2011年11月28日月曜日

晩秋



11月の末だというのに毎日、だらだらと暖かい日が続いている。

紅葉も、イチョウの葉以外は色づかない。

2011年11月18日金曜日

「巨人軍」崩壊こそが日本プロ野球近代化の一里塚

読売ジャイアンツの清武英利球団代表兼ゼネラルマネジャー(GM=61)が、渡辺恒雄球団会長(85)を「コンプライアンス(法令順守)違反」「球団を私物化」と会見して批判した。その後、渡辺会長が、反論する談話を発表。さらに清武代表兼GMが再反論を発表し、両者泥仕合の様相を呈している。ところが、日本シリーズ開幕中の騒動ということで、当事者の読売に非難が集中しはじめ、清武GM、渡辺会長の双方が自制、本件は一時沈静化したものの、11月18日、読売球団が清武GMの解任を発表し、騒動が再燃しようとしている。

◎清武GMの渡辺会長批判はピント外れ

筆者は菅野ドラフト指名問題について「コンプライアンス違反」という観点から読売及び東海大学野球部(原貢顧問)を批判してきた。ちょうどそのとき、読売内部から、コンプライアンス違反の告発が出てきたことに驚きを覚えた。

泥仕合の外形は、成功体験にしがみつく老いたトップ(渡辺会長)と、それに反発する頭でっかちの若手管理職との対立のようにみえる。これまで、読売グループ内部には、頑迷で権力をもった老トップを諌めるような気骨ある者は皆無だったのだが、ちょっと経営学をかじった次世代管理職が蛮勇をふるって、老トップに反旗を翻したのか。告発の大義は、いま世間がもっとも関心を寄せる「コンプライアンス(法令順守)」という言葉。「コンプライアンス違反」だと主張すれば、老いぼれトップを蹴落とせる、そうすれば、巨人球団の、次は読売新聞の・・・トップに、と、思ったかどうかはわからない。

しかし、清武GM側が主張するところの渡辺会長の「コンプライアンス違反」という指摘は見当違い。記者会見を開いて告発するに値しない。本件は、評論家諸氏が指摘するように、読売内部のガバナンス(企業統治力)の崩壊であって、司法や第三者委員会等が介入するようなコンプライアンス違反の問題ではない。

それでも、清武GMの記者会見は、一点突破全面展開の決意が滲み出ていた。笑えるのは、前出のとおり、その大義がピント外れのこと。さはさりながら、筆者は本件について、読売ジャイアンツの崩壊を象徴する出来事と解釈し、日本プロ野球の改革の端緒だという意味で、清武GMによる自爆的渡辺会長批判を支持したい。

◎新聞、テレビを武器に権力を乱用するナベツネ(渡辺恒雄)
 
報道にあるとおり、告発された渡辺会長は、読売巨人軍の球団の会長だが、球団の代表権はない。しかし、球団の親会社・読売新聞社の社主、すなわち、読売グループの事実上のトップである。子会社である球団代表にすぎない清武GMとは格が違う。読売新聞といえば、創業者正力松太郎が戦後、米国CIAのエージェントを務めていたことがよく知られている。今日でも、読売新聞の論調は、米国の利益を誘導するものと理解されている。

米国CIAの後ろ盾がなくとも、同紙は日本最大の発行部数を誇り、そのうえ、テレビ局もその傘下においている巨大メディア。そんな第4の権力に好んで敵対しようと思う者は少ない。そのため、そのトップ・渡辺会長は、日本の政治家等に強い影響力をもっているといわれている。しかも、彼はプロ野球に関心が強く、これまで、日本プロ野球に強い影響力を行使してきた。圧倒的な巨人軍人気を背景としてセリーグ5球団は、事実上、渡辺の支配下にあった。パリーグには直接影響力は及ばないものの、前出のとおり、全国紙及びTVキー局を有する巨大メディア業の読売を好んで敵に回す者はいない。メディア業界のライバルである朝日新聞、毎日新聞は読売に対して一見辛口の批評をするものの、同業者を叩かないという日本の業界常識に則り、読売に対して本質的批判を加えてこなかった。朝日・毎日等に限らず、マスメディアを本質的に批判する者は、この日本国には存在しない。

◎巨人軍は読売新聞の拡販手段

渡辺会長が構想するプロ野球ビジネスは、日本プロ野球の生みの親・正力松太郎がつくりあげたビジネスモデルを引き継ぐもの。その正体は、新聞の拡販の道具としてプロ野球を利用することだった。正力がつくりあげた日本のプロ野球とは、球界の盟主として強い巨人軍を君臨させ、巨人軍が勝ち続けることで全国に巨人ファンを量産することだった。常勝巨人軍が巨人ファンを増大させ、その挙句、読売新聞及び報知新聞の販売拡大が成就する。一昔前まで、読売新聞の定期購読契約の切り札は、入手困難といわれる巨人戦チケットだったことはよく知られている。さらに、テレビの普及とともに、放映権ビジネスが巨額の富を読売グループにもたらした。巨人軍を除くセリーグ5球団は、巨人人気を高める付属物にすぎない。野球は相手がなければ成立しない娯楽だから。

渡辺会長ほど、日本プロ野球を愛する者はいない――と称賛されることがある。だが、渡辺が愛したのは、巨人一極集中という、正力がつくりあげた歪んだプロ野球にすぎない。その証拠に、日本プロ野球において、渡辺は巨人弱体化に直結する制度・ルールには終始反対の姿勢を貫いた。その代表がドラフト制度で、その事例として、「空白の一日・江川事件」を挙げれば十分だろう。江川問題で世間の顰蹙を買った読売はその後、自由枠制度の創設などでドラフト制度に反発を続けた。自由枠制度も批判にさらされると、談合に近い逆指名=単独指名により、何人もの優秀なアマチュア選手を巨人に入団させてきた。それが揺らいだのが、今年のドラフトにおける日ハムによる菅野指名だった。そういう意味で、日本プロ野球――読売巨人軍一極集中の日本プロ野球界にコンプライアンスはない。このたびの清武GMの渡辺会長批判=「清武の乱」が、読売主導の日本プロ野球界全体を「コンプライアンス違反」として告発したのならば、それは意義ある志高い行動だと評価できるのだが、今回はそれとかけ離れた読売内部のコーチ人事に係る告発だったことが残念である。

◎「清武の乱」を日本プロ野球近代化の第一歩に

「清武の乱」について、評価できる点を挙げておこう。その第一は、GM制度とは何かの問題提起である。清武GMが本来のGM業務を全うしていたかどうかは別として、会長がチーム人事を直接行うのであれば、GM職は不要である。だから、巨人球団の代表権をもたない会長職にある渡辺は、巨人球団の取締役会等を開催し、清武のGM業務の評価を行うことが先決だった。その場において、巨人軍の2011年シーズンを検証し、清武をGM職にとどめ置くのか否かを決定し、GM職を継続させるのであれば、①清武の2012シーズンの構想の提出をまち、それを承認するかどうかを機関決定する方向、②清武に2012シーズンを一任する方向――の択一を機関決定すべきだった。

筆者の想像では、渡辺にはいずれの選択肢も思い浮かぶはずもなく、“俺が決める”として、「岡崎ヘッドコーチ解任」「江川助監督」を清武GM抜きで決めてしまったのだと思う。このような独断専行は職権乱用にあたる。一般の企業であれば、職務規程、業務規程、役員業務規程等に違反するケースとなろう。そのレベルにおいて清武が渡辺の蛮行を、「コンプライアンス違反」と告発したのならば、間違ってはいないが、文科省の会議室を使って、同業者が日本シリーズを戦っているタイミングに、記者を集めて、告発するような内容ではない。

読売巨人球団が代表権をもつ者をGM職に任命したのならば、その業務内容を規定し、清武がその業務を全うできなかったと判断したのならば、清武の上司にあたる桃井球団オーナーが清武を解任するか、もしくは、清武に対して2012シーズンの業績アップを約束させて、GM職を続けさせる以外、選択の余地はない。清武をGM職に留めたまま、その権限を剥奪し、規定した業務をさせないのであれば、いわゆる、「飼い殺し」という処遇に該当する。そもそも、巨人球団にGMの職務を規定したものがあるのかどうか。メジャーリーグ球団の外形を模しただけではないのか。

◎巨人球団の崩壊こそ、日本プロ野球近代化の近道

GM職のあり方を検討しあうことは、日本プロ野球球団にとって有益なことであることはまちがいない。だが、日本プロ野球近代化を短期間に達成するには、読売巨人球団が内部崩壊し、世の中に残存する読売巨人軍幻想が消滅することのほうが効果的である。正力松太郎がつくった巨人軍一極集中の歪んだ日本プロ野球の姿を正常化するには、人々がなによりも、プロ野球を志すアマチュア選手諸君が巨人球団内部の非近代性に気づき、そこを最高位だと思わないことが重要だ。続いて、現役プロ野球選手がFA権を取得したとき、第一の選択肢として、巨人球団を目指さないことだ。もちろん、巨人に入団したいという選手がいてもいい。巨人はあくまでも12分の1であり、相対的な対象であることが重要だと思う。

ドラフト制度創設以来、巨人からの指名でなかったため、大学に進学したり、ノンプロ野球球団に入団したり、浪人したりしたアマチュア選手が何人もいた。そういう事例が少なからず発生していたということは、スポーツ界にあってはならない不幸な出来事だと筆者は思う。筆者はそのような事例の根絶を願う。才能ある若いアマチュア選手には、プロ球団に一日も早く入団してもらいたい。そこで才能を磨き、高いパフォーマンスをできるだけ多くの野球ファンに見せて楽しませてほしい。田中(楽天)、ダルビッシュ(日ハム)、斉藤祐(日ハム)といった若手投手は、巨人の所属するセリーグではなく、パリーグで活躍し、多くのファンの強い支持を得ているではないか。彼らは「巨人軍幻想」をもたず、ドラフト制度の趣旨を理解し、日本プロ野球全体の健全な発展のためにドラフト制度を遵守し、プロとして精進・努力し、野球ファンを魅了している。

パリーグの若手3投手の潔さに比べて、2011シーズン、巨人で活躍した3選手――単独指名で入団した沢村(2011新人王候補)、他球団からの指名を拒否して逃げ回った長野(同セリーグ首位打者)、同じく自由枠で入団した内海(同最多勝)には薄汚さがついてまわる。読売の3選手は、プロ野球のスタート時点でスポーツマンシップを汚してしまった。彼らには、ルール遵守やフェアプレー精神という言葉が似合わない。エゴイズムしかない。だが、もちろん、彼らに罪はない。彼らも、巨人幻想という読売がつくりだした犯罪の犠牲者なのだから。

2011年11月13日日曜日

Nico、回復


元気がなかったNicoが回復した。

元気がなくなった原因は明らかではないが、家人の知人が拙宅にとまりにきていたこととも考えられる。

その間、Nicoは食欲がなくなり活動が鈍っていたのだが、元気になったのが知人がいなくなったときと一致する。

猫もそれなりに気を使っていたのかもしれない。

2011年11月9日水曜日

食欲なし、元気なし


大食だったNicoに食欲がない。しかも、元気がなく、動きが鈍い。

家人が常食にしていた餌を替えたからかもしれないし、何かの病気かもしれない。

心配である。

2011年11月7日月曜日

マイクロ一眼、試写




コンデジよりもグレードが上で、軽いというマイクロ一眼を購入。
試写に及んだ。

とりあえず、AUTO で・・・不忍池(上野公園)

2011年11月6日日曜日

菅野よ、正義か利権か

5日、セパ両リーグのCSファイナルシリーズを見比べた。パリーグはソフトバンクが西武を退け、日本シリーズ進出を決めた。この試合は、杉内(ソフトバンク)、涌井(西武)の両エースの力投が光った。結果はソフトバンクの勝利で終わったけれど、両エースがそれぞれ一球の投げ間違いで失点をくらい、ともに涙して降板する劇的な展開をみせた。一方のセリーグは、中日が先制し、そのまま盛り上がりもなく中日の楽勝で終わった。

たった1試合でリーグの実力差を云々できないけれど、リーグを象徴する試合内容だったと筆者は解釈している。この試合で力投した杉内、涌井に加えて、ダルビッシュ(日ハム)、田中(楽天)、 ホールトン (ソフトバンク)、 和田(同)、攝津(同)、ケッペル(日ハム)、唐川(ロッテ)らの実力派先発投手をそろえるパリーグ。一方のセリーグにはパリーグほどの投手は見当たらない。明らかにパリーグの投手陣のほうがセリーグを上回っている。

さて、報道によると、日本ハムからドラフト1位指名を受け、決断が注目される東海大・菅野智之投手(22)に、来年のドラフトで読売入りするため、東海大大学院進学という“抜け道説”が浮上しているという。

ある夕刊紙は、菅野の「決断」の「方向性」について以下のように報じている。

※(東海大学大学院進学という)ウルトラCなどと呼ばれる方法で巨人入りしても、ろくな結果にはならない。邪道はファンの反感を買うだけ。過去に実例がある。空白の1日事件の江川卓氏と、密約説の桑田真澄氏の例を見れば一目瞭然だ。
江川氏は法大卒業後、一浪したあげくドラフトの空白の一日を突いて巨人と電撃契約。球界を揺るがす大事件に発展し、最終的に小林繁氏(故人)との前代未聞の交換トレードが行われた。
桑田氏の場合は、ドラフト前にプロ入りを拒否して早大進学宣言。しかし、実際は巨人の単独1位指名で入団した。
この2人が入団時のダーティーイメージをぬぐうのに、どれだけ苦労したことか。菅野が伯父の巨人・原辰徳監督(53)と「一緒にプレーしたい」という夢を実現するため日本ハム入りを拒否するのは問題ない。ただ、大学院進学という小手先で来年のドラフトを待つのは、江川氏や桑田氏と同列の邪道だろう。

巨人には“正道”を歩んだいいお手本がいる。昨季新人王、2年目の今季は首位打者になった長野久義外野手(26)だ。日大卒業時に「巨人以外には行きません」と宣言。今回の菅野と同様に、日本ハムが敢然と指名したが、初志貫徹の長野は社会人野球のホンダ入りした。2年後に今度はロッテが指名したものの、再び入団拒否。3度目の正直で巨人の単独1位指名を受けた。
菅野も巨人入りに固執するならば、長野のように堂々と社会人野球入りすべき。大学球界よりワンランク上の世界で2年間実力を磨き、再チャンスを待てばいい。

大学院進学は、あいさつなしの電撃指名に激怒した祖父・原貢氏(76)=東海大系列校野球部顧問=の発案ともいわれる。かわいい孫のため、1年でも早く希望をかなえる苦肉の策なのだろう。ルール違反ではないし心情的にも分かるが、野球人としては感心しない対応策だ。
息子の原監督同様、孫も爽やかなイメージのスターに育てたいなら、抜け道のイメージがついて回る方法はタブー。日本ハムを拒否し、次のチャンスを待つ決断をするのなら、社会人野球をアドバイスしてはどうか。

一昨年の長野、昨年の澤村拓一投手(23)に続き、今年も菅野を一本釣りしようとした巨人に立ちはだかった日本ハムに対し、世論は「よくぞやってくれた。ドラフトを守った」と拍手喝采した。それが世論なのだから。(夕刊フジ編集委員・江尻良文)

この夕刊紙は、菅野が読売に入団することが前提であり、日ハムのドラフト1位指名は、前提を覆す異常行動だと断言しているに等しい。先の当コラムで書いたけれど、「プロ野球志望届」を提出した学生選手は、ドラフト会議においてあらゆる球団から指名される可能性を承知しているものと判断できる。全球団に指名の権利があることは、ドラフト制度が保証している。

また、先にも書いた通り、ドラフト会議で指名する前に、プロ球団は学生選手と交渉することは禁止されている。このことは学生野球連盟が自ら規定していることだ。学生野球選手及び関係者が特定の球団と特別な関係をもつことも、同規定によって禁止されている。

ところが、夕刊紙の報道によると、東海大学野球部顧問の原貢なる人物が、堂々と、規定を遵守した日ハムを批判(激怒)し、かつ、自らが学生野球規定に反していることに恥じることがない。しかも、マスメディアがそのことで原貢を批判することもない。

そればかりではない。2度にわたってドラフト破りを敢行して読売に強行入団した長野について、「正道」と称賛する。これまで、日本のマスメディアは、コンプライアンスに違反した者をヒステリックに弾劾してきた。しかし、ドラフト制度を無視し、希望球団に入団するまで1位指名球団との交渉を拒否し続け、「単独指名」を獲得するようなドラフト破り選手を、「正道」と評価する。

菅野がアスリートとして、プロで野球をすることを希望するのならば(読売に入団することを希望するのではなく)、前出のとおり、涌井、田中、ダルビッシュ(はMLBへ移籍か)、杉内、和田(ソフトバンク)らの好投手がそろう実力のあるパリーグ(すなわち日ハム)に入り、彼らと力を競ってもらいたいものだ。

打撃部門においても、パリーグには、統一球導入の影響を受けずに48本の本塁打を放った 中村(西武)、25本の本塁打を放ち、攻守走の三拍子がそろった松田(ソフトバンク)、打率338で首位打者になった内川 (ソフトバンク)、319の 糸井(日ハム)、 312の後藤がいる。

一方のセリーグは、投手部門でパリーグのエース級投手ほどの印象を残した投手はいない。打撃部門では、本塁打トップは31本のバレンティン(ヤクルト)で、以下、ラミレス (読売)、 畠山(ヤクルト)と20本台にとどまっている。打率にいたっては、トップ長野(読売)が316の低率。以下、 マートン(阪神)311、宮本(ヤクルト)302、鳥谷(阪神)300と、3割打者が4人しかいない。

くりかえすが、菅野投手が真に野球選手として、自らの実力を磨きたいと思うのならば、いま現在においては、パリーグの日ハムに入団し、田中(楽天)を筆頭とするパの他球団の実力派エースクラスと勝負をしてもらいたい。

スポーツというものは不思議なもので、人間の力では左右できない流れがあると筆者は思っている。いま現在そしてここ数年は、セリーグよりもパリーグのほうに実力のある選手が集まっているし、野球の質が高い。菅野投手がセリーグの球団(=読売)ではなく、パリーグの球団(=日ハム)から1位指名を受けたのは、人知の及ばぬ流れに従ったものだと筆者は解釈している。運命というのならば、それでいい。野球の神様が、菅野に対して、実力のあるリーグに所属して、さらに自らの実力を磨きなさいと、命じたのだ。

そればかりではない。野球の神様は、日本のプロ野球に内在する、歪んだ「巨人人気」を糺すよう、菅野投手に託したようにも思える。有名選手の単独指名に走る読売、学生野球連盟の規定を守らず、不正を強いる学生野球(東海大学野球部)のボス、そして、ドラフト制度破壊(コンプライアンス無視)に沈黙するスポーツマスメディア――彼ら利権の亡者に鉄槌を加えられるのは、菅野自身の決断だけだ。

菅野がドラフト制度を遵守し、日ハムと交渉し入団すれば、野球界の正義が守られる。菅野が読売並びに読売と通じた、学生野球部の恥部及びマスメディアに屈してしまえば、日本プロ野球から正義が遠のく。菅野よ、どうする、正義か利権か。

2011年11月2日水曜日

規定を遵守した日ハムが批判されるいわれはない

今日のドラフト制度の問題点を整理するうえで見過ごせない規定を紹介する。「大学野球部員のプロ野球団との関係についての規定」(以下「プロ野球団との関係規定」と略記)だ。これは日本学生野球連盟が特別に定めたもので、大学野球選手(アマチュア側)がプロ野球球団との関係をより明確にすることを目的としている。ここにおける《関係》とは、プロ契約についてだと考えてさしつかえない。以下、重要な個所を引用する。

第1条 以下の各項に該当するものは、大学野球部員としての資格を失う。
従って、在学中に学校を代表するチームに加わって、試合をすることはできない。以下プロ野球団とは国内だ けではなく、外国のプロ野球団をも含む。

(1)当該年度のプロ野球新人選択会議(以下ドラフトという)で交渉権確定以前に、プロ野球団と正式に契約を結んだもの。

(2)ドラフト以前に、正式の契約でなくとも、書類により、本人もしくは代理人等がプロ野球団に入団の約束をしたもの。

(3)いかなる名目であっても、プロ野球団またはその関係者より直接、間接を問わず金品を受けたもの。親権者が受けた場合も含む。

(4)正式入団契約以前に、プロ野球団のコーチを受けたり、練習または試合に参加したもの。

(5)プロ野球志望届提出以前に、プロ野球団のテストを受けたもの。

(6)特定のプロ野球団に入団する旨を表示したもの。

第2条 当該年度、所属する大学野球連盟に登録された野球部員は、プロ野球志望届けを提出し、当該連盟の公式戦が終了するまでは、一切プロ野球団との交渉を持ってはならない。

第3条 野球部員は、プロ野球団との交渉を希望する場合、または入団テストを受けようとする場合は、それ以前に所属する大学野球連盟に、別に定める様式により「プロ野球志望届」を提出しなければならない。当該連盟は「プロ野球志望届」を受理後、受理月日を速やかに全日本大学野球連盟へ報告し、報告を受けた全日本大学野球連盟は、即日ホームページにその連盟名、学校名、氏名を掲載、届け出がなされたことを公示する。

(2)この「プロ野球志望届」は当該年度の、9月1日から10月13日までに各地区大学野球連盟に提出するこ ととする。ただし、日本野球機構傘下の球団以外のプロ野球団と入団交渉を受けたり、テストを受ける場合は、10月14日以降もプロ野球志望届を所属連盟に提出してからでなければならない。

(3)なお、野球部員が「プロ野球志望届」を提出したあと、プロ野球団と交渉したり、入団テストを受けることができるのは所属大学野球連盟に提出した翌日以降とする。但し当該連盟の公式戦が終了していない場合は公式戦が終了した翌日以降とする。

(注)プロ野球志望届を所属連盟に提出しない野球部員は、当該年度のドラフトでプロ野球団から指名を受けることはできない。

第4条 部長、監督、コーチ、野球部員は、学生野球の本義にてらし、特にプロ野球団との関係については、世間の疑惑を招くことのないように注意しなければならない。

第5条 (略)

ポイントを整理しておこう。

第1条第6項の規定は、学生選手からの、「逆指名」の禁止。
第2条の規定は、プロ野球球団との「事前交渉」の禁止。
第4条は、きわめて出来の悪い規定で曖昧。世間とは何か、疑惑とは何かが不明。であるが、この文言が間違っているわけではない。

このたびの東海大学菅野投手の場合、伯父にあたる原辰徳がプロ野球読売ジャイアンツの監督をしており、その監督の父親(菅野投手の祖父)原貢が東海大学野球部監督を務めた人物。貢は学生野球全体に強い影響力をもっているばかりか、読売と親しい関係を築いているといわれている。

というわけで、第4条の規定を素直に読めば、原ファミリーは東海大学公式野球部を基盤として、プロ野球球団の読売ジャイアンツと強い関係をすでに築いていることになる。すなわち、原ファミリーの存在自体が、プロ野球団との関係規定に違反している。

であるから、原貢を筆頭とする東海大学野球部関係者が、ドラフト会議で菅野投手を指名した日ハム球団に対し、「事前に(指名の)挨拶がない」と批判してはいけない。事前の挨拶は、プロ野球団との関係規定第2条に違反しているからだ。かりに、これまで、ドラフト会議前にプロ球団側が、学生選手、その親族、所属野球部監督・コーチ等関係者に「挨拶」をしていたとしたら、明らかにプロ野球団との関係規定に反する。ドラフト会議終了(厳密には学生野球の公式戦終了)まで、プロ野球球団側は、学生選手及びその関係者に接触してはいけないのだ。

菅野投手自身はどうなのか。伯父がプロ野球球団の監督であることは、仕方のないことで、どうしようもない。さはさりながら、プロ野球団との関係規定第4条をこれまた素直に読めば、“世間の疑惑を招くことのないように注意しなければならない”わけで、親族であればあるほど、親族のいる特定の球団と関係のあるような疑惑を招くことのないよう、菅野投手、そして周辺者は注意しなければいけないことになる。菅野投手の場合、管見の限り、自身が読売ジャイアンツに入団したいとか、監督である伯父のもとで野球がしたいと発言していない。このことは、プロ野球団との関係規定を遵守する、立派な態度だと評価できる。

問題の第一は、前出のとおり、原貢を筆頭とする東海大学野球部関係者なのだ。彼らは、前出のとおり「挨拶なしの日ハム批判」をしているくらいだから、プロ野球団との関係規定を無視し、ドラフト破りを画策しようとする張本人たちだと考えられる。彼らのような、有望な大学野球選手を利権とするを輩を排除することがドラフト制度遵守の第一歩となる。

問題の第二は、繰り返しになるが、スポーツマスコミの報道の在り方だ。ドラフト制度を遵守しようという気がスポーツマスコミにあるのならば、学生選手が特定のプロ球団と特定の関係が生じないよう、報道に配慮すべきだ。読売というプロ球団の監督を伯父に持つ学生選手は、それでなくとも、特定のプロ球団と関係があるかのように思われて不思議ではない。つまり、伯父~甥という自然の関係だけで、世間は疑惑をもってしまう。親族という関係であっても、規定は規定だ。親族ならば規定を外すというのは、法治国家ではない。「アラブの春」で打倒された独裁政権は、国家が生み出す利権をファミリーで分け合っていた。そのことが国民の怒りを買ったといわれている。親族優遇は、民主主義破壊の一歩なのだ。

法制度(ドラフト会議)を円滑に運営するには、親族、学閥、男女差、出身地・・・等による例外をつくらないことだ。だから、菅野投手の場合、読売との関係を強調するような報道は控えるべきだった。「親族」が報道されればされるほど、菅野投手は苦しい立場に追い込まれる。菅野投手には、プロ野球団との関係規定第2条が重くのしかかっていたと推察する。

読売側には、スポーツマスコミを介して、親族であるがゆえに「単独指名」が許容されるかのような誘導を行った気配がうかがえる。規定よりも親族であることのほうが優先されるという独善であり、民主主義破壊の第一歩だ。読売というマスメディア業界の一員が率先して、法制度(規定)を無視し、さらに、ほぼすべてのマスメディア業界がそれに追随した。これが日本のメディアの現在の荒廃した風景だ。

前出のとおり、菅野投手周辺が、指名した日ハムに対して、「事前挨拶がない」と批判したという報道が繰り返された。だが、日ハムのほうが規定を遵守し、ドラフト会議前に菅野投手側と接触しなかっただけの話だ。だから、「挨拶云々」は指名を拒否する条件にならないばかりか、かりに読売が「挨拶」を行っていたとしたら、それこそがプロ野球団との関係規定に違反する。そのことについて、スポーツメディアは指摘しようとはしない。

ドラフト会議会場において、日ハム菅野指名に大きな拍手がわきおこり、さらに読売がくじを外したとき、さらに大きな拍手と歓声がわいたという。筆者は、このことを、日ハムのコンプライアンス遵守に対する人々の支持のあらわれだと解釈する。

2011年11月1日火曜日

体重が増えない

きょうから11月。猫の体重測定を行った。

Zazieが2.2キロで前月からの増減がない。

NIcoは3.9キロで前月から0.5キロの微増である。

Nicoの微増はいいとしても、Zazieの体重が増えていないのは心配。