を加えたとして、警視庁が強制わいせつ致傷の容疑で捜査を進めていることが文春オンラインより報じられたことで明るみに出た。
 文春によると、警察は被害届を受理し、山川に事情聴取が行われたという。その直後、山川は強制性交等の容疑で警視庁により東京地検へ書類送検され、西武球団は謝罪のコメントを発表した。
 同年8月、東京地検は山川を嫌疑不十分で不起訴処分とした。球団は、9月に無期限の出場停止処分を発表すると同時に、山川自身の「不起訴と判断されましたが、そもそもの主たる原因は、わたしがプロ野球選手という立場をわきまえずにした行動が招いたものであり、深く反省しています」というコメントを紹介した。
 2023年、2024年に行われた西武ホールディングスの株主総会では、株主側から山川に関する質問が2年連続で行われた。西武側は回答の中で、「不法行為ということは今のところ考えていない」として、グループ全体が負った損害に対する賠償請求を行わないことを示唆したという。
 2023年シーズンオフの10月5日、公式戦外の教育リーグであるみやざきフェニックス・リーグへの参加が発表され、同11日の同リーグの試合で5か月ぶりに実戦復帰を果たした。同23日には、4月に右足痛で登録抹消となった期間に「故障者特例措置」が適用されたことにより、国内FA権を取得しFA権を行使。この行使を受け、ソフトバンクが山川獲得に乗り出し、2023年12月19日、ソフトバンクへの入団が発表され、入団会見が行われ、山川は改めて、一連の不祥事について関係者や西武ファンに対する謝罪を行った。なお人的補償として甲斐野央が西武に移籍することとなった。ちなみに甲斐野の今シーズンの成績は、開幕一軍入りを果たすも、18試合登板で1敗5ホールド、防御率3.12。戦力にならなかった。(Wikipediaより抜粋)

 真相は藪の中である。検察が不起訴処分とした背景が不明である。一般に被害者との間で示談が成立した場合、不起訴処分とするケースが多いというが。しかし、前出の文春によれば、「女性は膣内やその他下半身などから出血するけがを負って」いたという。文春の報道のとおりならば、性的暴行、傷害の加害者が不起訴処分というだけで大観衆の前で平然とプレーをするのはやはり異常事態である。
 山川のFA宣言、ソフトバンクの獲得もおおいに疑問が残る。ソフトバンク側は獲得に際し十分な調査をしたというが、調査の実施主体、調査内容も非公開である。NPBも「山川問題」について調査委員会を立ち上げた様子はないし、スポーツメディア、マスメディアも不問に付した。いまになっては、「山川事件」はなかったことになっている。
 西武というチームが歴史的負け数を記録した主因が「山川問題」に結びついているという証拠はもちろんない。ただ、西武の選手たちが複雑な気持ちを抱かないはずはないと推測できなくもない。「カネがあって野球がうまければ、なにがあっても許される」という風潮は究極のモラルハザードである。「山川問題」の幕引きは、NPBの統治能力の限界をみせた、と筆者は考えている。

西武とオリックスは猛省を

 西武およびオリックスの両球団は来季に向け、既存戦力の分析からはじめて、スカウティング(ドラフト・トレード)戦略を固める必要がある。球団社長、GMがリーダシップをとって来季のチーム編成の骨格を示さなければならない。選手として実績のある者を監督に迎え入れただけで、「手を打った」とする「現場丸投げ」の方策は時代遅れ。セリーグも含めて、NPBの近代化が望まれる。(次回は「これでいいのかNPB」) 

2024年10月5日土曜日

NPB2024総括(セリーグ)

 NPBセントラルリーグ、読売ジャイアンツ(以下「巨人」)の優勝が決まった。以下の順位は、阪神・DeNA(CS出場権獲得)そして、広島、ヤクルト、中日である(2024/10/05現在)。筆者が本年3月26日に拙Blogで予想した順位は阪神(優勝)、 広島、 巨人、ヤクルト、DeNA、中日であったから、かなり外れた。

DeNA・中日が巨人優勝をアシスト

 巨人のチーム別対戦成績を見ると、阪神=12勝12敗(1)、DeNA=16勝8敗(1)、広島=13勝 9敗(3)、ヤクルト=13勝12敗(0)、中日=15勝9敗(1)である。( )内は引分 。巨人の優勝は、DeNAと中日をカモにした結果ともいえる。この2チームがもうちょっとがんばってくれたなら、筆者の予想が外れなかった可能性もなくはない。
 巨人のライバルが阪神、広島であることは容易に予想できたことだが、その阪神は序盤・中盤、打線の不振と拙守で星を落とした。終盤の追い上げも時すでに遅し。追い越せなかった。広島のBクラス落ちは想定外。終盤の大不振は日本球界の歴史に残るかもしれない。投打にわたって息切れした。

巨人を救ったヘルナンデス

 ライバル2チームに比べて、巨人はシーズン途中で有効な補強をした。悪い流れを変えたのは米国AAAからやってきたヘルナンデスだ。MLB経験はないが、なかなかの巧打者でNPBに短期間でフィットした。ケガで、優勝を決めるまでの試合に出場できなかったが、彼の貢献が巨人を優勝に導いたといえる。MVPに値する活躍だった。
 一方の阪神は動かなかった。再契約した外国人(ミエセス、ノイジー)が不振で一軍出場すらかなわなかったにもかかわらず、既存戦力の台頭に期待したようだが、結果としては失敗に終わった。
 広島は阪神よりも重傷だった。序盤に末抱が故障で出場できず、2024年に新たに契約した外国人2選手(マット・レイノルズ内野手/MLBレッズと、ジェイク・シャイナー内野手/AAAタコマ)がNPBにフィットしないまま退団した。広島は主力の西川がFA移籍で退団し戦力低下していたにもかかわらず、シーズン途中の補強を怠り、既存戦力の台頭に賭けたが、阪神同様失敗に終わった。

他球団を寄せつけなかった読売の球団経営力 

 巨人は変わった。阿部新監督は、それまでの監督(原、高橋、原)の野球を捨てた。ヘルナンデスの補強はそのことの象徴でもある。狭い東京ドームに本拠地を構える巨人は、一貫してホームラン打者を揃えるチームづくりを行ってきたが、阿部はアスリートタイプで臨もうとしたようにみえた。このことは、開幕前の拙blogで詳述した。

(1)積極的に動いたフロント

 序盤から中盤にかけて、阿部の構想は、梶谷が故障で長期欠場したことで崩壊しかけた。外野陣に大穴が空いたのだ。丸以外のレギュラーがいなくなった。読売球団はまず、国内トレードを試みたが結果がでなかった。最後の選択として、AAAの選手の獲得に乗り出し、前出のヘルナンデスに巡り合えたわけだ。それでも、LFの穴が埋まらず、内野手登録の新外国人モンテスで応急手当てをした。ヘルナンデス離脱以降は、モンテス、浅野、オコエが日替わりヒーローとなり勝星を重ねた。

(2)すぐれた体調管理

 内野では、吉川(2B)の活躍も見逃せない。シーズンをとおして優勝に貢献した。天才的守備力とチャンスに強い打撃が巨人のピンチを幾度となく救った。彼の弱点は故障(腰痛持ちだと聞いたことがある)が多いことだったが、今シーズンはそれが出なかった。後述するが、菅野の復活もみごとである。本人たちのセルフコントロールの努力もあるし、また、コンディション担当コーチの功績かも知れない。

(3)円滑な一軍⇔二軍の交流

 巨人は二軍との連携が円滑で、そのことが弱めの攻撃陣を救った。一軍で調子を落とした選手は二軍で調整させ、二軍で調子の良い選手が上がってきて活躍するというパターンを確立した。前出のとおり、二軍で賄いきれなければ、外国人選手を輸入するといった思い切った策が功を奏した。このシステムは球団-阿部監督-桑田二軍監督-各コーチ-スカウトを中心としたスタッフの有機的連携の結果だろう。球団レベルにおいて、阪神、広島を引き離した。 

投手王国となる予兆

 巨人優勝の一方の要因は投手力である。菅野が完全復活以上の働きをみせた。筆者は菅野限界説を唱えていたのだが、その予想は大外れだった。前出のとおり、彼の復活はコンデションを維持できたことだろう。持病の腰痛が発症せず、肘の故障もなかった。そのうえ、今シーズン序盤に話題となった飛ばない公式球といいたいところだが、圧倒的な投高打低現象の主因は、ストライクゾーンの変化ではないか。取材をしていないので筆者の主観にすぎないが、公式球の仕様というよりも、球審のストライクゾーンが低めに広がったことが大きいと思う。そのため、コントロールの良い大瀬良、菅野というベテランが復活したし、髙橋宏斗(中日)の防御率1.38は驚異的記録となっている。スプリット、チェンジアップといった落ちる球が全盛の時代、加えて低めに甘くなったストライクゾーンという条件がそろえば、投手力の良い巨人には好都合である。

真剣さが足りない5球団 

 巨人の優勝に文句をつける気はないが、2024年シーズンは、NPBセントラルリーグの実力低下を露見させた。阪神の淡白な球団運営、中日、ヤクルト、DeNAのやる気のなさ、強調すべきは広島球団の緊縮経営による終盤の絶望的凋落である。巨人を除く5球団からは、ペナントを必死で取りにいこうとする気迫・姿勢がうがえない。球団創設90年の読売に花をもたせたのか、と疑いたくもなる。(次回はパリーグ)

2024年10月4日金曜日

ダイニングバーから日本酒&画廊へ(根津)

 

マスカットとマスカルポーネ(なっかーさ)

しずく

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