2021のNPB(日本プロ野球)、パリーグの順位である。
〈パリーグ〉
1オリックス(70勝55敗18引分、勝率.560、打率.247、防御率3.31
2ロッテ(67勝57敗19引分、勝率.540、打率.239、防御率3.67
3楽天(66勝62敗15引分、勝率.516、打率.243、防御率3.40
4ソフトバンク(60勝62敗21引分、勝率.492、打率.247、防御率3.25
5日本ハム(55勝68敗20引分、勝率.447、打率.231、防御率3.32
6西武(55勝70敗、18引分、勝率.440、打率.239、防御率3.94
筆者の開幕前の予想
1. ソフトバンク、2.楽天、3.ロッテ、4.西武、5.オリックス、6.日本ハム
であったから、こちらも外れた。楽天、ロッテをAクラスにあげていたのがせめてもの救いか。
主力の故障と高齢化――ソフトバンクBクラス転落の主因
ソフトバンクのBクラス転落は考えもつかなかった。順位表でわかるように、チーム打率はオリックスと同率ではあるが1位、防御率も1位である。投打のバランスは数字上、最も良い。なぜ4位なのか。
ソフトバンクは選手層が厚いと思われるのだが、それでも、エースの千賀滉大、先発ローテーションの一角・東浜巨、クローザーの森唯斗、中継ぎのリバン・モイネロ、打撃陣では、ジュリスベル・グラシアル、周東佑京といった主力選手に故障が相次いだことが、成績を落とした主因だろう。加えて、松田宣浩、アルフレド・デスパイネ、ウラディミール・バレンティンらベテラン陣の不振も重なった。主軸が活躍しないと勝負所で勝てないし、チームも波に乗れない、ほかのチームにプレッシャーをかけられない――といった勝負の綾があるのかもしれない。4年連続で日本一となったあとの2021シーズン、選手・監督のモチベーションが上がらなかった可能性も高い。
オリックス中嶋監督、指導力を証明
オリックス優勝の立役者は2020シーズン途中からチームを率いた中嶋監督である。現役時代、コーチ時代を含めて印象にない野球人であるが、セリーグの高津監督(ヤクルト)と同様、最下位チームを優勝に導いたのだから、指導者としての実力の証明としてはじゅうぶんすぎる。
このチームは投の山本、打の吉田正という日本球界を代表する選手を擁していた。2021はその山本がリーグ最多勝の18勝、高卒2年目の宮城が13勝、田嶋と山﨑福がキャリアハイの8勝を挙げた。野手陣も前出の吉田正が.339で2年連続首位打者及び.429で初の最高出塁率、杉本が32本塁打で初の本塁打王を獲得するなど、山本、吉田正はもちろん、それ以外の選手の才能が一気に花開いた感がある。オリックスはFAや前MLB選手といった派手な補強をしていない。むしろ、育成型の球団である。2022以降、このチームがどのような姿になっていくか注視していきたい。