2016年12月31日土曜日

大晦日、

佐藤さん宅にて、年越しパーティー。

谷根千の飲み屋仲間が集まりました。

日本酒、焼酎の一升瓶、ワインボトルが空いてゆく。



お寿司にはアボガド巻きが


イチゴ・ケーキまで



2016年12月26日月曜日

なぜか黄色の実?(谷中)

枝から、黄色い袋のようなものが垂れ下がっていた。



2016年12月24日土曜日

谷中寺町美術館、「ブリコラージュ展」




Jack and Scott

クリスマスイヴ、JackとScottが拙宅にやってきた。

下手な英語で話して飲んで食べて、楽しかった。

日本酒が好きなのに驚き。





2016年12月23日金曜日

鹿島アントラーズの傷


FIFAクラブワールドカップ(CWC)は開催国枠で出場した日本の鹿島(J1優勝)が決勝進出。欧州大陸王者のレアルマドリードと90分間では2-2と善戦した。延長で鹿島は4-2で負けたものの、鹿島の奮闘に対して世界中から称賛が寄せられた。

さて、鹿島アントラーズとは不思議なチームである。先のJ1優勝決定戦では3位の位置から勝ち上がり優勝をさらった。鹿島の優勝については、拙Blobにおいて、Jリーグの優勝決定システムの瑕疵を指摘しておいたので、繰り返さない。もちろん真のJ1王者は、前後期を通じて最も勝ち点を上げた浦和レッズである。

鹿島は、CWCでは開催国枠で出場権を得た。アジア大陸枠からはACLを制した韓国の全北が出場したのだが、準々決勝で北中米大陸王者のクラブアメリカに1-2で負けた。開催国枠とACL優勝枠とは出場の重みが違うと筆者は思う。もちろん大会レギュレーションでは開催国枠には厳しい日程が組まれていて試合数が多い。しかしそんなハンディはハンディにならなかった。

鹿島のCWCにおける善戦の要因は何か――といえば、“ホームの利”に尽きる。開催国枠クラブが決勝進出した事例は、2013年、北アフリカのモロッコ開催で起きていて、同国のラジャ・カサブランカが果たしている。同大会のアフリカ大陸代表はアルアハリ(エジプト)であった。また、2015年日本開催では、開催国出場枠のサンフレッチェ広島が3位になっている。ちなみち、広島3位のときのアジア大陸王者は広州恒大で、広州はなんと3位決定戦で広島に苦杯を舐めた。

日本のクラブが開催国枠以外で、つまりACL覇者としてCWCに出場したのは2007年の浦和レッズ、2008年のガンバ大阪の2回のみ。その2回のCWCは日本開催で、浦和、大阪とも3位の成績をおさめている。

つまり、日本開催のCWCならば、ACL王者であろうが開催国枠であろうが、日本のクラブでもけっこう戦えることが実績で証明されている。これすなわち、“ホームの利”にほかならない。

CWCは課題が多い。開催国が有利なのは、各大陸王者が開催国まで移動する時間が長いことに起因する。とりわけ欧州王者はリーグ戦の真っ最中。クリスマス休暇に突入する前だから、激戦が続いている。その時期におよそ15時間の飛行時間を経て、試合の3日前くらいに開催国にやってくるのだから、時差等でコンディションはよくない。欧州以外からでも、日本開催の場合、北中米、南米、アフリカのクラブならば、概ね20時間以上の飛行時間を覚悟しなければならない。

結論をいうならば、鹿島がJ1で年間勝ち点最多の成績(=優勝)をおさめ、さらにACLを制し、日本以外の開催地で行われるCWCで決勝に進むことができたならば、このたびの鹿島の善戦が実力によるものと証明される。幸い、来季からはJ1リーグは1シーズン制に復帰する。また、WCWの開催国はUAEに決まっている。つまり、鹿島がリーグ戦とACLを並行して戦い、どちらも手を抜くことなく、アジア大陸王者としてUAEに乗り込めるかどうか。そして、CWCの舞台でどれだけの成績をおさめられるのか。換言すれば、鹿島がACLを制せなければ、Jリーグで優勝してもCWCには進めない。鹿島がACLを制しても、Jリーグで優勝できなければ、リーグを捨てたと見做される。来季の鹿島アントラーズの戦いぶりを注視しよう。


2016年12月22日木曜日

谷根千忘年(根津)

谷根千忘年。一年間おつかれさまでした。


「やま」

「ナッカーサ」

「Bar Hidamari」


2016年12月18日日曜日

Islamic Beauty(谷中)

谷中銀座商店街にある、トルコのランプシェード専門店。

夜になるとショーウインドーが輝きだす。



2016年12月16日金曜日

学生時代からの友人との忘年会

大学時代に知り合ってから半世紀弱。

長い付き合いになった。

会うのは一年に一回だけになった奴が多いが。







2016年12月15日木曜日

イングランドから、

ジャックとスコットがやってきた。

二人ともドラマーだ。

世代としては、息子くらいの隔たりがあるが違和感はない。

谷中のビアパブ・イシイにて。






2016年12月14日水曜日

ジム友と忘年会

近くのROBCOさんにて、忘年会。

ワインが安いし食べ物も豊富。



2016年12月7日水曜日

読売、FA宣言選手を爆買い

NPB読売球団が資金力に任せて、2016年FA宣言選手を掻き集めた。既に入団発表があった森福允彦(投手、30才・ソフトバンク=SB)、山口俊(投手、29才・横浜)に加え、陽岱鋼(外野手、29才・日ハム)の入団も決定的と報道されている。今年FA宣言した注目選手はこれら3選手のほか、糸井嘉男(外野手、オリックス→阪神)、岸孝之(投手、西武→楽天)だったから、FA選手獲得に関しては読売が他球団を圧倒した感がある。

その一方、2016シーズン優勝した日ハム及び広島、戦力保持では日本一と思われるSBはFAに関しては表だった動きは見せなかった。読売に入団及び入団決定的な3選手については、阪神、オリックス、楽天等がオッファーを出したようだが、条件面で読売に劣ったと報道されている。

読売は補強戦略をもっていない

読売のFA補強には、どのような意図があるのだろうか。まず、左のワンポイント森福については、鉄人山口鉄也投手(34才)の衰え、勤続疲労を見越してのもの。投手王国だった読売だが、ベテランが多く、左腕のリリーバーは気づいてみたら山口鉄也だけ。賭博事件関与の高木京介(27才)には1年間の出場停止処分が課され、契約が解除されたまま。来シーズン、再契約されるかどうかは未定だ。日ハムとの複数トレードで読売に入団した吉川光夫(28才)は先発・リリーフの経験があるから、森福、吉川の左腕の補強は、読売にとって一見意味があるように思える。だが、日ハムの見返りに若手の左腕・公文克彦(24才)を放出しているから、読売の意図は理解しがたい。公文より森福、吉川のほうが、実績があるということか。

横浜から獲得した山口俊投手は先発か抑えか。読売の抑え澤村拓一(28才)は2016シーズン、最多セーブ王に輝いたが、勝負所でのセーブ失敗が目立ち、貢献度はそれほど高いとはいえない。横浜時代、山口俊は2016シーズン、抑えから先発に転向して成功した。この流れ及び読売先発陣の台所から見ると、山口俊は先発の方がベターということになる。菅野智之(27才)-田口麗斗(21才)-マイルズ・タイス・マイコラス(28才)-山口俊-大竹寛(33才)の5枚が先発として揃う。加えて、先発控えとして、左腕は内海哲也(34才)、前出の吉川、杉内俊哉(36才)が、右腕で高木勇人(27才)、桜井俊貴(23才)らがそろう。だが、不安定な抑え、澤村をサポートする投手はだれなのか。マシソンを抑えにする可能性もあるということか。

こうしてみると、読売のFAを中心とした補強は必然のように思えるのだが、逆の見方をすれば、読売の若手の成長がないことの証明ともなる。投手陣では前出のとおり公文が、そして小山雄輝(28才)が楽天に移籍してしまった。

ダブつく外野手

外野の陽の加入は読売にプラスなのか。読売の外野陣はNPPでは最強の布陣。ほぼ2チーム分の戦力を保持している。左翼にはギャレット・ジョーンズ、重信慎之助、中堅には立岡宗一郎、橋本到、右翼には長野久義、亀井善行。代打及び控えの控えとして、堂上剛裕、松本哲也らがいる。重信の二塁コンバートもあるらしいが、陽の加入で少なくとも5選手の出場機会が失われる。ケガや故障もあるから選手層は厚ければ厚いほどいいにきまっているが、読売の場合は常軌を逸している。読売球団は毎年大幅黒字経営で、予算というものがないのだろうか。選手を高給で掻き集めるよりも、入場料を下げて利益を消費者に還元する気はないのか。

読売への選手偏在がNPB衰退を加速

読売の選手補強の目的は、戦力アップという面ももちろんあるが、FA等で流動性の生じた選手を他球団に渡さないことにある。FA宣言した注目選手が他球団に移籍すれば、その球団の戦力が上がり、反対に選手が流出した球団は当然、戦力ダウンする。読売がFA宣言選手をすべて入団させてしまえば、読売は入団した選手が活躍しようがしまいが、少なくとも読売に敵対する戦力とはならないぶん、優位な戦い方ができる。戦力の囲い込みだ。飼い殺しでもいいという算段だ。

人的補償で有望若手が流出か

さて、FA制度の規定によれば、読売が獲得する(であろう)山口俊、陽については、読売が横浜と日ハムに人的補償として、2選手を放出することになる可能性が高い。既に移籍が決まった小山、大田、公文を除いてプロテクトされない選手を予想すると、西村健太朗(投手31才)、江柄子裕樹(投手30才)、中川皓太(投手22才)、長谷川潤(投手25才)、吉川大幾(内野手24才)、辻東倫(内野手22才)、中井大介(内野手27才)、藤村大介(内野手27才)等となる可能性が高い。横浜、日ハムがどのような選択をするか。両球団とも読売で花が咲かなかった才能のある中堅・若手を獲得して当然だ。そうなれば、読売の若返りはさらに遠ざかる。

マギーはライバル・阪神に渡せない

FA選手ではないが、読売がかつて楽天の日本一に貢献したケーシー・マギー(34)の獲得に成功したとの報道がある。マギーは阪神との競争だったという。マギーは一塁、三塁が守れる強打者。だから、昨シーズン、三塁が弱点で、しかも、一塁のマウロ・ゴメスが抜けた阪神が獲得したいというのは理解できる。

ところが、読売の場合は、捕手復帰を諦めて一塁専任になった阿部慎之助(37才)がいるし、三塁には2016シーズン、ゴールデングローブ賞をとった守備の名手で強打(打率302、25本塁打)の村田修三(35才)が健在だ。しかも、若手の大砲といわれる岡本和真(20才)が控えている。マギーが入団すれば必然的に岡本の一軍戦出場機会は減少する。岡本も大田と同じ道を歩む可能性が高まった。

マギーを阪神に渡して活躍されれば、読売にとって大いにマイナスだ。ならば、読売に入れておけば、マギーが読売で試合に出なくても、阪神で活躍されるよりはマシだということか。

読売の頽廃的戦力補強

読売の「補強」は補強とはいえない。資金力に任せた頽廃的行為、爆買いだ。競売に出た商品はすべて競り落とす――それが読売の補強戦略か。その弊害は若く才能ある選手の芽を摘み、他球団で活躍できる選手を二軍で腐らせる結果となる。大金が稼げればいいという選手の希望を読売はかなえてはいるが、スポーツとしてのNPBをつまらなくさせ、ファンは高額なチケット代負担を強いられる。

読売の爆買いは、結果として、長期的に見てファンの支持を失うだろう。現に、広島、日ハム(北海道)、福岡SB(九州)といった地域密着球団が、球団としての実力及びステイタスを上げつつある。ファンは、若く、フィジカルに優れた選手で構成された球団に注目するようになり、FA等で寄せ集めたピークを過ぎた中年選手が集まった球団に魅力を感じなくなる。

FAでは読売の弱点(二塁、捕手)の補強はできない

そもそも読売の弱点はなんだったのか。投手陣全体の衰えは確か。今年のFAとトレードで、投手の補強はある程度できた。しかし、読売の致命的欠陥は二塁と捕手ではなかったのか。しかしながら、この2つのポジションでFA宣言した有力選手はいなかった。その結果、2017シーズン、読売は2つの弱点を克服できないままとなる。そもそも捕手は世界的に人材難、自前で育成するしかない。二塁も現代野球のキーといわれる重要ポジションで、探せばかんたんにみつかることはない。ところがいまの読売において、若手台頭の気配はない。山田哲人(24才ヤクルト)や菊池涼介(26才広島)がFA宣言するのは何年先となろう(笑)

2016年12月4日日曜日

浦和は負けるべくして負けた―J1CSファイナル

◇JリーグCS決勝第2戦 鹿島2-1浦和(12月3日/埼玉)

CS2戦目は鹿島が浦和からアウエーゴール2を奪い、CSチャンピオンとなった。年間勝点トップの浦和が同3位(前期優勝)の鹿島に負けた結果、年間3位チームがリーグチャンピオンとなってしまった。こんな結果に違和を感じるのは筆者だけだろうか。何度も拙Blogで書き続けてきたことだけれど。

●適正だった主審のジャッジ

そのことを詳述する前に、CSの2試合について、簡単に触れておこう。第一に、決勝第1戦に比べて、主審のジャッジが格段に良かったことを挙げたい。拙Blogで触れたとおり、Jリーガー、海外組を問わず、日本人選手は選手同士の接触プレーに弱い。その主因はJリーグの審判団がデュエルを好まないからだ。見かねた代表監督のハリルホジッチがその必要性・重要性をことさら強調して改善を要請してきた。しかし、Jの審判団はハリルホジッチの希望にこたえていない。その代表的な試合がCS第1戦だった。

ところが、第2試合の主審は実に的確に接触プレーを判定した。その結果どうなったかというと、御覧のとおり、フィジカルの強い鹿島が浦和に勝った。この試合の笛を第1試合の主審が吹いていたら、浦和は負けなかったかもしれない。つまり、浦和の1勝1分けもしくは2勝で終わった可能性が高かった。

●浦和の守備力に難あり

第二は、浦和の守備力の弱さだ。前出のとおり、浦和選手のフィジカルに難点が目だったが、とりわけ守備面でその弱さが表出した。

メディアは浦和のCS敗退を「埼スタの悲劇」「番狂わせ」「下剋上」と、予想に反した結果として報道しているが、果たしてそうなのだろうか。筆者はCS制度が導入された昨年今年のJリーグに興味を失っていたのでその試合を見ていないが、CS2試合を見た限りでいえば、浦和に足りないものはフィジカル及び守備力だ。鹿島に同点に追いつかれたのは、前半40分、浦和の左サイドにでたロングボールを処理しようとした浦和DFが、鹿島の遠藤に簡単にボールを奪われ“どフリー”でクロスを上げられ、右サイドのノーマークの金崎にゴールを決められたもの。守備的MF阿部もケアしきれなかった。

浦和は攻撃力に定評のあるチームだといわれているようだが、守備力は弱い。DFの背後に配されたパスもしくはロビングに対応しきれなかった。3バックの両サイドに広大なスペースがある。だれがどう守るのかの決め事がないようにみえる。決勝PKを献上したシーンは前がかかりになった自陣で簡単にボールを奪われ、決定的なパスをつながれて槙野が鹿島のFWを背後から倒したもの。浦和敗戦の戦犯は、左サイドの守りを担当する槙野、宇賀神、阿部だ。

違和感残る「真の王者」――鹿島がJ1最強なのか

さて、CSの結果、J1の「真の王者」は鹿島となった。年間勝ち点74の浦和に対し、3位の鹿島は59と“5勝分”にあたる15点もの勝ち点差があった。J1リーグ戦年間順位は、1位=鹿島(勝ち点59)、2位=浦和(勝ち点74)、3位=川崎F(勝ち点72)。違和感が拭えない。

(一)後期を捨てたチームでもCSに参戦できる?

年間勝ち点首位の浦和が負けた結果、CS制度の矛盾が一気に噴出してきた。その第一点目は、後期を意図的に捨てたチームでも、CSに参戦できること。鹿島は前期優勝を果たしたが、後期はまるで振るわず、内紛まで起こしたチーム。前期優勝で気が緩んだのか、意図的に後期を捨てたのか定かではないが、後期は試行錯誤を覚悟して臨んだ可能性が高い。鹿島の心理を大げさに書けば、“前期優勝でCS出場権を確保した。後期いくら一生懸命やってもCSがあるから、流そう”と。そんなムードがあったかどうかは知らないが、ただいえるのは、前期を制したチームは、後期について、CSに向けた調整期間としてとらえることが可能だということ。

(二)シードの浦和は実戦から遠ざかりすぎ

第二点目は、リーグ(後期)終了から、シードチーム(今年は浦和)はCS決勝まで空白期間があること。浦和は年間勝点1位を決めてから3週間以上も間が開いた。公式戦は、11月12日に行われた天皇杯4回戦以来となる。試合勘に不安があって当然だ。

一方の鹿島は川崎と試合(11月23日)をして「肩慣らし」をして29日に決勝第1戦を迎え(0-1で負け)、2戦(12月3日)に臨んだ。浦和に比べれば、きわめて順当な間の取り方だ。実戦から遠ざかっていた浦和の第1戦は辛勝。精神的に優位に立てなかった可能性がある。いわゆる「追われる立場」の弱さだ。

●CSが明らかにした、J1リーグのレベルの低さ

浦和のCS敗退はもちろん、制度の欠陥だけではない。浦和の弱点は、前述のとおり、フィジカルの弱さであり、3バックのもつサイドの空きスペースを埋めきれなかった点であり、翻っていえば、攻撃重視の姿勢が前のめりとなりすぎ、横の視線が欠けたことにある。守備ブロックという概念さえ、浦和の選手には欠落していたように思われる。

フィジカルが弱いから、相手のプレッシャーが強ければ、ボールを奪わる回数が増える。前のめりでしかも、3バックだから、サイドに大きな穴が開く。自陣でボールを奪われれば、相手に決定機を与える。一発勝負となれば、偶発性、ミス等によって、勝敗の行方は左右される。第1戦は判定に救われて先勝したが、2戦目の主審は浦和に有利な判定をしてくれなかった。浦和は負けるべくして負けた。

CS制度が「真の王者」の決定の場として相応しくない場であることだけが証明された。確かにこのような制度は矛盾が多い。今年で最後となるのは当然だ。CS制度に飲み込まれた浦和は、ある意味において、悲劇のチームだといえなくもない。

しかし、CSファイナルに出場した2チームのレベルはどうなのだろうか。難点ばかりが目立った浦和が、年間勝ち点トップなのはなぜか。フィジカル面で強さを見せた鹿島の後期の成績はどうなのか。普通ならば3位のチームにすぎない。J1のレベルアップが望まれる。


2016年11月30日水曜日

低すぎる主審の力量――Jリーグチャンピオンシップ

<Jリーグチャンピオンシップ:鹿島0-1浦和>◇決勝第1戦◇29日◇カシマ

浦和がアウエーゴールをPKで得て先勝。優位に立った。試合内容を一言でいえば、「つまらない」。その主因は、ホームの鹿島がアウエーゴールを怖がって、「得意」とする守備的サッカーに持ち込もうとする消極策にあった。

Jリーグの問題点――チャンピオンシップという愚かな制度

試合内容とは離れてしまうが、日本プロサッカーの最高峰に君臨するJ1リーグが抱える二つの問題点を指摘しておきたい。第一は、チャンピオンシップ(CS)という制度。このことは拙Blogで何度も指摘してきた。Jリーグは昨年、今年をもって廃止するとのことだが、当然だ。そもそも採用すべきではなかった。

ポストシーズンは広大な北米大陸が舞台でこそ意味を持つ

ポストシーズンという制度は、管見の限りだが、アメリカMLBが広めたものではないか。アメリカの国土は日本の25倍の広さを持ち、人口もおよそ3倍だ。MLBにはカナダも参加しているから、北米大陸のスケールは、日本と比較にならない。

だから、リーグとは別に「地区」という概念を基礎とした制度に有効性がある。「地区」の勝者が競い合うポストシーズンという短期決戦がコンテンツとして生きてくる。一方の日本で「地区」といえばせいぜい「東西」くらい。実際に東西を基軸にJ1リーグ18チームを分けてみても、地区の勝者同士が優勝カップを争うことにリアリティはない。

そこでJリーグ(事務局)が無理くりつくったのが現行制度。前後期それぞれの優勝者に年間勝点を絡ませたものだが、今季は前期優勝の鹿島が年間勝点で3位となったため、年間最多勝点及び後期優勝の浦和が1位、そこに年間勝点2位の川崎が2位となって、鹿島と戦って負けたため、浦和―鹿島が決勝(ホーム&アウエー)となった。

CSはマラソンの後に短距離走をさせるようなもの

かくも不自然な制度はいわば、マラソンの後に短距離競争で優勝者を決めるようなもの。マラソンでトップが浦和、2位が川崎、3位が鹿島。次の短距離走で川崎と鹿島が争って鹿島が勝ち、その鹿島が浦和と短距離走を2回やるという具合だ。こんなバカバカしい制度をよくつくったものだと感心するが、メディアもサポーターも真面目である。「真の勝者はどこだ」なんてキャッチフレーズで煽っている。

リーグ戦というのは、勝負の偶発性を排除するため、各チーム総当たり2回戦(ホーム&アウエー)で実力を競うもの。そこで勝ったものが「真の勝者」である。前後期制度であれば、スタートダッシュに成功したところが前期優勝者となってしまう。その反対に、前期を捨てて、後期に勝負をかけるようなチームが後期優勝を果たすような弊害は、年間リーグ戦制度ならば排除できる。

日本では低調なカップ戦

サッカーでは、短期戦のおもしろさも楽しめる。実力よりも偶発性を楽しむもの。いわゆる「下剋上」の醍醐味だ。トップリーグのチームが下部リーグに苦杯をなめることもある。それがカップ戦である。

日本サッカー界にもカップ戦はある。Jリーグが運営するのが、J1限定のJリーグカップ(ルヴァン杯)。そして日本サッカー協会が運営するのが天皇杯で、これは完全な一発勝負。前者は代表選手が抜けた期間に試合が行われる。後者はJリーグ終幕後に日本中のサッカーチームが参加するものだが、J1チームでは、選手・監督等の契約事務が終了した後の試合になるため、緊張感はない。元旦に決勝戦が行われる、いわば「年中行事」「季語」「縁起物」のような意味あいが濃い。天皇杯優勝者が日本最強クラブだと信じているサッカーファン、関係者は、おそらくごく少数だろう。

ACLも低調

アジアのクラブチームが短期で争うACLもある。だが、これが全く日本では盛り上がらない。日本におけるACLは、欧州のチャンピオンリーグのような価値をもっていない。その理由はまた別の機会に述べたい。

かくしてJリーグでは「チャンピオンシップ」という超短期戦が始まったのだが、サッカーファンも選手も関係者も、これまで述べたごとく、制度自体の欠陥を容認できなくなり、今年で終了する。浦和-鹿島の視聴率は、わずか7.3%だったという。

主審が下手すぎる

第二の問題点は、主審の力量の低さ。浦和の決勝点となったPKは誤審である。リプレー映像で確認しても、あれがファウルならサッカーにならない。接触で倒れればファウルがもらえるのならば、日本サッカーは確実に弱くなる。日本代表監督のハリルホジッチが“デュエル”を強調しても、リーグで軟弱なサッカーが容認されているようなら、選手は強くならない。誤審はPKばかりではない。アドバンテージで流すべきところを止める。イエローの基準があいまい。「最強決定」の試合でこれでは、日本サッカーは向上しない。

下手な審判は一線を退いてもらうしかない

“サッカー(スポーツ)に誤審はつきもの”だとか“審判は絶対”…という言説が日本のスポーツ界では「常識」のように語られ、審判批判は非常識だとされる。だがこれは誤りまたは誤解である。判定が覆らないだけの話である。

下手な審判は、適正な評価の下、処分されなければならない。処分内容を公表するかしないかは別問題。下手な審判は退いてもらうしかない。しかし、評価を行う機関の適正さが担保されていなければ意味がない。元審判が現役審判を仲間内で評価するのならば、それは機能しない。審判の技量を向上させる制度構築が必要となる。

微妙な判定については、メディアがリプレー映像を積極的に流してほしい。スタジアム、TV中継、スポーツニュース、スポーツ特番、インターネット…そこで検証されるべきである。

拙Blogにおいて既に書いたが、W杯アジア最終予選で日本代表に有利となる誤審を中継するTV局がリプレー映像を流さなかった。日本有利の誤審は2試合続いたのだが、2試合の中継がそれをパスした。一方、日本不利の判定だったUAE戦では、繰り返しリプレー映像が流された。これが日本のスポーツメディアの放送コード。あきれてるばかりだ。

そればかりではない。日本サッカー協会が、スタジアムでのリプレー映像の放映を中止するよう要請したという。協会が審判技術を信用していないあらわれである。協会は、技術の高い審判を養成する自信もない。

TV中継解説者は応援団か幇間では情けない

最後に、メディアの問題に改めて触れておく。この試合、民放のTV中継で観戦したのだが、そのときの解説者は2名。別に1名のCSアンバサダーとやらがが登場していた。筆者が彼らの解説を聞く限り、彼らの言説は、応援団もしくは誉め役のそれであって、試合及びプレーに係る技術、戦術等の専門的指摘ではない。「○○選手に入れば期待が持てる」「うまいですね」…と彼らが力説するも、両チームともPK以外の得点なし。守備がいいから点が入らない、ではサッカーにならない。

0-0のスコアレスドローが緊張した、いい試合なのか。この試合では、両チームの攻撃陣が精神的にも肉体的にも委縮していた。真の解説者ならば、相手の守備をどう破るのか――自分が監督ならどんな指示を出すのか、自分が選手ならどんなプレーをするのか――視聴者が専門家から聞きたいことは、専門的言説である。「うまい」「期待する」「いい試合」「緊迫してます」なんてのは、解説ではない。「盛り上げ役」でギャラをもらうというのは、虫が良すぎる。

2016年11月27日日曜日

夜店通りの新しいお店

谷中夜店通りに新規開店したお店。

バーのようだけれど、メニューが豊富。

いろいろなものが食べられる。



2016年11月21日月曜日

ささやかな紅葉(谷中天王寺)



章一君の手料理

章一君の東京事務所兼自宅に招待された。

王子駅から徒歩10分くらいのマンション。
部屋には仕込んだ骨董品がたくさんあった。



料理の腕もなかなかのもの。

献立:

  • 豚の香料煮込み
  • 卵とトマトのスープ
  • 牡蠣と豆腐のスープ
  • 海鮮(白身魚、海老)とエノキダケの生姜・青唐辛子煮込み
  • 刺身



2016年11月18日金曜日

章一君

中国杭州市から章一君が拙宅にきた。

彼は骨董のバイヤーで、本国でいろいろな事業を展開している。

若き起業家、いまのところ事業は順調らしい。

章一君

イスラム風のティーポットを土産にくれた


2016年11月16日水曜日

サッカー日本代表、誤審とサウジの自滅で命拾い

▼ロシアW杯アジア最終予選]日本 2-1 サウジアラビア/11月15日/埼玉

日本がホームでサウジアラビアを2-1でくだし、グループ2位に順位を上げた。

出場選手は以下のとおり。

GK西川周作
DF(Lsb)長友佑都、(Cb)森重真人、(Cb)吉田麻也(Rsb)、酒井宏樹
MF(D)山口蛍、(D)長谷部誠
MF(O) 清武弘嗣(⇒香川真司、後半19)
FW(Rs)原口元気、MF(Rs) 久保裕也(⇒本田圭佑、後半03)
FW(C)大迫勇也(⇒岡崎慎司、後半48)

本田、香川、岡崎がベンチスタート

特筆すべきは、既に多くの報道が示すとおり、不動のメンバーといわれてきた、本田、香川、岡崎が外れ、久保、清武、大迫が先発に名を連ねたこと。筆者は12日の拙Blogにおいて、「鮮度を取るか、実績を取るか」と書いたが、ハリルホジッチは「鮮度」を取り、結果を出した。

筆者は、ハリルホジッチの成功を日本のサッカー発展という視点で評価したい。「本田」に代表される海外ブランド信仰は、スポーツ選手の実力評価とは無縁のマーケティング的視点。彼らは大手広告代理店操作による「広告塔」だ。ハリルホジッチは前任者ザッケローニと同様、“本田と心中”する覚悟だと筆者は書いたが、この試合を境にして腹をくくった。本田をとれば、自分は職を失うと。彼は本田との心中から心変わりした。

ミランで控えが続く本田のことを、「二軍の巨人軍選手」と揶揄したコメンテーターがいた。いい表現だ。二軍でも巨人の選手だといってありがたがる野球ファンがかつては多かったようだが、いまはそうでもない。今日の野球界のスーパー・スターは、イチロー、大谷、筒香、ダルビッシュ、田中であって、巨人の選手ではない。サッカー界(=メディア業界)ではいまだ、“ミランの10番”だけが取り柄の本田にすがっている。

日本勝利の4要因

(一) ブランド選手から、調子のいい選手の起用へ

ハリルホジッチの勝因を整理しておこう。第一は、ここまで書いてきたとおり、先発メンバーを変えたこと。「広告塔」から実力本位、コンディション本位にしたことだ。オフェンシブMF(トップ下)を香川から清武にしたことにより、チームの攻撃に推進力と多様性が生じた。本田を外したことにより、速さが加わった。大迫を真ん中に入れたことで攻撃の基点のターゲットが明らかになった。

(二)献身的プレーの復活――原口の頑張り

二番目は、FW(Ls)原口が勝利のために献身的姿勢を貫き、自身のプレーでチームメイトに示したこと。彼はとにかく攻守に身体をはり、よく走った。そのことで、チーム全体に貢献の意識が共有された。もっとも、原口の姿勢を学ばなかった選手もいたが、そのことは後述する。

この試合まで原口と対称に位置するFW(右サイド)の「オレサマ本田」は、自分が得点する意識ばかりが強く、守り、攻守の切り替えの意識がない。本田は右サイドラインの守備をおろそかにして、真ん中に入りすぎる。そのため攻守のバランスを崩していた。

一方の原口は、左サイドライン沿いの前線から自陣までの守備に献身的に取り組んだ。チームへの献身という意識が原口と本田の差である。サッカーの神様は、献身的な原口に得点機会を与えた。

なお、原口が左サイドを行ったり来たりするプレーについて、スポーツコメンテーターの岩本輝雄氏は、原口の運動量に敬意を表しつつ、「原口に長い距離を走らせるのは、左サイドバックの長友、ボランチの長谷部の守備に問題があり、チームとしては良くない」という指摘をした。慧眼の至りとは、まさにこのこと。

原口が若く、体力があり、W杯出場のモチベーションが高い選手であるのに比べ、長谷部、長友はW杯経験者で若くない。がむしゃらさが失われていたとしてもそれは自然過程というもの。若い選手にチャンスを与えたほうが、W杯予選では良い結果に結びつく。

(三)誤審で日本優位の展開に

主審が日本に絶好のプレゼントを与えてくれた。問題のシーンをリプレー映像で見る限り、清武のシュートはサウジアラビアDFの胸に当たっていた。その跳ね返りが手にふれたかどうかまではわからないが、手にふれたとしても故意によるものではないから、ハンドはない。日本にとってプレッシャーのかかる試合、予期せぬ先取点を日本がもらったことにより、この試合の展開は大いに日本有利となった。

なお余談だが、日本のTV中継ではこのような微妙な判定について、角度を変えた映像を繰り返し流すことがない。日本に不利な判定の場合はリプレー映像を流すが、日本有利の場合はさらりと切り抜ける。海外のサッカー中継ではそのようなことはあり得ない。これでは国際映像としての価値をもたない。日本のテレビ中継を世界中のスポーツファンが楽しむ時代、TV業界は相変わらずの鎖国状態で偏狭なナショナリズムに支配されている。誠に嘆かわしいし、情けない。

(四)サウジアラビアの戦術的失敗

・サウジのアンチフットボールが逆効果

サウジアラビアの闘争心が空回りした。試合開始早々から、彼らは苛立っていたように見えた。と同時に筆者はW杯南アフリカ大会決勝のスペイン1―0オランダを思い出していた。この大会でオランダ代表を率いていたのが、いまサウジアラビア監督のベルト・ファン・マルワイク。彼は技巧派でこの時代、絶頂期にあったスペインに対し、序盤から徹底したアンチフットボールを仕掛けた。試合は荒れに荒れ、オランダは9枚のイエローをもらい(CBヨン・ハィティンハが2枚目のイエローで退場)、スペインに敗れた。サウジアラビアのラフプレーがファン・マルワイクの指示だったかどうかはわからないが、主審の心情がホームの日本に傾いたことは否定できない。

・ボールを持ちすぎたサウジ

サウジアラビアの選手はボールを持ちすぎた。彼らはボールをもつと、なぜかしらないが、ワンプレーを入れたがる。とくに前線の攻撃側の選手に顕著だった。ホーム日本が激しいプレスをかけてくるものと予期して、一回ボールキープして日本選手が飛び込んでくるのを外すことを目的としたプレーなのだろうか。そのため、攻撃がワンテンポ遅れ、逆に日本の前線の選手の落ち着いた守備に引っかかった。このことが、サウジアラビアが攻撃にリズムをつかめなかった最大の要因である。逆にいえば、日本の選手がむやみに飛び込まなかった成果ともいえる。この面では日本の情報収集力がサウジに勝っていた。

サウジアラビアが攻撃の形をつくり始めたのは、日本の追加点が入った後半35分以降。ここから、ややパワープレー気味のロングボール主体に攻撃スタイルを切り替え、日本を追い込み始めた。しかし残り10分余りとなれば、1点を返すので精いっぱい。同点に追いつくことはできなかった。

日本のDFは高さに弱いし、ペナルティーエリアでミスを犯す傾向がある。展開力にこだわらず、パワーに重きをおいた攻撃に早めに切りかえておけば、日本を崩せた。知将といわれるファン・マルワイクだが、この試合に限れば、彼の策略はすべて裏目に出た。日本を甘く見たのか、策に溺れたのか、サウジのサッカーに自信過剰となっていたのか定かではないが、日本の献身的かつ走る守備的サッカーがサウジアラビアのパワーを上回る結果になった。

日本代表、まだまだ続く茨の道

日本はホームでサウジアラビアに勝ち、予選折り返し点でグループ2位の自動出場権が得られる順位に入った。日本の成績はホームで3試合、勝点6(UAEに勝点0、イラクに同3、サウジに同3)、アウエー2試合で同4(タイに勝点3、オーストラリアに勝点1)の10。2017年のアウエー3試合(UAE、イラク、サウジアラビア)は、ホームよりもはるかに厳しい。この3試合で勝点5以上なら、2位以内を確保できるだろう。

ライバル、オーストラリアが最下位タイと引き分けたのは朗報だが、とりあえず、ロシア行きの確率を五分に戻しただけ。清武、原口、大迫という新戦力の発見はプラス材料だが、逆にいうと、日本の伸びしろはもうないという見方もできる。ハリルホジッチの茨の道はまだまだ続く。

2016年11月13日日曜日

トランプのアメリカと日本

(1)アメリカの中間層革命

アメリカ大統領選挙は予想外の結果でトランプがヒラリーに勝った。筆者も予想していなかったけれど、投票日前、NHKTVが放映したエマニュエル・トッドの特番を見たあたりから、トランプがもしかしたら・・・という漠とした思いを抱くようになっていた。そして、その思いが現実となってしまった。

トッドはトランプ現象を「アメリカ中産階級の革命」だと評していた。米国の中産階級をいかに定義するかは議論があると思うものの、格差社会の急速な進展の中で没落する可能性の高い人々なのだろう。エリート層から疎外され、転落する可能性に抗えないとなったならば、そうした状況を脱するため、彼らは悪魔にすがることも辞さない。それが革命的意識の醸成根拠である。

おそらく8年前、彼らはオバマに希望を見出し、オバマに投票したはずだ。ところがオバマは革命(チェンジ)どころか、エリート層のいうままに格差を固定化し、中間層を見捨てた。だから、彼らは「ヒラリー」を嫌った。「ヒラリー」は「オバマ」と変わらない。アフリカ系の次は女性というエリート層のイメージ戦略を見抜いていた。「ヒラリー」になっても「オバマ」と変わらないことを予見していた。

このたびの中間層の選択を「革命」というならば、彼らが意図する現状変革のための最初の一歩は成功した。ただ、それが「トランプ」というところが納得できない。トランプが繰り返してきた言説はヘイトスピーチだった。それをおもしろがってアメリカのメディアが流し、結果的に宣伝したことがトランプの勝因の一つだった。中間層に革命的意識が広がったとき、そのエネルギーを負(トランプ)ではなく正(?)に転換することにアメリカ社会は失敗した。

トランプは共和党の予備選で敗退すべき候補者だった。ところが、そんな存在がいつのまにかトランプ現象となってしまった。その主因は、前出のとおり、メディアがトランプの言説を容認し、拡声器となってアメリカ社会に流し続けたことにある。その結果、トランプという負のエネルギーは中間層の反エリート意識と混合し、膨大な数へと膨れ上がっていった。そうなってしまえば、もうだれも止められない。風、流れ、潮流・・・いろいろな表現があるが、理性が投票行動を律する状況から、情動的で単純な言説に人々が囚われていくうねりが生ずる。女性、非白人、移民、イスラム教徒・・・といった差別意識が白人層に高じ、トランプ現象となり投票行動に結実する。

(2)トランプのアメリカと日本

このたびのアメリカ大統領選挙が日本人に有益であったのは、アメリカ社会の実情を知ったことにある。アメリカは自由の国ではないこと、豊かな社会でもないこと。むしろ、断絶、格差、貧困、差別・・・が日本以上に進んだ、歪んだ国だということ。〝アメリカンドリーム″は遠い過去の神話だということ――を思い知ったことではないか。

それでもアメリカに無条件に追従していこうとする日本の政治指導部の愚かしさが白日の下に晒されたのが、TPPの強行採決である。日本の総理大臣は、なにも見えていないかのようだ。

日本がもっとカネを払わなければ、米軍を撤退させるぞと脅すトランプに慌て怯えているのがその彼であり、その側近たちだ。トランプの脅しは、未果じめ料を払わなければ、お前の店がどうなるか・・・と脅迫する暴力団と同じレベル。そんな脅しに自ら屈してしまおうと、さっそくトランプに挨拶に行くそうだ。まずはトランプ詣でか。「トランプさん捨てないで」か。

アメリカは内部から崩壊しつつある。アメリカが世界に誇れるのは唯一軍事力だけ。だが、軍事力で古代世界を制圧していたローマ帝国も、それだけで存続することはできなかったという歴史がある。

アメリカを絶対化し、それに隷属することばかり考える日本の政治家、公務員、学者、メディア業界人・・・トランプショックからすみやかに目覚め、相対的にアメリカを見るときがきたことを自覚せよ。


2016年11月12日土曜日

退屈な調整試合だったオマーン戦

サッカー日本代表がアジア予選サウジアラビア戦を前に、オマーンとテストマッチを行い、4-0で勝った。

ただし、この試合は親善試合、練習試合、調整試合であって、得点差、試合内容、試合展開、活躍した選手を評価する材料にはならない。

得点者は大迫(2得点)、清武(PKによる1得点)、途中交代出場の小林(1得点)と、新戦力が機能したかのように見える。斎藤も鋭いドリブルを見せた。

守備面でも相手を完封したのだからといって、CBの丸山、守備的MFの永木が即、合格だともいえない。相手が相手であって、彼らが次のサウジアラビア戦で同様の活躍ができる保証はない。

オマーンは外形的には「仮想サウジアラビア」かもしれないが、まるで異なる相手。こんな試合に高額な入場料をとる協会はあこぎである。強化というならば、今季J2に降格した湘南を相手にしたほうが効果的。湘南の堅守速攻のほうが来日したオマーンよりも強くて速い。

まるで歯ごたえのないオマーンを相手に、先発で見せ場をつくれなかった「日本のエース」、本田の調子の悪さが心配である。ハリルホジッチも前任者のザッケローニ同様、本田と心中する覚悟のようだが、早いところ見切りをつけないと、ロシアに行けなくなる可能性が高くなる。

香川、岡崎、原口の状態がわからないが、サウジアラビア戦の先発メンバー発表が楽しみ。実績をとるか、鮮度の良さを取るか。サウジアラビア戦は本番なのだから、失敗は許されない。

2016年11月2日水曜日

NPB、2016シーズン総括(パリーグ・日本シリーズ)

2強(日ハム、ソフトバンク)4弱(ロッテ、西武、楽天、オリックス)は的中

遅まきながら、パリーグの総括をしておこう。シーズン前の筆者の予想は以下のとおり。

(1)ソフトバンク、(2)日本ハム、(3)西武、(4)ロッテ、(5)楽天、(6)オリックス

実際は、
(1)日本ハム、(2)ソフトバンク、(3)ロッテ、(4)西武、(5)楽天、(6)オリックス

であった。


「ソフトバンク、日ハムの2強、4弱」と予想していたので、かすらなかったわけではない。しかも下位の楽天、オリックスは当たっている。セリーグの予想よりはましな結果だった。

パリーグについては、筆者の予想云々よりも、日ハム、ソフトバンクの2強状態がしばらく続きそうな気配が濃厚で、とても気になっている。とりわけ、西武、楽天、オリックスは来シーズン以降、ブレークする要素が見当たらない。球団経営に本気で取り組まないと、パリーグはこの先、人気凋落傾向に陥る可能性が高い。


地域活性化手段としてのプロ球団経営

日本シリーズは日本ハムが広島を4勝2敗で退け、日本一に輝いた。広島(ホーム)は初戦、日ハムのエース大谷翔平を叩いて先勝、第2試合もものにしたが、札幌で失速して3連敗。悪い流れはホームに戻っても断ち切れず、日ハムに押し切られた。

熱戦、接戦と評価の高かったシリーズであったが、筆者の見方としては、バッテリーエラー、守備エラー、サインの見落とし等、ミスの目立ったレベルの低い内容に終始した。

ただ、ホームの利が鮮明となったシリーズで、その点は評価したい。これまでの読売一辺倒のNPBの風景が急激に変容していることが見て取れた。審判の判定に「ホームの利」が露骨にあらわれたのも、特徴ではないか。

NPBが地域密着化し、MLBに近い形態になりつつある。地域経済活性化が期待できるわけだから、地場産業、地域財界などが球団経営に興味をもてば、この先、NPBの球団増が期待できる。これまでの12球団から16~20球団になれば、ポストシーズンのあり方も変わる。NPBが読売の販路拡大ツールから、地域に根付いたスポーツ文化として発展する道筋が見えてきた。

広島の敗因は緒方監督の力量不足

シリーズを決めたのは、栗山と緒方に係る監督の力量の差だった。栗山が短期決戦で即断即決して結果を出したのに対し、緒方はペナントレースの形に固執して失敗した。現在行われているMLBのワールドシリーズを見ている人はわかることだが、投手起用においては、先発を中3日で登板させたり、クローザー(チャップマン)を中抑えに起用したりと、指揮官は変幻自在の策を講じている。

第6戦、ホーム広島は、セットアッパー(SU)に不調のジャクソンを投入して失敗した。野球評論家の張本氏が指摘したように、あの場面は黒田博樹で行くべきだった。筆者は黒田もしくは中崎翔太でもよかった。中崎をSUで起用し広島リードで9回表を迎えられたならば、クローザーはもちろん黒田だ。黒田が打たれて広島の日本シリーズ敗退が決まっても、ファン、選手は納得する。勝てば、第7戦に総力全力を上げればいい。短期決戦とはそういうものだ。
 
3戦目以降、緒方に焦りが出た。バント失敗、盗塁失敗という最悪のパターンを繰り返した。広島(緒方)の積極走塁作戦はリスクが高い。2戦目、無謀な本塁突入はチャレンジでアウトからセーフに判定が覆ったが、無謀な走塁であることに変わりない。この「成功」で調子に乗りすぎた感がある。とにかく、野球では簡単に相手に「アウト」を与えてはいけない。

2016年10月19日水曜日

「谷根千」は死んだ?

谷根千の変貌ぶりが著しい。

かつての趣ある路地、住宅、飲食店が姿を消し、ハウスメーカーデザインの新築住宅やマンション等が建設されていく。

新しく開店した飲食店等は無国籍なメニュー、品ぞろえで、この地域にある必然性を感じない。

このような現象は、京都東山、鎌倉小町通り等で起きていた。

新しい繁華街が生まれ、古い個性的な町が死ぬ。

テレビの影響は大きい。

有名タレントを使った「散歩」番組では、彼らが「下町グルメ」とやらに舌鼓を打ち、店主と笑顔で会話する映像が制作され、お茶の間に届けられる。

自分もそのような体験をしてみたい、と思う視聴者の思いは理解できる。

そうして人々が「下町」に集まり、商業が活性化し、地域振興に結び付く。

経済的な恩恵が地域にもたらされる。

すべてが「ウイン、ウイン」、めでたし、めでたし、なのか・・・


写真と本文は関係ありません(2014年・谷中)



2016年10月16日日曜日

日本プロ野球2016シーズン総括(セリーグ)

日本プロ野球(NPB)はセリーグのポストシーズンが終了。広島がDeNAをくだして、日本シリーズ進出を決めた。

セの順位は筆者の予想をはるかに超えた結果に

セの2016シーズンの順位等を総括しておこう。

(1)広島、(2)読売、(3)DeNA、(4)ヤクルト、(5)阪神、(6)中日

優勝した広島と2位読売のゲーム差はなんと17.5。広島の独走、圧勝のシーズンであった。

筆者の開幕前の予想は、(1)読売、(2)ヤクルト、(3)阪神、(4)広島、(5)DeNA、(6)中日であったから、最下位の中日だけが当たっただけ。しかも、筆者は読売が断トツで1位と予想したのだから話にならない。

繰り返して書くが、筆者が読売独走を予想した根拠は、▽他の5球団が戦力を落としたこと、▽原が監督を辞め、新しい指揮官が任命されたこと、▽投打とも、圧倒的な戦力を維持していたこと――であった。2016シーズンの覇者広島であるが、エースの前田健太(マエケン)がMLBに移籍。昨年の覇者ヤクルトもクローザーのバーネットが退団。阪神はクローザーのオスンファン、強打者マートンが退団。読売のライバルたちがことごとく戦力をダウンしたと思われた。

しかも筆者の見立てでは、DeNA、中日は選手層が薄く、戦力的にみて下位に沈むはずだった。つまり、読売が維持している分厚い選手層が機能すれば、相対的に読売が独走すると考えたのだ。ところが、DeNAが3位に進出し、しかも、読売をポストシーズンでくだし、ファイナルに進出してしまった。これも予想外。

読売の敗因を探る

(一)打撃は昨年を上回る成績

読売のチーム成績をみてみよう。個人部門では、坂本が首位打者、投手では菅野が防御率トップ、澤村がセーブ数トップ、マシソンがホールドポイントでトップ。投打の個人成績のうち、4部門を読売の選手が取った。

打撃成績はチーム打率251でリーグ3位。昨年が243で最下位だったから、打撃は好調だったといえる。個人成績を見ると、打率(規定打数以上)では、坂本344(269)、村田302(236)、長野283(251)、規定打数以下では、阿部310(242)、亀井252(272)、橋本233(219)、立岡229(304)・・・【※(  )内は2015シーズン成績】となっていて、主軸の阿部、村田、坂本、長野が昨シーズンの成績を大きく上回った。昨年活躍した立岡が故障で試合に出られなかったというマイナス面はあるが、読売の主軸は、昨シーズンを上回る成績を残したのである。

(二)投手陣は悪化

チーム防御率を比較すると、昨年が2.78の1位。今年は3.45と下降してリーグ3位に終わった。個人成績では、先発投手陣の内海が9勝6敗、防御率3.94(2勝1敗、防御率5.01)、大竹6-6、3.55(3-4、3.21)、高木勇5-9、4.31(9-10、3.19)、ポレタ1-3、4.00(8-8、2.94)、マイコラス4-2、2.45(13-3、1.92)、菅野9-6、2.01(10-11、1.91)、田口10-10、2.72(3-5、2.71)。

リリーフ陣はマシソンが70試合登板、49ホールドポイント、防御率2.36、(63試合登板、31ホールドポイント、防御率2.62)、山口が63、20、4.88(60、33、2.73)、澤村が63、37セーブ、防御率2.66(60登板、36セーブ、防御率1.32)であった。

先発陣では外国人のマイコラス、ポレタ及び高木勇の3投手が戦力として機能しなかった。田口が成長したが、彼だけでは3投手の穴は埋められない。内海、大竹のベテランは成績を上げた。筆者は内海「限界説」を唱えていただけに、意外な結果であった。読売投手陣の問題点は、勝利の方程式の一角、山口の不調。ホールドポイントも下がったが、防御率が大きく悪化した。澤村も同様に防御率が悪化した。しかも、澤村は大事な試合におけるセーブ失敗が顕著で、読売が躍進できなかった最大の要因の一つだろう。

読売を圧倒した広島の投打

しかし、読売がペナントを制せなかった主因は、読売の内在的要因というよりも、それをはるかに上回った広島の戦力の充実に求められる。

前出のとおり、筆者のシーズン前予想としては、エース前田の移籍により、広島が戦力ダウンしたと考えた。つまり広島の若手投手陣及び打撃陣の成長の芽を発見することに失敗した。広島の若手の急成長を予想できなかった。今シーズンの結果は、広島の各選手の成長の反映であって、それ以外にない。

読売がFA制度に依拠した補強をすれば、読売の未来は閉ざされる。読売の若手・中堅の奮起が期待される。

2016年10月12日水曜日

サッカー日本代表、2010年南アフリカにタイムスリップ

サッカー、W杯ロシア大会アジア最終予選B組第4戦、FIFAランク56位の日本代表はアウエーで同45位オーストラリアと1-1で引き分けた。

日本、全員守備の超消極的サッカー

なんとも“イタイ”試合だった。日本は超守備的な戦術を90分持続させた。攻撃陣形は、本田がワントップ、Rsに小林、Lsに原口が入り、Oh(トップ下)に香川。ところが、彼らが終始、前線から徹底して守備に励んだ。Ohの香川が日本のゴール付近で相手攻撃陣の守備を務めるとは・・・おどろきの光景だった。

先制点はそんな日本が奪った。オーストラリアの右サイドが手薄になった瞬間をついて、日本のパス交換がうまく運び、原口がゴールを決めた。だが、日本の攻撃はこの場面のみといっていいくらい。先制点でヒーローとなるべき原口だったが、相手ボックス内でファウルを犯してPKを献上してしまう。原口については後述する。

 
できのわるいオーストラリア

さて、オーストラリア――前評判は高かったが、この試合のできは悪かった。前線から守備をする日本の攻撃陣に戸惑ったのかどうかしらないが、攻撃が単調。自陣に引きこもってブロックをつくる日本に対して、ボールを回してから、日本DFの背後を狙うパスか、あるいは、日本のブロックの直前に供給する速いパスでゴールに迫ろうかというもの。こうした時間帯がほぼ90分続いたのだから、緊張感のまるでない試合だった。

日本、10月のノルマ勝点4を確保

繰り返しになるが、拙Blogにおいて、今月のイラク戦(H)、オーストラリア戦(A)において日本が勝点4を上げられなければ代表監督更迭が望ましいと書いた。その結果として、ハリルホジッチ監督は合格点(勝点4)を死守した。アジア王者に対してアウエーで引分ならまずまずとなれば、ハリルホジッチの進退問題は進展しないのだろうか。

南アフリカからこの試合まで、日本は何をしてきたのか

それにしても、こんな消極的な日本代表の姿は、2010年W杯南アフリカ大会以来、久々だ。いまから6年前、発展途上の岡田ジャパン、世界の強豪がひしめくW杯本戦なのだから、なりふりかまわぬ岡田の消極策も許された。予選突破という結果も出した。しかし、その守備的戦いぶりの反省のうえ、ブラジル大会(2014)では攻撃的サッカーの完成を目指して、ザッケローニを招聘し(結果は惨敗)、そして、ロシア大会(2018)では、さらなる進化を遂げようとこの予選に臨んだはず。にもかかわらず、なんと、南アフリカに回帰してしまうとなれば、いったいぜんたい、この間、日本代表はどんな強化策を講じてきたのかが問われて当然だ。よしんば、アジア予選を突破してロシアに行ったとしても、結果については望めまい。

ハリル監督、試合のコンセプトと選手起用が極めてミスマッチ

そればかりではない。ハリルホジッチ監督の選手起用、采配、選手交代もわけがわからない。第一に、トップ下の香川を守備に使ってどうする。第二に、日本の「エース」と呼ばれる本田がまったくだめ。慣れないワントップだからという言い訳も通じない。「一対一」で簡単にボールを奪われるし、90分間、走れない。コンディション、試合勘、フィジカル面で本田は代表選手というより、サッカー選手として危機にある。このことも繰り返しになるが、ワントップが必要ならば、ワントップとして実戦で鍛えられた選手を代表に選ぶべきなのだ。

第三に、日本は右サイドの小林、右SBの槙野が2人で相手左サイドからの攻撃を封じる作戦に出た。この形がはまって、オーストラリアは得意の形を活かせなかった。もちろんその代償として、日本の攻撃も左サイドからに限定され、攻撃の選択肢が狭まった。結果、調子の悪いオーストラリに勝ち切れなかった。予選終了時、日本の勝点が足らなくなったとき、この試合の臆病な展開を後悔しても遅い。

原口が自身の思考、態度を改めない限り、日本の新たなリスクに

PKを与えた原口に苦言を呈しておく。原口のPKには伏線があった。PKの前、原口はタッチライン沿いでオーストラリア選手を押したプレーでファウルを取られたのだが、彼はそれに対して執拗に主審に抗議した。彼は正当なショルダーチャージだと主張しているようにTV画面からはうかがえた。ところがリプレーをみると、原口は上腕(肘とその先)をつかって相手を押しのけていた。主審は原口の抗議に対してイエローは出さなかったが、心証を害したことは確か。しかも、原口の抗議の表情は険しく、主審の技量のなさを軽蔑するようにさえみえた。おそらく、主審は原口が同じプレーを繰り返し、再び抗議をしたらイエローをだす腹積もりだっただろう。そして、原口は同じようなファウルをボックス内で犯した。主審にためらいはなかったはず。原口が前のプレーで何事もなかったようにファウルに従っていれば、PKはなかったかもしれない。

原口は最終予選、3試合連続得点をあげ、日本のポイントゲッターになったのだが、この試合ではゴールを帳消しにするPK献上だ。彼は90分間よく走り続け、決定力もある。だが、彼はハリルホジッチが口にするデュエル(決闘)の意味をはき違えている。闘志あふれるプレーと反則プレーはちがう。本当のデュエルは相手を潰さなければいけないものだが、サッカーはルールの下、体力、技術で相手に勝つスポーツだ。ルールを守らなければ罰がある。守備の基本をおろそかにしてはいけない。さらにいえば、審判の心証を汲む度量がなければ、一流選手にはなれない。

そもそも原口は態度に問題を抱える選手。Jリーグ時代、監督の交代にあからさまに抗議を示した“実績”もある。性格に問題がある選手なのだ。彼が今後、自身の思考、態度を改めないかぎり、彼の存在が日本代表にとって新たなリスクとなる可能性もある。

11月、ホームのサウジアラビア戦の日本代表監督はだれか

B組はサウジアラビアがUAEを破り、首位に立った(2位オーストラリア、3位日本、4位UAE)。しかも、日本を苦しめたUAEに3-0の圧勝だ。サウジアラビアをホームで迎える11月、この試合で日本が勝点3を上げられないと、同組3位で終わってしまう可能性が高まる。この試合をハリルホジッチで迎えるのか、その前に協会(JFA)が大鉈を振るうのか・・・今回の予選は楽しみが多い(笑)

2016年10月7日金曜日

サッカー日本代表の危機、ますます深まる

サッカー、W杯ロシア大会アジア最終予選B組第3戦、FIFAランク56位の日本代表が同123位のイラク代表に2-1で勝利した。決勝弾は後半アディショナルタイム。まさに薄氷を踏む勝利とはこのことだ。対戦相手は内戦で国家が溶解状態のイラクだ。彼らはホームでは試合ができない流離のチーム。その相手に日本がホームで辛勝なのだから、劇的な試合結果に酔っている場合ではない。日本代表の危機はより深まったように筆者には思える。

筆者は5日の拙Blogにおいて、今月のイラク戦(H)、オーストラリア戦(A)において日本が勝点4を上げられなければ代表監督更迭が望ましいと書いた。筆者の基準に従えば、結果的には次の試合引分以上でノルマ達成だから、ハリルホジッチの首は切らなくてもいい。ハリルの首は薄皮一枚でつながる可能性は高まった。

ベンチの香川はもちろん、先発の本田、岡崎も貢献度ゼロ

試合内容は悪かった。日本の「エース」と呼ばれるFW(Rs)本田がまったくだめ。「一対一」で簡単にボールを奪われる、走れない、決定機を外す。コンディション、試合勘、フィジカル面で彼は代表に相応しくない。日本代表の「10番」、香川(MF)も最後までベンチ。状態は相当悪いのだろう。岡崎(CFW)も得点に絡まずじまい。ポストプレーを確実にこなしていたという評価もあろうが、シュートシーンが皆無に等しいのだから、ワントップとしては失格だ。

先制点は、オフサイド気味。判定については不利も有利もあるのだから、得点は得点だけど、ちょっとどうなのかなと思うところ。決勝点はパワープレーの結果生じたもの。長身DFの吉田麻也が前線に残り、彼が粘った結果生じた決勝点だ。パワープレーも戦術のうちだから否定はしない。ならば、ハイボールを取り入れた攻撃パターンを選択肢とした取り入れた選手選考をすべきだろう。この試合結果が、長身CFを代表に呼ぶ必要性を実証した。

試合に出ていない選手は使えない

前出の拙Blogにおいて、日本代表危機報道の具体的要素をアンバンドリングしておいた。それを再掲すると、▽「海外組」が試合に出場していないこと、▽それに代わる新戦力(Jリーグ選手)の台頭がないこと、▽ハリルホジッチの戦術が選手に浸透していないこと――であった。

この試合に限れば、「海外組」については香川、本田、岡崎の3選手がダメで、清武、原口、吉田麻也が合格。「国内組」では山口蛍が合格となるのだろうが、相手は先述のとおりイラクだ。彼らはいろいろと困難な状況を乗り越えて日本にやってきたチーム。同情すべき相手なのであって、ホームの日本がねじ伏せなければいけない。にもかかわらず、内容は五分五分、「一対一」で負けているようではどうにもならない。

こんなサッカーなら、世界との差広がるばかり

戦術面については、日本が速攻で相手を崩した場面が相当数あったとは思えない。ジーコジャパン、岡田ジャパン、ザックジャパンがアジアの代表チームと戦ってきた試合内容とほぼ等しい。FIFAランキング100位以下の相手ならば、日本のポゼッションサッカーが通じるということだ。

このことは日本にとって喜ばしい反面、日本が世界の潮流から大いに遅れてしまう要因となっている。このレベルで辛勝ならば、アジアでもスピードとフィジカルで日本を上回るオーストラリアやイラン、さらに、ソンフンミン(イングランドプレミア、スパーズ所属)擁する韓国に劣る。

ホームのサウジアラビア戦がまさに正念場

イラン、韓国とは組が違って幸いだが、11月には同組のサウジアラビアとの対戦が控えている。アジアにおける日本の立ち位置は、オーストラリア、イラン、韓国、UAEに次ぐ5番手くらいが妥当なところ。筆者は別のコラムにおいて、最終予選、日本はB組3位と予想したのだが、とにかく、サウジアラビアが日本の前に立ちはだかるようなことがあれば、筆者の予想は的中する。日本が3位に沈めば、A組3位とのプレーオフ。それに勝てば、北中米のどこかの国との大陸間最終プレーオフが待っている。そこまで混沌としてしまったら、W杯予選の結果に係る予想は、いまの段階では不可能というもの。とにかく日本はオーストラリア戦を引分以上で終わり、当面の敵、11月のサウジアラビア戦に全力を傾け勝利しなければならなくなった。

2016年10月6日木曜日

今月2試合勝ち点4以下ならハリル解任


明日(6日)、W杯ロシア大会最終予選イラク戦を前にして、日本のマスメディアはサッカー日本代表に対する報道姿勢を転換したようだ。ハリルホジッチ監督解任論、海外組批判、国内組不安・・・と、ロシア大会出場は絶望的なような論調になってきた。いままで、本田だ、香川だ、岡崎だ、清武だ――と騒いでいたメディアが、ようやく彼らの力量に疑問を持ち始めたのだ。この転換について筆者は「良い傾向」だと考える。遅きに失した感はあるが、海外組の実態を日本のメディアがようやく理解するようになったからだ。筆者はすでにそのことを力説しておいた。

結論をいえば、ホームのイラク戦、アウエーのオーストラリア戦で勝ち点4以下ならば、日本はロシアに行けない可能性が高く、もちろん、ハリルホジッチを解任すべきだ。年内(11月)のサウジアラビア戦を基点として、2017年からの予選後半を新監督に託したほうが日本サッカー界にとって、悪くない経験を積むことになる。

日本のマスメディアの危機報道の内実

日本のマスメディアの危機論の要旨は、第一に、「海外組」が試合に出場していないこと、第二に、それに代わる新戦力(Jリーグ選手)の台頭がないこと、第三に、ハリルホジッチの戦術が選手に浸透していないこと――等となろう。ハリルホジッチがこれまで新戦力を試してこなかった、と批判する声も圧倒的に多い。

あれあれ、これまで「海外組」を称賛し、W杯優勝も夢ではないかのように日本代表への賛辞を書きまくっていたのはどこのだれだったっけ――といいたくもなる。日本のメディアに自己検証、反省、内省、自己批判を求めても無駄だから、これ以上の批判はやめる。この期に及んで、日本のメディアを非難しても、日本代表が強くなるはずもない。

2017年に向けて「代表再構築」必要

いまさらながらの危機であるが、これを打開する道はあるのか、もはや手遅れなのか――もちろん、今月(10月)の2試合及び11月の1試合(予選前半)に限れば手遅れだけれど、それ以降(2017年3月以降の5試合の予選後半)に向けてならば、新生日本代表をつくりあげる時間はある。監督が新戦力として、広く人材を求める気があるのならば、という条件付きではあるが。

それ以外の条件としては、アジア予選を勝ち切る戦術を探求するという謙虚な姿勢を示すこと。換言すれば、対戦相手によって戦い方を変えること。日本はこれまで「自分たちのサッカー」をすれば勝てると妄信してきた。とりわけアジア相手ならば、自由自在に攻撃サッカーで勝ち切れると、自分たちの力を過信してきた。

ハリルホジッチは、速攻を旨として代表選手を選考してきたのだが、UAE戦、タイ戦では、その方針が戦い方に反映されていない。むしろ、そのことにより、日本が中盤でミスを多発し、相手に攻められる場面も散見した。つまり、ハリルの指針がマイナスに作用していた。

日本がアジア予選を勝ち抜くには、むしろボールポゼッションを高め、相手にボールを簡単に渡さない攻撃を選択するほうがいい。あるいは、相手DFの陣容次第では、サイドから高いボールを使って、(CFの頭に)合わせる攻撃があってもいい。

戦術の幅を広げて、選手選考を見直せば、停滞した現状を打開できる。ハリルホジッチの選手選考基準は、速い攻撃ができる出場機会のない「海外組」と、彼らより実力が劣る「国内組」の混成部隊という構成に限定されてしまった。その結果、同タイプの選手ばかりが招集され、攻撃が単純で相手に読まれがちであった。戦術転換を伴わない、海外組か国内組かという不毛な択一は、現状を打開しない。

アジアで勝つには、高いCFの存在が重要なのである。かつ、それにむけて、海外で試合に出場していながら、代表に招集されない選手に目を向ける必要も出てくる。

これまでハリルホジッチは海外視察と称して、しばしば日本を離れているのだが、結果として、彼の視察は結果に反映されていない。TVの仕事を兼ねたり、バカンスを楽しんでいたりではなかったのか。そんな視点からしても、今月の2試合を最後にハリルホジッチの監督更迭は必至だろう。

2016年10月5日水曜日

スロベニア、クロアチア、モンテネグロ、ボスニアヘルツェゴビナ旅行

9月21日から30日まで、旧ユーゴスラビア4か国を観光してきた。

4か国といっても、モンテネグロ、ボスニアは小国中の小国。

バスで2~3時間走れば検問所にたどりつく。

日本人に対する検問は緩いから、国境を越える時間はそんなにかからない。

率直な感想として、いいところ。

自然豊かで、街も清潔。

しかも、カトリック、正教会、ユダヤ教、イスラム教が混在していて、

それぞれの地域性が街並みなどに反映されている。

ヨーロッパ、スラブ、トルコあたりをまわってきた感がある。

ブレット湖(スロベニア)

ポストイナ鍾乳洞(スロベニア)

プリトヴィツェ湖群国立公園(クロアチア)

トロギール(クロアチア)
ドゥブロヴニク(クロアチア)

コトル(モンテネグロ)

首都サラエボ・バシャルシア地区(ボスニアヘルツェゴビナ)

2016年9月20日火曜日

変貌する谷根千

ここのところ谷根千の飲食店において、移転、閉店等の動きが目立っている。

慣れ親しんだ通りの風景が変わり、馴染みの店がなくなっていくのは淋しい限り。

なくなった店の後には新しい店が開店するのだろうが、谷根千にふさわしくない業種だとがっかり。

財産を失ったような気分になる。

この写真と本文は関係ありません。



2016年9月10日土曜日

猫は箱が好き

宅配便を開けて中の荷物をとりだして放置しておくと、

猫が必ず中に入っている。

うずくまって様子を窺っている。

隠れたつもりなのかな。