2026年9月15日火曜日

「二刀流」危機一髪

 
大谷の故障者リスト入りを説明するロバーツ監督

MLB大谷翔平がIL(旧DL、故障者リスト)入りした。2018年6月、2023年9月以来のことか。MLB移籍後、IL入りはしないものの、短期休養は珍しくないし、オフシーズン後の手術もあった。米国のコメンテーターが「二刀流」を諦め、打者に専念したほうがいい、と忠告したらしい。 

賛成だ。シーズンは長いし、ポストシーズンは苛酷だ。データを使って「二刀流」と「打者専念」とを比較して、どちらがチームの勝利に貢献したかを判断することは難しいが、筆者の感覚にすぎないが、後者の方が貢献度が高いように思う。チームに貢献する条件のひとつは、フル出場してそれなりの成績を残すことだと筆者は確信する。打者に専念したからといって、故障やケガがないとはもちろん言えないが、大谷の故障は「二刀流」に起因していると筆者は思っている。
 
「二刀流」の撰択は第一に本人の希望であり、第二にメディア・ファン(特に日本)の支持であり、それを受けた球団が興行的効果に目をつけたゆえの決定事項だろう。本人のやりたいようにするのが一番という新自由主義的価値観もそのことを後押しする。 

そこで切り捨てられているのが、同僚および現場を預かる指揮官、スタッフの思いだろう。「二刀流」がチームに与えるマイナスの影響については、打撃陣には少ないと思うものの、ドジャースは投手大谷のために先発6人制を採用した結果、投手大谷の登板間隔の変則性により、先発投手陣は調整の規則性を奪われているはずだ。

さて、大谷の2026シーズンは防御率1.79、8勝2敗、95奪三振と、「二刀流」としては驚異的な結果を残したようにみえる。しかし、イニング数は85 2/3にとどまっている。大谷以外の先発陣のイニング数(2026/09/15現在)をみると、佐々木119 1/3、山本172、スクーバル139 2/3、ラウアー108 1/3、ロブレスキー133、シーハン107。なお、シーズン前先発として期待されたグランスノーは61 2/3だった。グラスノーも大谷どうよう、シーズンを投げ切ったとはとてもいえない(ドジャースは9月15日時点で150試合を消化し 91勝 59敗の成績)。

ポストシーズンで二刀流大谷が復活するかどうかわからないが、「二刀流」を続けるかどうかの判断材料は、ポストシーズンにおける投手大谷が復活するかどうかにかかっているのではないかだろうか。〔完〕