2017年4月3日月曜日

谷中霊園の桜

何とか見ごろになった谷中霊園のソメイヨシノ





2017年3月31日金曜日

危険なスピリチュアリスト・安倍昭恵

森友問題がますます混迷を深めている。籠池泰典の口封じをしたい政府与党は、メディアを使って恫喝を強めている。一方、安部政権を追い詰めたい野党は次々と新証拠を繰り出して、追及姿勢を緩めない。一見膠着状態のように見えるが、この問題の構図は極めて単純である。その構図を改めて示そう。

森本問題の「実行犯」は財務省

問題は、財務省が国有地を不当に値引きして、森友学園を特別扱いで払い下げたという単純なもの。国有財産を管理する財務省が一民間法人(籠池泰典)の指値に応じ、不当にも廉価で国有地を払い下げた。当該国有地の価格を査定したのが国土交通省。つまり二つの省庁が、結果として、籠池泰典の要望をほぼ無条件に受け入れたわけだ。この問題を刑事事件ふうにみたてれば、「実行犯」は国土交通省及び財務省(の役人)であり、払下げの所管は財務省だから、財務省の担当者が「自白」しさえすれば、「事件」の真相は判明する。

しかるに、財務省は籠池泰典との取引の詳細を明らかにしない。記録はないと強弁している。つまりこの問題が行き詰まっているのは、「犯人」の一人(財務省)が、「犯行」を「自供」しないが故なのだ。

「実行犯」はもう一人いる。籠池泰典と財務省との折衝を代行した首相夫人付き秘書。この秘書は経済産業省からの出向者で、「夫人付き」という肩書で安倍昭恵に仕えていた(秘書)。ということは、国有財産不当払下げ「事件」は、国土交通省、財務省、夫人付き(経済産業省)という、三つの中央省庁に属する者によって実行されたことになる。なお、籠池が新設しようとした小学校の認可については、大阪府(私学課)が関与していたらしいが、その問題はひとまず置く。

「主犯」は安倍首相夫人

三者の「犯行」の動機は何か――マスメディア報道を読む限り、明らかではない。三つの省庁の担当者が籠池泰典からの金銭授受や接待を受けた事実はなさそうに思える。そこでマスメディアが使いだしたのが「忖度」という概念だ。役人が政治家等の圧力を見越して、気をまわして融通を図ったに違いないと。確かにそういう役人の行動原理は少なからず見受けられるもので、今回の場合は、籠池が政治家を使って役所を動かしたという推測がなされた。

しかし今回に限っては、政治家ではなく、政治家のしかも総理夫人の妻・安倍昭恵(の威光)がちらつきだした。そして籠池の国会での証言と、その後に出てくる証拠から判断する限り、籠池の意図を汲んだ安倍昭恵に対して、複数の省庁(役人)が心遣いを示したことが明らかになってきた。換言すれば、森友問題の「犯行」の「主犯」は、首相夫人・安倍昭恵である疑いが濃い。この問題は、安倍昭恵の思いを実現するため、少なくとも三つ以上の省庁(の役人)が「従犯」として尽力した可能性が高い。

首相夫人・安倍昭恵の正体
だが、疑問が残る。安倍昭恵がなぜ、籠池泰典のためにここまで尽力したのか――と。安倍昭恵と籠池(夫妻)が親密であったことはメールのやりとり、写真等で明らかになっているが…

森友学園と安倍昭恵の関係に係る注目すべき論評が東京新聞(2017/3/28夕刊)に掲載されている。「ナチュラルとナショナル 日本主義に傾く危うさ」(論壇時評)と題された、中島岳志・東京工業大学教授の小論だ。タイトルは抽象的でわかりにくいが、要は、首相夫人・安倍昭恵の本質を問う内容になっている。当該記事の要約を以下に示そう。


  • 昭恵夫人は森永製菓の創業家に生まれ、聖心女子専門学校卒業後、電通入社
  • 会社の上司の紹介で安倍晋三と出会い、24歳で結婚
  • 夫・安倍晋三の政界入りと同時に山口県の選挙区に入り「政治家の妻」として活動開始
  • 境遇が大きく変わったのは2006年。夫が総理大臣に就任し、44歳の若さでファーストレディーになったが、「三歩下がって夫を立てる良妻賢母」という型に戸惑う。
  • 突然の夫の総理大臣辞任。激しいバッシングと夫の体調不良で「どん底」を味わう。
吉本隆明にならえば、「現実が強く人間の存在を圧するとき、はじめて人間は実存するという意識をもつことができる。ここで人間の存在と、実存の意識とは、するどく背反する。(『マチウス試論』)」というわけだ。

安倍昭恵は、夫の総理大臣辞任と、その後にやってきた「どん底」生活から、強くおのれの実存を意識し出し、これを契機として、大きな自己転換を図った。「私らしく自分の人生を生きたい」と。

まず、大学院に入り勉強をし直す一方で、神社めぐりをきっかけに、スピリチュアル(霊的)カウンセラーや神道関係者、ニューエイジ系の自然主義者と交流し、精神世界への関心を深める。そして、スピリチュアルな自然主義者としての活動は政治性を帯びる。
たとえば、
  • 無農薬・無添加食品にこだわる居酒屋「UZU」開店
  • 脱原発運動への接近
  • 3.11以降の防潮堤政策批判
  • 三宅洋平と意気投合
  • 沖縄・高江訪問
加えて奇妙なのが「大麻崇拝」である。昭恵は、
  • 大麻の神秘性と有用性を訴え、
  • 大麻は日本の神事と深い関係があると主張
  • 大麻栽培禁止はアメリカの占領政策だと主張
  • 過疎地で産業用大麻を栽培する活動を支持(昭恵は栽培地・鳥取県智頭町を視察する。しかし、その当事者は大麻所有容疑で逮捕)
極右教育を礼賛

昭恵のスピリチュアルな活動が古来の神秘へと接続し、日本の精神性の称揚へと展開しはじめ、ついには国粋的な賛美へと思想形成されるに至る。ここまでが、中島の論文の要約である。

さて、森友問題に戻る。昭恵が日本会議(籠池奏典)と出会うことは必然だった。籠池は園児に『教育勅語』を暗唱させるなど、極右思想を注入する洗脳教育をすでに実施していた。安倍昭恵は籠池の極右的幼稚園の存在を知り、籠池と親交を持つ。そして小学校設立の構想を聞くに及び、大いに賛同し、学校設立を応援した。昭恵は、籠池が運営する幼稚園を訪れ、その教育方針及び内容に実際ふれて感激した、という意味のコメントを公にしている。そして昭恵は、籠池によって新しく設立される小学校の名誉校長に就任する。(問題発覚後辞任)

昭恵が「主犯」「黒幕」として、国有地大幅値引きを画策した「動機」は明白である。籠池の小学校設立に思想的に共感し、それを応援しようと活動したのだ。国土交通省、財務省、経済産業省(から出向の秘書)は、首相夫人の強い「動機」を感じ取り、夫人付き秘書を介した安倍昭恵の要望を悉く受け入れた、と推測される。

安倍首相の辞任発言

この問題で政府が追い詰められるようになった要因は、もう一つある。それは国会で安倍総理大臣が「・・・私や妻が関係したということになればこれはまさに私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということをはっきりと申し上げておきたい」と発言したことだ。

安倍晋三は妻・昭恵の森友問題への関与を知っていたのか。おそらく知っていた。安倍晋三は関与していたのか、どうか。そのことの確証はないが、それほど深く関わっていたとは思えない。ただ、安倍晋三が日本会議と親密な関係にあることはよく知られていて、妻・昭恵が籠池と親しいことは知っていたと思われる。

ただ、安倍が選挙区ではない豊中の私立小学校設立について、深く関与したとは考えにくい。それでも、妻・昭恵が(名誉校長に就任する)極右的教育方針の小学校設立のため、財務省の(当時の)理財局長をよびつけて「よきにはからえ」くらいは伝えたかもしれない。その理財局長が組織を通じて、近畿財務局担当者に(よきにはからうよう)命じたかもしれない。その程度かもしれないが、それでも総理大臣が、「深くはないが関与」したことに変わりはない。妻・安倍昭恵は森友問題に深く関与した。

だから、昭恵はこの問題の「主犯」なのである。さらに夫・安倍晋三も、深くはない関与をした疑いが濃い。安部総理大臣夫妻がこの問題に関与したのであるから、国会答弁に従い、安倍は国会議員と総理大臣の職を辞することが筋となる。

問題の本質は首相夫人の思想性

森友問題は単純な構図の「事件」であるが、問題の本質は総理大臣夫人が、カルト思想の持ち主のままで、さまざまな分野で活動しているという事実であって、こちらのほうが重い問題である。

精神世界への傾斜、ニューエイジ思想、エコロジー思想、自然農法・・・ナイーブ(うぶ)な女性が環境・自然破壊に憤り、社会の諸矛盾に関心を持ち始めた時、神秘思想はその解決の唯一の手段のように思えることがある。資本主義の矛盾の解決には大きな困難が伴うものだが、霊的なものに解決策を求めると、いとも簡単に世界が変革されるような錯覚に陥る。前出のとおり、安倍昭恵はその典型の一人である。

安部昭恵の旋回は、21世紀の今日、だれもが陥りやすい思想的隘路である。ここで先に引用した吉本隆明の言説を繰り返しておく。
現実が強く人間の存在を圧するとき、はじめて人間は実存するという意識をもつことができる。ここで人間の存在と、実存の意識とは、するどく背反する。
実存の意識の獲得は大切な一歩ではあるが、無防備な女性が、カルト思想、神秘主義、ロマン主義、神国思想、国粋主義といった、安易な「変革の思想」に取り込まれる危険もある。精神界、霊界に委ねれば、そこからファシズム、排外主義、国粋主義、超国家主義に通じる道が開かれたことは、20世紀の歴史が証明している。首相夫人である安倍昭恵が、その手の思想に深く染まっている事実を、国民は深刻に受け止めなければいけない。昭恵はマスメディアがつくりあげている、いわゆる世間知らずの「善人」ではない。

前出の中島は、同論文中に次のように書いている。
従来、スピリチュアリティと政治の結びつきは、1960年代後半から70年代のヒッピー文化を底流としてきたため、エコロジーやオーガニックという自然志向とともに、左翼的な主張につながる傾向にあった。しかし、その近代批判が土着文化への回帰を促し、伝統礼賛へと傾斜すると、時に「ニッポンすごい」という愛国的・右派的な言説へと合流する。
          (略)
かつてナチス・ドイツも有機農業を称揚し、独自のエコロジー思想を打ち出した。ヒトラーは「化学肥料がドイツの土壌を破壊する」と訴え、純粋な民族性と国土のつながりを強調した。
〈右派的な権力者・安倍晋三首相〉と〈スピリチュアルな自然主義者・安倍昭恵夫人〉。この両者の一体化は、危険な超国家主義を生み出しかねない。
筆者は中島に全面的に同意する。

2017年3月30日木曜日

東綾瀬公園

桜はまだ、2~3分咲というのに、花見に出かけた。

東綾瀬公園である。

桜並木に入る前に現れた東京武道館。
すごい建物だ。


桜は少々



彼岸桜かな

2017年3月27日月曜日

日本、優位に―W杯、アジア最終予選

サッカーW杯、アジア地区最終予選の天王山とも思われたUAE戦ーー日本が2-0で完勝した。試合前、筆者は相手が初戦黒星を喫した難敵UAEで、ましてアウエー戦、加えてゲームキャプテン長谷部の負傷と、日本にとって心配な材料が揃いすぎていたため、1-1のドローと予想した。ところが、試合結果及び試合内容において、日本の一方的展開である。肩透かしを食らった感じだ。UAEはほとんど日本に抵抗できなかった。日本ってこんなに強かったかしらん。

先発メンバーにおける驚きは、GK川島の起用。川島は所属チームの第三キーパーの序列で、リーグ戦で試合に出場していない。ハリルホジッチ監督によると、中東における経験を買っての起用だと。この起用は、川島が好セーブで同点となるシュートを止めたことが日本完勝のターニングポイントとなったため、ハリルの選手起用が成功したことになる。結果において、ハリルの選手起用を評価しなければなるまい。長友、今野の起用は筆者も予想できたくらいだから、驚きとはいえない。

意外だったのは、UAEの攻撃力に迫力が感じられなかったこと。点取り屋のFWが故障で試合に出られなかったからか。

この勝利(勝点3)で日本は楽になった。ライバル・オーストラリアが勝点3をなかなか上げられない状況に加え、そのオーストラリアとの試合はホームである。最終戦のサウジアラビアとの試合までに、予選通過の目途がついているかもしれない。一方、要注意は、日本がホームで苦戦したイラクである。イラクは祖国が混乱状態にあるなか、オーストラリアとも引き分けている。日本が油断すると、思わぬ結果になりかねない。

2017年3月24日金曜日

ワイン「天地人」

上野桜木のフレンチレストラン「ペペ・ル・モコ」のオリジナルワイン。

フランスでつくられたものを輸入しているという。

ブルゴーニュ産、シャルドネ。


Seize Uncertain Dayーふたしかなその日ー

写真、映像等の作品展が東京芸術大学美術館陳列館にて開催中。

アラーキー、森山大道、中平卓馬らの作品が出展されている。









2017年3月22日水曜日

UAE-日本はドローか

サッカーW杯アジア最終予選UAE―日本が、3月24日金曜日、 0:30、UAEのハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアムで行われる。

日本代表のメンバーはーー
GK
川島永嗣 (メッス)、西川周作(浦和)、林彰洋(東京)

DF
(SB)
長友佑都(インテルミラノ)、槙野智章(浦和)、酒井宏樹(マルセイユ)、酒井高徳(ハンブルガーSV)、
(CB)
森重真人(東京)、吉田麻也(サウサンプトン)、昌子源(鹿島)、植田直通(鹿島)
MF
(DMF)
今野泰幸(G大阪)、長谷部誠(フランクフルト)、髙萩洋次郎(東京)、倉田秋(G大阪)、山口蛍(C大阪)
(OMF)
香川真司(ドルトムント)、清武弘嗣(C大阪)、
FW
(RS)
本田圭佑(ACミラン)、久保裕也(ヘント)
(LS)
原口元気(ヘルタ)、宇佐美貴史(アウクスブルク)
(C)
岡崎慎司(レスター)、大迫勇也(ケルン)、浅野拓磨(シュツットガルト)

この試合をもって、当該予選は後半に突入する。日本は予選の初戦・ホームでUAEに負けている。連敗は許されない。そんな中、ゲームキャプテンの長谷部の負傷欠場が報道された。長谷部は現在の日本代表における精神的支柱。日本は危機的状況にある。

筆者の先発メンバー予想は、GK西川、LCB植田、RCB吉田、LSB長友、RSB酒井宏樹、LDMF山口、RDMF今野、OMF香川、LFW原口、RFW久保、CF大迫ーーとなろう。

試合展開としては、アウエーの日本が、たとえ前の対戦で黒星を屈した相手であったとしても、前出のとおり、長谷部不在のなか、リスクを犯して積極的に攻撃に出るとは思えない。負けているから勝ちに行く、というよりも、アウエーを考慮して、慎重な戦いをすることになろう。

日本は、全選手が積極的に守備をし、相手ボールを奪ってのカウンターで勝機を見出す作戦をとる。一方のUAEは、予選リーグ順位では現在、日本より下位にあり、しかもホームだから、前半から日本にプレッシャーを与え、日本陣内に押し込む積極策にでるのではないか。

日本がUAEの圧力に耐えカウンターで1点、UAEが日本を押し込んでファウルを誘い、FKから1点――といった得点シーンが思い浮かぶ。試合結果はずばり、1-1のドローではなかろうか。

侍ジャパン、準決勝で敗退

WBC予選ラウンド6試合を全勝で勝ち進んだ侍ジャパンだったが、ロスアンゼルスでの米国との準決勝で敗退(1-2)。筆者の予想(優勝確率15%=野球評論家張本勲の予想に同意した)どおり、優勝はならなかった。

予選ラウンド6連勝はホームの利

侍ジャパンの現有戦力でベスト4の成績は善戦だといえる。だが、実体としては、▽1~2次予選(東京ラウンド)はホームでの6試合、▽狭い人工芝のドーム球場(TD)、▽恵まれた日程、▽難敵と思われたキューバが不調――という、侍ジャパンには好条件がそろいすぎていた。日本の6連勝の背景には、日本ホームのなか、密閉空間(=ドーム球場)における異常な応援が、相手選手を精神的に揺さぶった可能性もある。

捕手小林の好成績は驚き

侍ジャパンの予選6試合では、筆者にとって想定外の展開も見られた。第1点は、二塁・菊池(広島)の好守備。奇跡的とも思える好プレーを連発して、日本チームの窮地を救った。第2点目は、捕手・小林(読売)がラッキーボーイとなったこと。菊池の守備は定評があったから驚きは少ないが、小林については想定外以外の何物でもなかった。拙Blogで、小林が日本代表に選出されたこと、及び、代表レギュラー捕手となったことを批判したくらいだ。ところが、打率シーズン2割程度の小林が、WBC7試合で、4割超の打率を残した。

肝心のリード面では、それほどの驚きはなかったけれど、無難に仕事をした。小林の意外性は、予選ラウンド、9番ながら再三再四、タイムリーをしぶとく放ったこと。相手投手が、小林を舐めた結果、彼に痛打を食らったような気がする。データでは、シーズン打率2割そこそこの9番打者――しかも小柄な体格な小林の打席の姿を見て、相手投手が気を抜いたとも考えられる。

侍ジャパンの実力はWBC中5位程度

侍ジャパンの成績は、2017WBCベスト4だが、実力では、このたび決勝に進んだプエルトリコ、米国、予選1次ラウンドでは米国に勝ったドミニカ、そして日本に惜敗したオランダに次いで世界5位といったところではなかろうか。予選6試合が東京開催になるWBCのレギュレーションならば、日本はこの先(開催があるならば)、準決勝(ベスト4)に進める可能性は高い。しかし、WBCが、FIFAW杯(サッカー)のようなセントラル開催方式に切り換われば、他国開催のWBCにおいて、予選ラウンドで敗退する可能性の方が高いように思われる。

日本の守乱は人工芝、ドーム球場慣れ

米国との試合では、日本の2失点はミスがらみだった。最初の失点は、名手菊池(二塁手)のエラーが起点となったし、決勝点となる2失点目は、三塁手・松田のファンブルによるものだった。堅守と投手力が売り物の日本のスモール・ベースボール。その一角である守備の乱れから日本が負けたのは意外といえば意外だが、それなりに理由がある。第一は、準決勝の舞台がMLBの球場(ドジャースタジアム)であったこと。日本はアウエー、しかも、天然芝、屋外球場で天候は霧雨。NPBの内野手の多くがドーム球場で育っていることを考えると、天然芝で広く、雨、風、太陽の影響をまともに受けるMLBの屋外球場では、うまくいかなくて当然。しかも、敵地となれば、プレッシャー及び時差等のコンディション調整も難しくなる。侍ジャパンの野手が狭いドーム球場(たとえば東京ドーム等)を多く経験し、しかも、アウエーの一発勝負、緊迫した試合をそうそう経験する機会を持てない以上、WBCにおける侍ジャパンの成績は、よくてベスト4程度となることは容易に想像がつく。

2017年3月17日金曜日

谷中・天王寺

オカメザクラ


2017年3月8日水曜日

森友学園=日本会議、教育勅語、儒教

森友学園事件について書いておこう。この件の詳細については、TVの情報番組等で報道されているので省略する。なかで注目すべきは、安部首相とその妻及び自民党政治家、行政(財務省、国交省、大阪府)が、事実上日本会議が運営しようとしている森友学園小学校設立のため、特別な便宜を図ったことだ。

森友学園=日本会議と安倍首相は深い関係

森友学園(日本会議)は、安倍首相を強く支持している。また、安倍及びその一派も日本会議のイデオロギーを支持している。日本会議は、戦前の日本を理想とする団体で、「保守主義者」「伝統主義者」と呼ばれるが、彼らの思想、理念等は支離滅裂である。『日本会議の研究』の著者・菅野完によれば、日本会議に確たる綱領・理念はなく、彼らが今日、日本の政治を左右するまでの地位を築いたパワーの源泉は、“なんとなく”反左翼という日本的草の根保守層から、過激な右翼ファシスト(天皇絶対主義者、旧日本帝国礼賛者、国粋主義者、差別主義者…)及び神道信仰者までを包含して束ねるだけの、運営力・事務力だとされる。

日本会議が教育理念とする『教育勅語』は古代中国の儒教が淵源

彼らの思想的支離滅裂さの好例を挙げておこう。日本会議は反中国を旨とし、中国の日本への影響を極力排除すべく、地道な運動を続けている。森友学園(日本会議)がすでに設立した幼稚園では、園児に『教育勅語』を暗唱させている。森友学園(日本会議)は『教育勅語』を礼賛し、日本人の教育の原点に据えたいと考えている。

そこで『教育勅語』の原文――

【教育に関する勅語】
朕󠄁惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇󠄁ムルコト宏遠󠄁ニ德ヲ樹ツルコト深厚ナリ
我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ敎育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス
爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦󠄁相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博󠄁愛衆ニ及󠄁ホシ學ヲ修メ業ヲ習󠄁ヒ以テ智能ヲ啓󠄁發シ德器ヲ成就シ進󠄁テ公󠄁益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵󠄁ヒ一旦緩󠄁急󠄁アレハ義勇󠄁公󠄁ニ奉シ以テ天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ
是ノ如キハ獨リ朕󠄁カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺󠄁風ヲ顯彰スルニ足ラン
斯ノ道󠄁ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺󠄁訓ニシテ子孫臣民ノ俱ニ遵󠄁守スヘキ所󠄁
之ヲ古今ニ通󠄁シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕󠄁爾臣民ト俱ニ拳󠄁々服󠄁膺シテ咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶󠄂幾󠄁フ
明治二十三年十月三十日
御名御璽

ここに示されたのは、日本が古くから天皇の国として始まっていて、臣民(天皇の民)が、天皇がおさめる国家のためになにをなすべきか(理念)が明らかにされ、そのことを学ぶための教育理念と指針が明記されていると解釈できる。

Wikipediaによると、
教育勅語は、明治天皇が首相と文相に自ら与えた勅語であり、文中では「爾臣民」(なんじしんみん)、すなわち国民に語りかける形式をとる。

まず皇祖皇宗、つまり皇室の祖先が、日本の国家と日本国民の道徳を確立したと語り起こし、忠孝な民が団結してその道徳を実行してきたことが「国体の精華」であり、教育の起源なのであると規定する。続いて、父母への孝行や夫婦の調和、兄弟愛などの友愛、民衆への博愛、学問の大切さ、遵法精神、一朝事ある時には進んで国と天皇家を守るべきことなど、守るべき12の徳目(道徳)が列挙され、これを行うのが天皇の忠臣であり、国民の先祖の伝統であると述べる。これらの徳目を歴代天皇の遺した教えと位置づけ、国民とともに天皇自らこれを銘記して、ともに守りたいと誓って締めくくる。
それらの要約が、「12の徳目」と呼ばれるもの。
1.父母ニ孝ニ (親に孝養を尽くしましょう)
2.兄弟ニ友ニ (兄弟・姉妹は仲良くしましょう)
3.夫婦相和シ (夫婦は互いに分を守り仲睦まじくしましょう)
4.朋友相信シ (友だちはお互いに信じ合いましょう)
5.恭倹己レヲ持シ (自分の言動を慎みましょう)
6.博愛衆ニ及ホシ (広く全ての人に慈愛の手を差し伸べましょう)
7.学ヲ修メ業ヲ習ヒ (勉学に励み職業を身につけましょう)
8.以テ智能ヲ啓発シ (知識を養い才能を伸ばしましょう)
9.徳器ヲ成就シ (人格の向上に努めましょう)
10.進テ公益ヲ広メ世務ヲ開キ (広く世の人々や社会のためになる仕事に励みましょう)
11.常ニ国憲ヲ重シ国法ニ遵ヒ (法令を守り国の秩序に遵いましょう)
12.一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ (国に危機が迫ったなら国のため力を尽くし、それにより永遠の皇国を支えましょう)
姜尚中はあるTV番組の中で、“『教育勅語』とは古代中国の儒教をもとにして、維新政府がつくりあげたもの”だと指摘し、“日本会議が、彼らが大嫌いな中国の教え(儒教)をありがたがるとは、滑稽である”と一笑に付した。筆者も姜尚中に同意する。

日本会議が嫌悪する現代中国が儒教を国策に

それだけではない。日本会議が回帰したがっているのは戦前の日本。そのために彼らが改革したがっているのが日本の教育理念、すなわち教育基本法。そして教育基本法に代わる教育理念として、『教育勅語』の復活を意図している。

ところが、姜尚中が指摘した通り、その真髄は儒教であり、しかも日本会議が敵視する現代中国は、儒教をソフト・パワーの源泉として、外交政策、国内政策を推し進めているのである。なんと、日本会議と現代中国は、儒教を礼賛し政策として掲げる点で、奇妙な一致を見せる。

日米外交研究者の宮里政玄は、中国が行使したいソフト・パワーの理念は、日本会議が大好きな「教育勅語」の原型にある儒教だ、と次のように書いている。

中国のソフト・パワーは二つの特徴の組み合わせから説明できる(以下は、天児彗「中国の台頭と対外戦略」天児彗他編『膨張する中国の対外関係』勁草書房2010年に拠る)。
第一は構造としての円錐型、同心円型に広がる権威主義的階層型秩序である。その権威の階層性を創りだすものは「文化」(儒教思想)の体得の度合いである。(略)
第二の特徴は、秩序形成における非法制性と主体の重層性である。秩序形成に関する儒教の有名な言い回しとして「修身・斎家・治国・平天下」がある。そこには各人・家・国・世界とアクターを重層的にとらえ、法や制度の体系ではなく修養、教化による秩序形成がポイントになっている。(略)
・・・問題は、価値の基準を儒教的価値観においていること、しかもそれを基準に上下関係を重んじる権威主義的思考を強く残していることである。(『沖縄VS.安倍政権』P57~58)
現代中国が対外的に行使しようとする儒教に基づくソフト・パワーは、宮里によると、あまりうまくいっていないらしい。たとえば中国政府は、外国における孔子学院の設置(400カ所以上)や、孔子の生誕地である山東省曲阜を聖地エルサレムになぞらえ、孔子が生まれたという洞窟近くに総工費85億元という孔子にまつわるテーマパークを建設したりしているという。

森友学園(日本会議)の小学校も儒教(『教育勅語』)を理念としながら生徒が集まらず、中国もソフト・パワーの源泉を儒教に求めながら、うまくいっていない。儒教は現代においては人気がないようだ。

ところが報道よると、安倍夫妻を始めとする日本の「保守」政治家の多数が、日本会議が創設し運営する幼稚園を称賛していて、その根拠として、園児が『教育勅語』を暗唱している姿に感銘を受けたとコメントしている。安倍夫妻及び日本の「保守」政治家は、『教育勅語』のソースが中国の儒教にあることを知らないのだろうか。彼らは戦前の日本(明治維新後)の姿を「伝統」というが、それは、維新政府が捏造した儒教、国家神道、西欧の立憲君主制を合成した奇怪な「伝統」にすぎないことを・・・


安部夫人が、日本会議が開設しようとした小学校の名誉校長を引き受けたのは、安倍夫妻が日本会議と深い関係にあるからであって、たまたま名前を貸したものではない。日本会議のイデオロギーに共感したからであり、日本の「保守」政治家の多くは、日本会議の援助を受け、その見返りとして、彼らを国政に近づけつつ、世俗的便宜を図っている。

戦後日本の基礎をつくったのは戦前・戦中の教育を受けた世代

日本会議は、現代日本の「頽廃」が戦後憲法にあり、日教組を中心とした戦後教育(教育基本法)の悪い影響にあると考えている。もちろんこの認識は間違っていて、戦後高度成長期(1960年代初頭)以降の日本社会の指導層は当時40歳以上の世代、つまり戦前・戦中教育を受けた世代であった。戦後教育を受けた1945年以降生まれが日本社会の中核を担うようになったのは、彼らが40代に達した1985年以降からである。つまり、戦後日本社会の基礎をつくりあげ、今日のような状況をつくりあげたのは、戦前・戦中教育を受けた世代である。そればかりではない。戦後の日本社会が戦前・戦中のそれより悪くなったという根拠はどこにもない。

美しくない戦前・戦中の日本社会

明治維新から太平洋戦争敗戦までの戦前、戦中の日本社会においては、公安警察(特高)らの手により、共産主義者はもちろんのこと、社会主義者、自由主義者までが公職追放もしくは逮捕・拘束されるような世の中だった。教育の現場では前出のとおり『教育勅語』が暗唱させられ、思想・信条・信仰の自由が許されなかった。国民は国家が起こした無謀な戦争で死ぬことが強制される社会だった。

戦前・戦中は、排外主義、人種差別、強制労働、強制収容所、拷問が容認されるような社会であり、挙句が、日本人だけでも300万人以上が戦争の犠牲になり、国は焦土と化し、国民は飢餓に喘いだ。そのような日本社会のどこが「美しい」のであろう。

日本会議・現代中国が目指すのは「円錐型、同心円型に広がる権威主義的階層型秩序」

そのなかで『教育勅語』が果たした役割は、前出の宮里が引用した、「構造としての円錐型、同心円型に広がる権威主義的階層型秩序」をつくりあげることだった。そして、いま現代中国も、儒教を駆使して国内外に戦前・戦中日本と同型の、権威主義的階層秩序型社会を強制しようとしている。筆者は日本会議も嫌悪するし、現代中国も同じように嫌悪する。構造としての円錐型、同心円型に広がる権威主義的階層型秩序の社会を嫌悪する。それゆえに、日本会議を支持する、安部首相夫妻、「保守」政治家、及び行政機構(財務省、国土交通省、大阪府)を嫌悪する。

似非保守・日本会議とは一線を画す、真正の右翼・見沢知廉(1995-2005)は確か『天皇ごっこ』のなかだったと思うが、自身が北朝鮮を訪れた際、“日本が太平洋戦争に負けていなかったら、北朝鮮のような国になっていたいに違いない”というような意味のことを書いていたと思う。かの国も中国と同様、儒教の国である。

2017年3月5日日曜日

侍ジャパン、小久保監督更迭以外に道はなし

日本プロ野球WBC日本代表(以下、「侍ジャパン」)がうまくいっていない。調整試合の内容が悪い。主因は選手の調子がいまだに上がっていないこと。WBCに合わせてきた、と各代表選手は口々にメディアの前でコメントしてきたが、「建前と本音の…」というやつか。投打ともにいま一つ。

選手に同情すべき点もある。通常の開幕のおよそ一月前に本調子に仕上げるのは容易ではない。

そればかりではない。代表監督・小久保裕紀の力量不足が目立つ。そのことを象徴したのが、3月3日の阪神との調整試合だった。3点リードされた6回ワンアウトランナー一塁、打者9番小林誠司(読売)のときに送りバントのサイン。この場面で、小久保の無能が大衆的に暴露された。

その第一は、小林誠司が捕手部門で代表選出されていること。小林誠司は強肩で盗塁阻止率日本一の成績を残している。だが、代表選手には、総合力が求められる。とりわけ捕手の場合は、試合を読み解く洞察力及び投手のリードに係るプライオリティーがもっとも高く、以下、守備力、打力、盗塁阻止率…と続く。小林誠司は捕手に優先される能力において、代表の資格がない。小久保は盗塁阻止率という数字だけで小林を代表に招集したのではないか。観念的すぎる。

第二は、6回、3点ビハインドの局面で送りバントは絶対にない。もちろん強行しなければいけない。小林誠司の打撃は投手並みに悪いから、当然代打策だ。なぜならば、6回で1点返しても、試合に影響しない。しかも、WBCルールは投手の投球数に制限がかけられている。つまり、相手に1球でアウトを一つ献上するバント作戦はそぐわない。大会に突入したとき、日本代表が浅い回からバントを多用するようだと、相手投手を助けるようなもの。そのあたり、小久保はWBCのレギュレーションをまるで理解していない。

第三は、故障している嶋基宏(楽天)をこの期に及んで捕手枠に入れていること。この試合まで、侍ジャパンの捕手は、先発の小林誠司、嶋基宏、大野奨太(日本ハム)の3選手。ところが、小林誠司に代打を送れなかったのは、嶋基宏が故障で試合に出られる状態になかったからだという。つまり捕手として3選手を登録していながら、使えるのは2選手ということ。では、嶋基宏はなんのために侍ジャパンに同行しているのか。まったくの無駄であるどころか、マイナスではないか。小久保裕紀には、監督として勝つつもりがない、と思われても仕方がない。まったく理解に苦しむ。

しかも、なんとこの試合後に、嶋基宏の登録を抹消して、炭谷銀仁朗(西武)を入れた。呆れてものもいえない。合宿に参加していない捕手をいまごろ呼んでどういうつもりなのか。嶋基宏の故障の具合について、監督が把握していないというのは、いったいどういうことなのか。

第四に、調整試合を有意義に使えていない。壮行試合、調整試合、親善試合というのは、大会前に選手を実戦で試し、さまざまな情報を得るためのもの。大会本番で使える選手、使えない選手の見極めをすることだ。選手の入れ替え、打線の組み替え、守備位置の変更…試行しなければ、わからないことが多い。

短期戦は、リーグ戦のような長丁場でないから、修正が難しい。たとえば、坂本勇人(読売)の状態をどうみるか。彼がこの先使える選手なのかどうか――昨シーズンの成績や過去の実績に拘泥することなく、感性で采配をふるわなければならないこともある。小久保には、その感性が不足している。

繰り返すが、小久保裕紀は代表監督としてふさわしくない。▽代表選手選考→センスがなく観念的、▽采配面→点差、残りイニング数、WBCレギュレーション…等に考えが及ばない、▽選手の状態把握→使えない選手を登録、個々の選手の調子の見極めができていない、▽調整試合の利用→実行力、判断力、想像力に欠ける――と、監督の能力、資質がない。

小久保は監督業としては、いまだ素人の域。そんな小久保だが、彼は監督の経験はないに等しい、でも、そんなこと、プロ野球関係者なら、だれでもがわかっていること、わかっていながら…である。

侍ジャパンに期待できない。NPB、選手、スタッフ…は、ようするに、本気ではないからだ。今朝のTVの情報番組で、辛口コメンテーターの張本勲氏は、「8割5分、侍ジャパンに(優勝の)可能性はない」と断言したらしいが、筆者も張本氏に同意する。

2017年3月3日金曜日

順位予想(パリーグ)及び大谷の故障について

(一)パリーグ順位

パリーグの順位については、昨年同様、日本ハム・ソフトバンクの2強が首位を争うものと予想する。パリーグはBクラスがなく、その他4球団がCクラス評価で、ドングリの背比べ状態。Cクラスのうち、西武、オリックスは、昨年より戦力をダウンさせており、最下位を争う。そして、補強に積極的だった楽天と、中堅クラスの選手が成長過程にあるロッテが、クライマックス狙いの3位を争う。とはいうものの、この4球団の優劣を探るのは容易ではない。結局は昨年とかわりばえのしない、おもしろくないリーグ戦が継続されるだろう。順位予想としては、以下のとおり。

1.ソフトバンク、2.日本ハム、3.楽天、4.ロッテ、5.西武、6.オリックス

昨年、絶対優位に立ちながら、選手・スタッフの油断及び工藤監督の多発する采配ミスで日ハムにひっくり返されたソフトバンクだが、今年はその反省を踏まえ、優勝する。昨年、奇跡の大逆転優勝をした日ハムだが、今年は「二刀流」大谷が途中ダウンして、2位どまり。前述のとおり、3位以下は予想しがたいが、オリックスの最下位はかたいところ。

(二)「二刀流」大谷翔平の今シーズンは?

「二刀流」大谷(日本ハム)が右足首の故障でWBC出場を断念した。シーズン突入後、大谷はもっと重い故障に見舞われる可能性もある。このたびの右足首故障の原因は部外者の筆者にはわからないものの、右足は大谷が投手(右投げ)のときの軸足で、打者(左打ち)のときの踏み込み足に該当する。つまり、力の係り具合が投手と打者で正反対となる。つまり、どちらかの動作中にタイミングを失すると、故障を起こしやすい。

大谷が打者、投手の練習をこの先、いまと同じ方法で継続すれば、加齢とともに、彼の肉体の比較的弱い部位で故障を発症しやすくなる。足首はその典型であり、悪い予兆である。つまり、大谷の選手生命は、「二刀流」を継続すればするほど短くなる。

いまは若いから筋肉、関節等が酷使に耐えられているが、疲労が蓄積するに従い、故障が起こりやすい。このたびの故障が軽い剥離骨折だったかどうかは断言できないが、たとえば、剥離骨折は、突発的に痛みに襲われることが多く、本人に故障の原因が自覚しにくい。体重を支える足首にくることが多い。足首は本来的に弱い部位であり、鍛えにくいからだ。足首の剥離骨折はやっかいで、完治しないまま酷使すると、すぐ再発する。

筆者は大谷の才能を重く見るがゆえに、早くに「二刀流」を断念せよ、と拙Blogにて書き続けてきた。本人の意志を尊重するという栗山監督の発言があったが、投手専念を説得できないとは情けない。大谷の投手としての非凡な才能が、球団経営の犠牲になるのだけは見たくない。

2017年2月26日日曜日

谷根千の「気まま屋」さん、

地域猫のためのバザール開催中。可愛いね。





根津の路地裏、手づくりパン屋さん




ギャラリー・マルヒ

根津の路地裏、ギャラリーマルヒにて、「空想キングダム」開催中。

創作仮面館、長恵、小林伸一が出展











  

サッカーJ1、順位予想(2017)

うっかりして、サッカーJ1の順位予想をアップし忘れた。すでに開幕したいま現在、ルール違反ではあるが、今シーズンの順位を掲載する。1シーズン制に復帰したので、順位予想に意味が出てくるというわけだ。

まず、18クラブの評価を6段階で評価する。

A+
鹿島、浦和、FC東京、
A-
川崎、G大阪、横浜Fマ
B+
広島、柏、鳥栖
B-
セ大阪、大宮、神戸
C+
磐田、仙台、札幌
C-
新潟、甲府、清水

優勝はA+の3クラブから出ると思われる。ACLに出場するのが、鹿島、浦和、川崎、G大阪の4クラブ。いずれのチームもACL対策についての経験豊富なため、大きな影響は受けないだろう。

ただし、シーズン序盤でJリーグとACLの両方でつまずくと、大きなハンディを負うこともある。そういうリスクを考えるならば、大型補強に成功したFC東京が有利。大久保(FW)、永井(FW)、高萩(MF)、太田(SB)と、代表経験者が4選手も入団した。代表ではないが鳥栖のゴールを守った林(GK)の加入も大きい。

優勝候補に挙げて当然なのが、昨年の優勝チームの鹿島。昨年はクラブワールドカップ(CWC)でも健闘したのだから、優勝候補の筆頭に挙げるべきかもしれない。

鍵は、MFレオシルバ(新潟→)、FWペトロジュニオール(神戸→)、MFレアンドロ(コルチーバ→)のブラジル人トリオがチームに融合するかどうか。今年J1に加入した外国人選手のうち、レアンドロとビエイラ(レッドスター→横浜Fマ)が群を抜いていると思われる。鹿島はいい補強をしたはずなのだが、彼がこれまでの鹿島のリズムに合わない恐れもある。

そんなこんなで、ずばり順位は――

1.FC東京、2. 浦和、3. 鹿島、4. 横浜Fマ、5. G大阪、6. 川崎、7. 広島、8.柏、9.鳥栖、10. セ大阪、11. 大宮、12. 神戸、13. 磐田、14. 仙台、15. 札幌、
(降格)
16. 新潟、17. 甲府、18. 清水






2017年2月24日金曜日

日本プロ野球(NPB)順位予想(その1:セリーグ)

NPB(日本プロ野球)のセリーグ順位予想は以下のとおり。

1.広島
2.DeNA
3.中日
4.読売
5.ヤクルト
6.阪神

大補強した読売の戦力分析


セリーグは混戦と予想する。戦力的に見れば、大補強をした読売ジャイアンツ(以下「読売」)の独走だと思われるが、この球団の補強は戦略がない。拙Blogで指摘してきたとおり、資金力にまかせた「爆買い」である。

とまれ、読売球団の補強及び従来から蓄えてきた戦力を整理する。その結果、以下のように、読売には現行のNPBにおいて、ほぼ2球団相当の戦力をもっていることがわかる。

読売Aチーム
1. 陽(中)
2.片岡(二)
3.坂本(遊)
4.阿部(一)
5.長野(右)
6.村田(三)
7.ギャレット(左)
8.小林(捕)
9.先発(菅野-マイコラス-田口-内海-大竹)
9.抑え(澤村)
9.S/U(マシソン-福森-西村-*桜井)

読売Bチーム
1.重信(左)
2.立岡(二)
3.亀井(右)
4.マギー(三)
5.クルーズ(遊)
6.堂上(一)
7.橋本(中)
8.實松(捕)
9.先発(山口俊-吉川光-*高木勇-宮國-今村-※杉内)
9.抑え(カミネロ)
9.S/U(山口鉄-田原-戸根)

*S/U=セットアッパー、中継ぎ、*入れ替え可能。※回復具合次第

投手陣は完璧に近い。単独チームでこれだけのピッチング・スタッフを保有できる球団はセパ通じて、見当たらない。先発10人は豪華すぎ。ベテランの内海、大竹、杉内がどれだけ使えるかわからないが、3人で一人分の力はある。抑えは澤村、カミネロの二枚。セットアッパーも山口鉄、マシソンの二枚。山口鉄は、昨年は悪かったが引退するほどの衰えではない。かりに、宮國、今村、高木勇が実績どおりの力を発揮したら、先発があまる。

読売の弱点

(一)登録枠で実力派外国人選手が二軍暮らしに

読売の問題点の第一は外国人枠。読売の戦力は2球団相当だから、前出のとおり契約している実力派外国人を2球団相当に分けられる。だが、現実はそれらを統合しなければならない。外国人選手登録枠は4だから、2選手は必然的に二軍行き。昨年と同様(マイコラス、マシソン、クルーズ、ギャレット)の登録ならば、マギー、カミネロは二軍。つまり、一塁の阿部、三塁の村田が昨年並みに試合出場すれば、マギーはずっと二軍。同様に澤村、マシソンが健在ならカミネロも二軍。彼らは保険にすぎなくなる。保険料としてはきわめて高額だが、読売の資金力ならではといったところ。

(二)捕手は昨年より弱体化

捕手はFA及び外国人で補強しにくいポジションのため、ベテランの實松及び相川の加齢に従い、捕手陣のパワーは昨年より弱まった。チームの要が弱いのだ。小林の成長に期待しているようだが、彼にいま以上の潜在能力があるわけではない。

(三)正二塁手の不在

二塁のレギュラー候補としては、片岡、クルーズ、脇谷、寺内のベテラン勢、外野から転向した立岡、若手の吉川尚、吉川大、山本、楽天からきた柿澤、もはや中堅となった中井と、「枯れ木も山の賑わい」状態だが、ではいっただれがレギュラーなのか――といえば、決め手がない。近代野球のキーマンである二塁手が弱い。

(四)代走・鈴木尚の穴、埋まらず

鈴木尚ほどの才能をもった選手が続出するわけもないのだが、代走で試合を決められなくなった。

(五)高橋は監督の器か

筆者は昨年、高橋が読売の監督に就任したとき、原監督がいなくなった分、読売は強くなると確信したのだが、期待は裏切られた。昨年、そして今年の補強~キャンプを見ても、高橋はチームの戦力を掌握していないし、彼なりの野球哲学、野球観を確立できないでいる。

豊富な投手力を背景として、少ない得点で競り勝つスモールベースボールなのか、豪快に打ち勝つ強打のチームなのか、いまのところ目指す方向性が見えない。たとえば、三塁の村田が打撃不振に陥ったとき、マギーが三塁に入る。マギーの守備力は村田に比して相当落ちる。

二塁のクルーズは華麗な守備をみせるが、確実性に欠けるし、故障が多い。阿部の一塁守備は疑問符がつく。小林は強肩だが、コリジョン・ルールに拘泥して本塁返球のさいにホームベースを空けすぎる。捕手小林を含めた阿部、クルーズ、マギー、坂本の内野陣は、坂本を除けば笊に等しい。

相手チームの広島、DeNA、ヤクルトは読売の守備力の弱さをついてくる。昨年、広島に大差で二位に甘んじ、CSでDeNAに競り負けたのも、読売の大味な隙だらけの野球スタイルにあった。高橋は球団から「大補強」というプレゼントをもらったけれど、それには、昨年の弱点を補強するコマが入っていなかった。球団にモノがいえない指揮官のようだ。

他球団の動向

〔首位〕
昨年の覇者、広島は黒田が抜けたが、大幅な戦力ダウンにはならないだろう。潜在能力が高く年齢の若い選手が多いから、昨年以上の実力がチーム全体に付いたと確言できる。

〔2位〕
DeNAも広島と同様、若いチーム。昨年、読売を凌駕できたのも、チーム力上昇中の証左。昨年より悪くなる要素はない。

〔3位〕
中日にはいい外国人選手が入団した。選手管理及び采配に問題のあった谷繁が監督を辞めた分、昨年以上の力を発揮する。

4位(読売)

〔5位〕
ヤクルトには昨年より上向く材料に乏しい。手薄な先発陣、抑え投手の不在、バレンティンの衰え、川端、畠山の故障…と優勝メンバーが軒並み衰えた。山田ひとりでは・・・

〔最下位〕
阪神は今年も、外国人の補強に失敗した。昨年課題だった、三塁、一塁に打てる選手がいないまま。糸井の加入はプラスだが、彼は外野手。クリーンアップとして、昨年好調だったベテラン福留以外に名前が挙がらない。若手育成を掲げているが、潜在能力の見極めも大事。選手の入れ替えに失敗したまま、今シーズンを迎えてしまった。このチームは当分、苦難の道が続くものと思われる。

2017年2月19日日曜日

『沖縄VS.安倍政権』

●宮里政玄〔著〕 ●高文研 ●1500円+税

本書の上梓はアメリカト・ランプ政権発足前だった。トランプ新大統領は、前政権の政策を悉くひっくり返す傾向が認められたため、アメリカの東アジア政策に大幅変更があることが危惧された。しかし、マティス国防長官の来日、安倍首相の訪米(日米首脳会談)等を経たいま、トランプ大統領はオバマ前政権の東アジア政策を継承したことが明らかになった。よって、本書の価値が損なわれることがない。そのことをまず明言しておく。


オフショア・バランシング――アメリカの対外政策の基本

アメリカは沖縄をどのように位置づけているのか。一般の日本人が考えるアメリカの外交・軍事戦略の常識からすると、アメリカは海外に基地をおき、敵対する勢力を直接封じ込めようとするものと考える。沖縄は、中国・北朝鮮の西太平洋(アメリカからみた)進出を阻止するための軍事戦略上の要衝だと。もちろん、そのような意味が皆無だとはいわないまでも、アメリカによる直接的な軍事行動は抑制的傾向が強まっていると著者(宮里政玄)はいう。「オフショア・バランシング」だ。本書の沖縄論は、この「オフショア・バランシング」という概念から始まる。

「オフショア・バランシング」とは、アメリカが想定する敵国(中国)がパワーを強化してくるのを、アメリカに好意的な同盟国(日本)を利用して抑制させることである。すなわち、アメリカの経済力が衰退していて覇権の維持に耐えられなくなりつつある場合、オフショア(海を隔てた地域)で起きる紛争について軍事介入を最小限にとどめ、新たな覇権国が勃興しないように、それぞれの地域におけるアメリカの同盟国のパワーを強化させることである。(P20)

オフショア・バランシングと在沖米軍基地の強化は矛盾するのか

ところがアメリカ(軍)は辺野古、高江において、新基地建設を進めている。手狭で市街地にある普天間基地を捨てて辺野古に新基地を建設するのも、北部訓練場返還との引き換えに高江にヘリパット基地を新設するのも、アメリカによる基地機能の高度化・更新であって、日本政府はアメリカの要請にこたえてきたのではないか。これらの事象の意味するのは、アメリカ軍それ自体の強化にあたるのではないか。だとするならば、著者(宮里政玄)のオフショア・バランシング論とは相反するのではないか――そうした疑問に著者(宮里政玄)は次のように答える。

・・・安倍政権の安全保障政策は、二つの理念に基づいているように思う。
その一つは、自力で自国の安全保障を保障できないことから、アメリカを東アジアの潜在的な対立構造により深く引き込むということである。・・・その背景には、中国の台頭で緊張が高まる日本周辺の安全保障にアメリカをつなぎとめたいという安倍政権側の事情がある。
・・・わたし(著者=宮里政玄)は普天間基地の辺野古移転計画も、米海兵隊の撤退計画に対する引き止め工作、または「人質」ととらえてきた。軍事的に必ずしも必要のない辺野古基地にアメリカが賛成するのは、日本以外では得られない建設資金や思いやり予算のためである。
あと一つは、日本は世界をリードする列強国でなければならないという安倍首相の強い信念である。それは「戦後レジームからの脱却」発言、活発な訪問外交などに表れている。
中韓両国の強い反発を招いている靖国神社参拝、「慰安婦」問題などがアメリカの批判を招いていることは、日米の外交が必ずしも一致しないことを示している。(P25~26)

アメリカ海兵隊は抑止力(日本を守る軍事力)ではない

ここで整理しなければいけないのは、“海兵隊”に係る日本人の誤解についてだ。沖縄には、米海兵隊の軍事基地が集中しているのだが、かれらは防衛を責務とする存在ではないということ。日本人は、沖縄のアメリカ軍が日本を守ってくれる、という漠然とした認識をもっているようだが、それは誤り。沖縄に実際に駐留するアメリカ軍(海兵隊)は防衛のための戦力ではなく、侵略的戦闘作戦を成功させるための特別な訓練を受けた特殊な軍人で構成され、そのための軍事力を有した部隊であり、侵略先における局地戦やそこに駐在するアメリカ人(大使館員や民間人等)の警備及び救出等を任務としている。つまり、在沖アメリカ軍=海兵隊は抑止力になり得ない。

米軍基地の沖縄集中は軍事的脆弱性を召致する

アメリカが地政学的にみて、沖縄を必要としているという見方も近年、否定されつつある。海兵隊が一カ所(沖縄)に集中していることは、そのこと自体がアメリカにとっての軍事的脆弱性をもつようになった、というアメリカの軍事関係者の認識が出てきた。アメリカにとって、東アジア地域に有事が発生したとき、沖縄に海兵隊が集中していることがマイナスになるという。

にもかかわらず、歴代の日本政府及び現政権は新基地を進んで建設し、「おもいやり予算」をつかってまでして、アメリカ軍が沖縄に駐留することをアメリカに要請し続ける。アメリカのオフショア・バランシング政策が不変ならば、いますぐというわけではないが、アメリカ軍はいずれ、沖縄から撤退することもあり得るというのに。

アメリカが沖縄に基地を持ち続ける理由

アメリカ軍が沖縄に基地を持ち続け、しかも、基地機能を高度化・更新し続けるのには、アメリカ側の積極的な事情があるように思う。それは、前出の日本側からの“日本以外では得られない建設資金や思いやり予算のため”だけなのだろうか。本書では、アメリカ側が沖縄に基地を持ち続ける“アメリカの事情”がいまひとつ明確ではない。

(一)アメリカの外交政策(リバランス)――中国への「関与」と「ヘッジ」

著者(=宮里政玄)は、アメリカのアジア外交の基軸は「リバランス」であり、軍事的な重心をアジア・太平洋に移すことだという(本書P73)。だからアメリカにとって、沖縄は重要だという論理構成になる。と同時に、それは“中国封じ込め”ではない。そこが安倍政権の対中国に対する姿勢との相違点だ。

アメリカは中国との経済関係・連携をより一層緊密化し、多くの枠組みがつくられている。それがアメリカの国益にもなるし、実際、中国との経済対話はかつてないほど緊密に行われるようになっている。
オバマ大統領の対中政策は、「関与とヘッジ(保険をかける)」とも言われる。その基本的な考え方は、中国がアジアの現行秩序を受け入れ、・・・「責任あるステークホルダー(利害関係)」として行動するよう関与し、インセンティブを与える。しかし、同時に、中国がアメリカ主導の秩序に挑戦することのないよう、いろいろ保険をかけておく。(P77)

トランプ大統領も安部訪米の直前、習近平国家主席との電話会談で「一つの中国」を確認し合ったことが報道されている。トランプも、オバマ前大統領の対中国政策を基本的には継続させると思われる。その観点からすると、沖縄はアメリカの対中国政策の「ヘッジ」の一つということになる。それだけだろうか。

(二)特殊なアメリカ海兵隊の沖縄一極集中

筆者は、沖縄に係るアメリカの事情の大きなファクターには、海兵隊に対する評価の問題が関与しているように思う。海兵隊基地の実態をみておこう。Wikipediaによると(この項目は現在書き直し中になっていて、見られないのだが)、アメリカ国内の海兵隊基地は66カ所。海外は28カ所。内訳は、アフガニスタン(9)、オーストラリア(1)、キューバ(1)、ジブチ(1)、ドイツ(1)、日本(13)。うち沖縄に11カ所集中していて、残り2カ所は岩国と御殿場、韓国(1)、英領インド洋地域(1)。戦下に等しいアフガニスタンを除くと、日本の13、うち沖縄の11カ所はきわめて突出した数字だ。(「資料」参照)

(三)アメリカ海兵隊の役割低下

海兵隊の軍事的役割については近年、高い評価を得ているとはいいがたい。東アジアに限定してみても、その地位は後退しているとみていい。

在沖基地に関するアメリカの立場を示す最新の資料は、国防総省による「中国の軍事的行動に関する報告」(2016年6月13日)であろう。それは中国軍の装備近代化に向けた動きは2015年で新たな段階に入ったと分析している。沖縄をはじめ在日米軍は、中国の空中発射型空対地巡航ミサイル(MRBM)の範囲内に入る。それで中国のミサイルの力の向上で、米軍基地が集中する沖縄の脆弱性が高まったと指摘する。
歴史的に見ると、アメリカでは沖縄返還が実現し、国際的な緊張緩和が進展する中で、沖縄の米海兵隊の存在意義そのものが問われていた。沖縄からの撤退は、軍事的にも経済的にも合理的だと考えられていたのである。(P109)

(四)アメリカ海兵隊のための沖縄

それが実現しなかったのは、「日本政府が海兵隊の存続を要請たからである。日本政府は海兵隊を自国防衛のシンボル、あるいは「人質」として利用することを望んだ。アメリカはこれを受け入れた」(P110)というのが、前出のとおり著者(宮里政玄)の論理だった。

ところが筆者の見方としては、アメリカ政府とアメリカ軍との、なかんずく、海兵隊との政策上の差異があり、海兵隊独自の論理がアメリカ政府の海兵隊縮小計画に「待った」をかけている可能性を推測したい。

(五)沖縄米軍基地の恒久化

海兵隊の独自論理とは以下のとおりだ。アメリカ政府が指摘する経済合理性については、日本政府が「思いやり予算」で面倒をみてくれるのだから、アメリカ政府の縮小計画に意味がなくなる。換言すれば、海兵隊が撤退する根拠は、経済合理性からみればまったくない。

さらに海兵隊にとって、沖縄の駐留環境は、世界のどの基地よりも良好だと思えること。第一に、日米地位協定のおかげで、かれらは沖縄においてかつての植民地の支配者のようにふるまえる。第二に、沖縄は安全でインフラが整備され、じゅうぶんな都市機能を備えている(たとえば歓楽街の存在)。第三に、日本側の「思いやり予算」のおかげで、基地内の諸施設の充実ぶりは、本国(アメリカ)並みかそれ以上だ。海兵隊(の幹部)にとって沖縄は、失いたくない利権の一つになっている可能性がある。著者(宮里政玄)もそのことを指摘している。

2016年7月、アジア・太平洋地域における米海兵隊の戦略や基地運用計画をまとめた「戦略展望2025」が報道された。それは次期戦闘機といわれるステルス戦闘機F35や垂直離着型輸送機MV22オスプレイの配備を念頭に、辺野古や米軍北部訓練場など一帯の整理統合で訓練環境を刷新し、兵士や家族らの生活環境についても言及している。
具体的に言うと、県内にあるキャンプ・シュワブやハンセン、伊江島など9つの基地・施設には、最大で3万人の海兵隊員とその家族、数千人の軍属らが暮らしており、アジア・太平洋地域で最も優れた最新設備を備えた海軍病院もあるなど「小さな市役所」のような役割があると指摘し、整理統合計画は「勤務地で暮らす」環境を追及する地域開発のモデルケースだと説明している。それは在沖米軍基地の恒久化を目的としている。(P105)

在沖米軍基地問題は新局面にーー安部政権が目指す、米軍、自衛隊による沖縄要塞化

在沖米軍基地に限らず、日本中の米軍基地すべては(孫崎亨、矢部宏治らが指摘するように)、アメリカ側に永年使用権がある。だから、在沖米軍がアメリカ政府の経済的負担にならない限り、自発的に基地返還を示すことはない。アメリカ海兵隊が沖縄を重要な利権だと認識し「植民地支配」しようとする限り、アメリカ軍(海兵隊)はアメリカ政府の政策をも越えて、沖縄基地を恒久的に使用する。

そればかりではない。アメリカの沖縄政策以上に危険なのが、安部政権だ。繰り返すが、在沖米軍基地の恒久化を画策してきたのは、そもそも戦後の日本政府であったのだが、安部政権の沖縄政策には、前出の孫崎亨や矢部宏治の指摘を越えて、沖縄を米軍及び自衛隊を用いて、要塞化する意図をもっている節がうかがえる。

安倍外交は対米追従だという批判もある。しかし、ここで注意すべきことは、安保法制の改訂はアメリカの圧力というよりも、日本から積極的に変更を追求してきたことに注目すべきだ。安部外交には、対米自立を模索する面もある。(P82)
最近目立つのは、自衛隊と米軍の共同訓練である。沖縄本島北部中北部の米軍基地の多くが、いずれ日米共同利用施設となり、陸・海・海を問わず、共同訓練が進むと予想されている。さらに、自衛隊の「南西シフト」が進められていることにも注目すべきだ。(略)
在沖海兵隊がローテーションのため沖縄を留守にすることから(実戦部隊の沖縄駐留期間は数カ月)、日本側は米軍の抑止力の低下を自衛隊で補うことになった。(P113)
沖縄基地問題は、これまでのような「米軍基地反対運動」や「米軍出ていけ」といったナショナリズムでは整理できない情況を迎えている。現状は、▽海兵隊の利権、植民地化といったこれまでの占領軍の在沖米軍基地恒久化、▽アメリカの財政危機を踏まえた、オフショア・バランシングの推進(=自衛隊の米軍肩代わり化)――が混在する、過渡的情況にあると結論づけられる。

基地恒久化の動きは、基地機能の高度化、更新であり、本書P105から引用したように、ステルス戦闘機F35や垂直離着型輸送機MV22オスプレイの配備を念頭に、辺野古や米軍北部訓練場など一帯の整理統合で訓練環境の刷新すること。及び、県内にある9つの基地・施設の最大で3万人の海兵隊員とその家族、数千人の軍属らの生活環境の整備――だ。

一方、自衛隊の沖縄進出については、航空自衛隊の沖縄・宮古島のレーダー能力向上、陸上自衛隊の与那国に沿岸監視部隊配置と米海兵隊共同訓練拡充である。ほかにも、警備部隊、地対艦(SSM)ミサイル運用部隊の配備計画の推進――が挙げられる。

このような動きを踏まえるならば、沖縄反基地闘争とはすなわち、ヤマト、ウチナー一体化した、安部政権打倒の闘争にほかならないのだが、ヤマトにその意思が認められるだろうか。

〔資料〕
List of United States Marine Corps Installation( Wikipediaより抜粋)

1 United States

●Marine Corps Bases
・Marine Corps Base Camp Pendleton. (Oceanside, California)
・Marine Corps Air Ground Combat Center Twentynine Palms(Twentynine Palms, California)
・Marine Corps Logistics Base Barstow(Barstow, California)
・Marine Corps Recruit Depot San Diego(San Diego, California)
・Mountain Warfare Training Center(Bridgeport, California)
・Marine Corps Logistics Base Albany(Albany, Georgia)
・Marine Corps Base Hawaii(Kāne'ohe Bay, Hawaii)
・1st Marine Corps District, Garden City, New York(Garden City, New York)
・Marine Corps Base Camp Lejeune(Jacksonville, North Carolina)
・Marine Corps Recruit Depot, Parris Island(Beaufort, South Carolina)
・Seal of Marine Corps Base Quantico(Quantico, Virginia)
・Henderson hall(Arlington, Virginia)
・Marine Barracks, Washington, D.C.(Washington, D.C.)
・Blount Island Command Logistics Base Albany(Jacksonville, Florida)
・Camp H. M. Smith, Marine Corps Base Hawaii(ʻAiea, Hawaii)
・Camp Geiger, Marine Corps Base Camp Lejeune(Jacksonville, North Carolina)
・Camp Gilbert H. Johnson, Marine Corps Base Camp Lejeune
formerly known as "Montford Point"(Jacksonville, North Carolina)
・Courthouse Bay, Marine Corps Base Camp Lejeune(Jacksonville, North Carolina)
・Stone Bay, Marine Corps Base Camp Lejeune(Jacksonville, North Carolina)
・Camp Allen, Naval Station Norfolk formerly known as "Camp Elmore"(Norfolk,Virginia)

●Air Stations
・Marine Corps Air Station Yuma(Yuma, Arizona)
・Marine Corps Air Station Miramar(Miramar, California)
・Marine Corps Air Station Camp Pendleton(Oceanside, California)
・Marine Corps Air Station Kaneohe Bay(Kāne'ohe Bay, Hawaii)
・Marine Corps Air Station Cherry Point(Havelock, North Carolina)
・Marine Corps Air Station New River(Jacksonville, North Carolina)
・Marine Corps Air Station Beaufort(Beaufort, South Carolina)

●Satellite Aviation Facilities

・Marine Corps Outlying Field Atlantic, Marine Corps Air Station Cherry Point(Atlantic, North Carolina)
・Marine Corps Auxiliary Landing Field Bogue Field, Marine Corps Air Station Cherry Point(Bogue, North Carolina)
・Marine Corps Outlying Field Camp Davis, Marine Corps Base Camp Lejeune(Holly Ridge, North Carolina)
・Marine Corps Air Facility Quantico, Marine Corps Base Quantico(Quantico, Virginia)

●Marine Corps Detachments

・Marine Aviation Training Support Group 21, Naval Air Station Pensacola(Warrington, Florida)
・Marine Aviation Training Support Group 22, Naval Air Station Corpus Christi(Corpus Christi, Texas)
・Marine Aviation Training Support Group 23, Naval Air Station Lemoore(Lemoore Station, California)
・Marine Aviation Training Support Group 33, Naval Air Station Oceana(Virginia Beach, Virginia)
・Marine Aviation Training Support Group 53, Naval Air Station Whidbey Island(Oak Harbor, Washington)
・Marine Aviation Detachment, Naval Air Weapons Station China Lake(China Lake, California)
・Marine Aviation Detachment, Naval Air Station Patuxent River(Patuxent River, Maryland)
・Marine Corps Detachment, Fort Sill(Lawton, Oklahoma)
・Marine Corps Detachment, Fort Huachuca(Huachuca City, Arizona)
・Marine Corps Detachment, Defense Language Institute(Monterey, California)
・Marine Corps Detachment, Corry Station Naval Technical Training Center(Pensacola, Florida)
・Marine Corps Detachment, Fort Gordon(Augusta, Georgia)
・Marine Corps Detachment, Fort Benning(Columbus, Georgia)
・Marine Corps Detachment, Fort Knox(Louisville, Kentucky)
・Marine Corps Detachment, Aberdeen Proving Ground(Aberdeen, Maryland)
・Marine Corps Detachment, Fort Meade(Laurel, Maryland)
・Marine Corps Detachment, Fort Leonard Wood(Waynesville, Missouri)
・Marine Corps Detachment, Fort Sill(Lawton, Oklahoma)
・Marine Corps Detachment, Naval Station Newport Naval War College(Newport, Rhode Island)
・Marine Corps Detachment, Fort Bliss(El Paso, Texas)
・Marine Corps Detachment, Goodfellow Air Force Base(San Angelo, Texas)
・Marine Corps Detachment, Fort Lee(Tri-Cities, Virginia)

●Marine Corps Reserve

・Headquarters, Marine Forces Reserve, Naval Support Activity, New Orleans(New Orleans, Louisiana)
・Marine Corps Individual Reserve Support Activity, Marine Forces Reserve(New Orleans, Louisiana)
・Marine Corps Reserve Center Indianapolis, Heslar Naval Armory(Indianapolis, Indiana)
・Marine Corps Reserve Detachment, Naval Air Station Joint Reserve Base Fort Worth(Fort Worth, Texas)

2 Overseas

●Afghanistan
・Camp Dwyer(Garmsir District、Helmand Province)
・Camp Leatherneck(Washir District、Helmand Province)
・Camp Rhino(Registan Desert)
・FOB Delhi Beirut(Garmsir District, Helmand Province)
・FOB Delaram(Delaram District、Nimruz Province)
・Firebase Fiddler's Green(Nawa-I-Barakzayi District、Helmand Province)
・FOB Geronimo(Nawa-I-Barakzayi District、Helmand Province)
・Kandahar International Airport(Daman District、Kandahar Province)
・PB Jaker(Nawa-I-Barakzayi District、Helmand Province)

●Australia
・Robertson Barracks(Darwin)

●Cuba
・Marine Corps Detachment, Guantanamo Bay Naval Base(Guantánamo Bay)

●Djibouti
・Marine Corps Security Detachment, Camp Lemonnier(Djibouti)

●Germany
・Headquarters, United States Marine Corps Forces, Europe (MARFOREUR), Camp Panzer Kaserne(Böblingen)

●Japan
・Marine Corps Air Station Iwakuni(Iwakuni)
・Marine Corps Base Camp Smedley D. Butler(Okinawa)
・Camp Courtney, Marine Corps Base Camp Smedley D. Butler(Uruma, Okinawa)
・Camp Foster, Marine Corps Base Camp Smedley D. Butler(Ginowan, Okinawa)
・Camp Gonsalves, Marine Corps Base Camp Smedley D. Butler(Kunigami, Okinawa)
・Camp Hansen, Marine Corps Base Camp Smedley D. Butler(Kin, Okinawa)
・Camp Kinser, Marine Corps Base Camp Smedley D. Butler(Naha, Okinawa)
・Camp Lester, Marine Corps Base Camp Smedley D. Butler(Chatan, Okinawa)
・Camp McTureous, Marine Corps Base Camp Smedley D. Butler(Uruma, Okinawa)
・Camp Schwab, Marine Corps Base Camp Smedley D. Butler(Uruma, Okinawa)
・Marine Corps Air Station Futenma(Ginowan, Okinawa)
・Marine Wing Liaison Kadena, Kadena Air Base(Kadena, Okinawa)
・Camp Fuji(Gotemba, Shizuoka)

●South Korea
・Camp Mujuk(Pohang)

●United Kingdom & British overseas territories
・Camp Thunder Cove, Diego Garcia(British Indian Ocean Territory)

NOBIさんで食事

千駄木のイタリアンレストラン、NOBIさんにて夕食。

おいしかった。





2017年2月6日月曜日

部屋がトロピカルに

家内が調達してきたプリント。

南国だな。



2017年2月5日日曜日

日曜日、谷中から根津へ


ビアパブイシイのブタのリエット。お得メニュー、500円なり

ラクジさんの看板猫がまたもや雑誌に掲載