2016年4月12日火曜日

東京・下町の異界、立石へ

立石――日々更新される超巨大都市・東京にあって、ここだけは時の流れに取り残されたのではないだろうか。

時代遅れの用品が陳列された衣料品店、崩れ落ちそうな木造の小さな居酒屋・・・が、錆びたトタンで塞がれたアーケードの内側にひしめく。

都市再開発、区画整理、超高層があたりまえの東京と、あまりにもかけ離れた町、それが立石。

懐かしくもあり、どこかさみしげで、訪れた人の心をとらえて離さない。

彼らは、この町の数え切れないほどある居酒屋の中に、夕闇とともにすいこまれて消える。