2016年2月25日木曜日

西日暮里の異界

谷根千の隣り、西日暮里の山手線内側には神社や寺が散在していて、

谷中の風情の延長線上にある。





2016年2月19日金曜日

丸山発言は米国隷属と国粋主義が同居する「新保守主義」の不満の噴出

自民党の丸山和也法務部会長は17日参議院憲法審査会でオバマ大統領を引き合いに出し、「今、米国は黒人が大統領になっている。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ」などと人種差別的な発言をした上で、発想の転換を求めるたとえ話として「日本が米国の51番目の州になれば、『日本州』出身者が大統領になる可能性が出てくる」などと話した。これらの発言は審査会の席上「暴言だ」と指摘され、丸山議員は国会内で緊急会見、発言を撤回した。

丸山発言は既に語られてきた俗論

あきれた話である。だが、このような言説は丸山のオリジナルではない。「奴隷云々」はオバマが大統領になる前後から、アメリカでは古典的人種差別主義者の間で語られていた。アメリカにはいまなお、KKKに代表される白人至上主義者、アーリア人至上主義者が存在する。オバマは彼らに暗殺されるのではないかという噂が絶えなかった。

「日本がアメリカの51番目の州」という言説もかなり前から世界中で語られていたもの。戦後、日本は米国の外交方針に盲目的に追従し続けてきた結果、自主外交を主張する勢力からこのように、揶揄されてきた。

この二つの言説は、まったく結びつかない「与太話」にすぎないのだが、なぜか丸山はこれらを強引に結びつけ、「未来は予測できない」という結論に結びつけた。むろん、この二つは「未来は不確定」という自明の論理を証明する事例としてはまるでそぐわない。にもかかわらず、憲法審査会という公式の場で丸山が発言した裏側には(推測するに)、彼がかねてより、この二つの言説を気に入っていた可能性がある。どこかで引用して持論の一部として展開したいと。それが、なんと憲法審査会の場だったというわけだ。

安倍政権=新保守主義が抱える二律背反

丸山の心理状態は巷間説明されるように、現在の安倍政権及びそれを支持する新保守主義者の倒錯したそれに対応する。本来の保守の神髄は、「日本会議」に代表されるような国粋主義。だから、米国に代表される外国勢力の存在を認めたくない。そのことは人種差別、排外主義となって表出する。ヘイトスピーチがまさしくそれだ。丸山の場合は、その矛先が米国のアフリカ系大統領=奴隷という表現で表出されたわけだ。

もう一つ、保守主義を突き詰めれば、日本の自主独立、米国隷属からの脱却がテーマとなる。保守の理想は、明治維新(1868)からアジア太平洋戦争敗戦(1945)までの日本。第一次大戦で疲弊した欧州列強に代わって日本帝国主義が世界をリードしたかのように見える時代である。その脈絡から、憲法改正(自主憲法制定)、日米安保破棄(米軍の撤退、米軍基地の奪還)、原爆保有…の道筋が描かれる。

ところが、現政権に限らず日本の政権はすべからく、米国に隷属することで政権維持が担保される。それゆえ、日本の保守は米国隷属となる。そのことが「米国の51番目の州」発言の裏側にある。

1945年以降の日本は、国土内の米軍基地の自由使用が容認され、原爆保有は認めないが原発建設及び原発(再)稼働が推進され、米軍が危なくなったら自衛隊は集団的自衛権行使に基づいて助けに来いよ、となってしまう。米国の容認する範囲、米国の国益に叶う範囲における日本の軍事大国化であり、米国のための自衛隊強化である。

丸山発言は米国隷属と国粋主義が同居する「新保守」の不満の噴出

米国隷属と国粋主義の二律背反状態が、新保守の現政権及び現政権支持者の不満であり、丸山はその心情を図らずも荒唐無稽な発言で吐露してしまったのではないか。

丸山は倒錯的で非常識だが正直である。矛盾に耐えられず、抱え込んだ不満を〈人種差別〉と〈対米隷属〉という二つの発射台から世間に噴射させてしまったのではないか。その非論理性こそが、日本における新保守主義の現実を示している。安倍政権の矛盾は新保守主義の矛盾であり、属米的・国粋(排外)主義という矛盾である。

〈国粋〉のベクトルは自主憲法制定、全体主義、治安維持法の復活、基本的人権の制限、言論弾圧へと向かい、加えて〈排外主義〉となって、嫌韓、嫌中、嫌アジア…へと先鋭化する。一方の〈属米〉は日米行政協定の固定化、原発再稼働及び原発建設推進、米軍による米軍基地永年自由使用、集団的自衛権行使容認、自衛隊海外派兵、米軍の援軍として武力行使…へと米国主導で拡大する。この道が亡国へのそれでなくてなんであろうか。

2016年2月18日木曜日

Lotus Scented Tea

春節で故郷ベトナムに帰省していたダーさんから蓮のお茶をお土産にいただいた。


2016年2月17日水曜日

汚れた紳士たち――読売巨人軍と反社勢力

日本プロ野球(NPB)はだいじょうぶなのか――素朴な疑問がわきあがってくる。2016シーズン開幕前のキャンプイン直後、元読売巨人軍の清原が覚せい剤関連で逮捕され、いまもって(2月17日)、テレビの情報番組は関連報道を続けている。なかで驚きは、同じく元読売巨人軍投手が現役時代、清原に覚せい剤を調達したという意味の暴露発言を繰り返していること。清原は読売巨人軍在籍中から覚せい剤を使用していた可能性が高い。

読売球団、賭博、覚せい剤と相次ぐ不祥事

読売といえば、昨年、賭博事件で現役3選手が契約解除されている。賭博の裏側には、野球賭博と八百長画策の魔の手が迫っていたとも推測できる。読売巨人軍は、覚せい剤、賭博で在籍5選手が関与していたことになる。読売巨人といえば球界ナンバーワンの人気チーム、このチームのモットーは「巨人軍選手は紳士たれ」というものらしい。ずいぶんと汚れた紳士が多い、あきれた話だ。

清原が読売在籍中に覚せい剤常用なら読売球団にも責任あり

読売球団は、在籍中の清原についてなんらかのコメントを発すべきだが、いまのところダンマリ。メディアも同業者読売(球団)への取材は憚れると見え、コメントを要求する気配はない。清原が読売に在籍した時代の監督・コーチ・スタッフ・選手も前出の元投手を除いて、発言していない。

NPBはメディアにとってドル箱のコンテンツ。なかでも読売巨人軍は人気ナンバーワン、下手に読売球団を取材して出禁になれば、(情報が入手できず)痛手となるのか。それとも、大事なコンテンツを守ることが自社利益に直結するのか――ほかにもいろいろと理由があるのだろう。読売の選手管理の在り方を問うメディアは、いま(2月17日現在)のところ皆無だ。

企業の社員の不祥事にはトップがなんらかのコメントをするのが習わしになっている。読売球団在籍中に清原が覚せい剤を常用していたのならば、当然、読売のトップが説明をすべきだし、そのことが事実と判明しなくとも、なんらかのコメントを出すべきだ。退団した選手の逮捕にいちいちコメントしてられないというのがメディア業界である読売の姿勢なのか。他社の不祥事には総動員態勢で突っ込むが、自社の関連企業の不祥事にはダンマリを決め込むのが読売新聞社の企業姿勢なのか。

読売球団と反社勢力との関係は?

というわけで、賭博事件に続いて読売巨人軍時代の清原の覚せい剤常用疑惑も疑惑のままで終わりそう。読売のスキャンダルは大事にならない、だから不祥事が避けられない。

読売が清原在籍時代についてコメントしないのならば、読売は闇社会との関係を断ち切れない、読売と反社勢力の関係は密接なのだ――と、推測されても読売は反論できない。読売はここらですべての膿を出すべきなのだ。

獺祭とちらし寿司

IMさんにいただいた獺祭と家内のちらし寿司





2016年2月14日日曜日

St.Valentine's Day

ヴァレンタインデーに猫のチョコをいただいた。

可愛いね。



2016年2月11日木曜日

最近の猫たち(2月)

まだまだ寒い日が続いている今日この頃、猫たちは筆者のベッドの上が大好き。


仲が良かったり、喧嘩したり・・・


2016年2月10日水曜日

テレビのギャラが清原の覚せい剤代金に消えた

逮捕前の清原の動向がようやく明らかに

元プロ野球選手で、テレビ等のエンタメ業界で活躍していた清原和博が覚せい剤関連で逮捕されたのが2月2日。1週間経過したここにきてようやく、逮捕前の清原の動向が報道されるようになってきた。それらを大雑把に要約すれば、「逮捕は当然」「遅きに失した」「周囲の者は気づいていた」…といったところか。なかには、プロ野球の現役時代に清原に覚せい剤を渡した、と証言する元読売巨人軍選手まで現れた。元読売巨人軍選手が賭博に次いで覚せい剤である。読売(巨人軍)とその筋との関係は浅からぬものがあるようだ。

逮捕直前までテレビに出ていた清原

ウエブサイトの「goo」によると、清原が今年になって逮捕前にTV出演したのは、「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ)/2016年 2月 4日(木) 21:00~21:54、「S☆1(エスワン)」(TBS)/2016年 2月 8日(月) 0:00~ 0:50ほか数本あった。

これらの番組は生中継及びそう遠くない過去に収録されたもの。つまり、テレビ局は清原逮捕直前まで、彼をタレントとして起用していた。それら番組担当者は清原と面識があった。2015年以前に遡れば、清原は数え切れないほどのTV番組に出演している。このことから、清原とTV局関係者の接触はほぼ日常的にあった。換言すれば両者は同業者仲間、個人的付き合いがあったことは間違いない。

逮捕前の清原の様子を伝えるテレビ関係者は絶無

覚せい剤常用者に会ったからといって、その正体がわかるとは限らない(かもしれない)。清原はTV出演前には服用を済ましており、禁断症状を出すことはなかった(だろう)。だから清原の行動に不信を抱かなかった、という弁解が成り立たないわけではない。しかしながら、その噂が出たのが2年前。それ以降に奇行が続いたという報道が多い。最近、様子がおかしかったという関係者の発言も頻繁に出てきている。入手先については北関東とのことで、そこに週一回程度、車を飛ばしていたこともわかってきた。周囲の者、なかんずく、テレビ業界人は清原のこうした動向に気づかなかったのだろうか。

テレビのギャラは覚せい剤購入代金に消えた

繰り返すが、筆者が理解できないのは、テレビ局がなぜ、清原を逮捕直前まで起用し続けていたのか、ということ。TV局は清原の悪い噂についてはまったく無頓着で、レギュラーに起用していた番組もあった。単純にいえば、TV局が支払った清原へのギャラが、覚せい剤代金にまわったわけで、TV局は、覚せい剤供給者を、清原を媒介にして間接的に潤わせていたことになる。テレビ局は清原との関係について、きちんと説明すべきだ。

2016年2月5日金曜日

テレビ、「清原覚せい剤報道」のくだらなさ

清原逮捕は「甘利隠し」?

元プロ野球選手、清原和博が覚せい剤取締法違反の疑いで現行犯逮捕された。清原が覚せい剤をやっているという週刊誌報道があってから2年余り。この報道に特に驚きはなかった。というよりも、なんでいまごろ?という疑義すら生じた。「甘利隠し」「TPP隠し」「株価下落隠し」…政権にとって都合の悪い事象は、芸能ネタや民間企業の不正報道で民意をそらすのが現政権の常套手段。今回もその一環ではないかと。確かにその疑いは拭えない。株価下落で安倍政権が声高に叫ぶアベノミックスも風前の灯火、マイナス金利導入も効果なし。そこで民意をそらすため、手持ちのカードであるとっておきの一枚を当局にきらせたと。そのような推測はじゅうぶんすぎるくらい説得力をもっている。もしかしたらそうかもしれない。

「清原逮捕」はそれでも大事件

それはそれとして、それでも、清原逮捕は「大事件」だ。甲子園の大スター、日本プロ野球における輝かしい実績、「涙のドラフト事件」という物語性、独特の存在感、濃いキャラクター等々、プロ野球を引退したいまでも、彼は逮捕前まで、テレビというエンタメ業界のスターであり続けていた。その実績を遺産として、彼はエンタメ業界でじゅうぶん活躍できた。プロ野球業界に復帰すれば、解説者、コーチ、監督、リポーター・・・なんでもできた(はず)。凡人からすれば、なんとももったいない、あれだけの才能があり、いい仕事を成し遂げながら、晩節をこうまで汚さなければならなかったのか――理解に苦しむばかりだ。

手持ちの映像でお茶を濁すテレビ

であるがゆえに、テレビの清原覚せい剤報道は情けない。テレビ局にしてみれば、清原の映像はいくらでもある。清原を知るプロ野球業界人(元選手、監督、コーチ…)はいくらでもいる。だから、本件のテレビ報道は、清原の現役時代の映像(ホームランを打った場面等、涙のドラフト…)や、彼の同僚、友人(桑田真澄、佐々木主浩…)、OB(王貞治…)のコメントばかり。しかも、それがどの局でも使われていて、まるで代わり映えしない。テレビ局とはまったく情けない存在というほかない。

逮捕前まで一緒に仕事をしていたテレビ局の人間は清原をどう見ていたのか?

前出のとおり、元プロ野球かつ現エンタメ業界の大スターである清原和博が、なぜ、覚せい剤におぼれたのか、そこが最大のポイントだ。清原を“知る人”にコメントをもらうのならば、“かつての”ではなく“いま”の清原を知る人でなければ意味がない。その人とは、清原と現に親交があり、彼がどのような生活をしていたかを知る人ということだ。

彼が最近まで飲みに行っていた飲食・接客業者、ゴルフ仲間、飲み仲間、仕事仲間…なんでもいい。彼の周辺の者がどのように清原を見ていたのかが明らかになれば、清原がなぜ覚せい剤なのか――という疑問の一端を知ることができる。知名度が抜群で豊富な資金力、多数の人材を擁したテレビ局ならば、それくらいの取材は朝飯前のはずだ。

仕事仲間といえば、当然、テレビ局の人間も入る。逮捕前まで清原と仕事をしていたテレビ局の人間は、清原の動向をどう見ていたのか。

エンタメ業界における危険薬物使用者一覧

芸能業界、プロスポーツ業界における危険薬物等に係る犯罪は少ないとはいえない。ウエブサイトの『NEVERまとめ』によると、覚せい剤関連の主な逮捕者は、高部あい(2015)、ASKA(14)、酒井法子(09)、槇原敬之(1999)、清水健太郎(83、86、94、04、10)、小向美奈子(09)、岩城滉一(97)、中村耕一元・J-WALK(97、10)、赤坂晃光・GENJI(07、09)、大森隆志元・サザンオールスターズ(06)、加勢大周(08)、西川隆宏・元DREAMS COME TRUE(02)、尾崎豊(87)、江夏豊(93)、ミッキー吉野・ゴダイゴ(92)、田代まさし(00、01、04、10)、野村貴仁・元巨人ほか(06)。

同じく大麻では、内田裕也(77)、萩原健一(83)、桑名正博(77、81)、長淵剛(95)、美川憲一(77、84)、錦野旦(77)、カルーセル真紀(01)、井上陽水(77)、研ナオコ(77)、といった具合だ。
※(  )内は逮捕された年

大麻から覚せい剤へ

概ね1970~80年代が「大麻の時代」、そして90年代から2000年代以降は「覚せい剤の時代」といえる。覚せい剤において、再犯率が高くなることもわかる。大麻に比べて依存性が高く危険な覚せい剤の使用が増加しているということは、いかにも不気味。この傾向はおそらく、社会全体の傾向に敷衍できるのではないか。

当然のことながら、清原逮捕事件からテレビ局が取材、報道すべき展開は、エンタメ業界のスターたちが危険薬物に手を染める要因を明らかにすることだ。その入手先、人脈、売人との接触場所などを取材しなければいけない。テレビ局ほどの情報収集力ならば、逮捕から数時間も要することなくその現場に到達できるだろう。しかも、エンタメ業のテレビ局は、前出の逮捕された芸能人、元プロスポーツ選手と同じ業界人。いわば同業仲間同士なのだから、その生態に詳しいはずだ。

テレビは清原、清原と騒ぐだけ

なぜテレビは、芸能人等の麻薬関連の事件において、浅い報道しかしないのだろうか。だれもが疑問に思う部分に手を付けないのだろうか。テレビが覚せい剤を止められとはいわない。そんな期待はしない。けれど、犯罪を報道するのならば、社会性をもたなければいけない。騒ぐだけなら、バ○でもできる。テレビ局に知性はないのか。