2019年1月16日水曜日

森保ジャパンは危険水域に

サッカーW杯ロシア大会(2018)終了後に発足した日本代表(森保ジャパン)が、アジア杯(UAE大会)で苦戦している。予選2試合で勝点6をあげ、早々と決勝トーナメント進出を決めたが、内容が悪すぎる。格下相手の予選リーグ、初戦のトルクメニスタン戦3-2、第2試合オマーン戦1-0と、いずれも辛勝。

とりわけオマーン戦では、主審の誤審でPKを得た1得点のみ。そのうえ、ペナルティーエリア内の長友のハンドをこれまた主審が見逃すという2度の幸運に恵まれ、なんとか勝ちを拾った。ビデオ判定があったら、日本が0-1で負けていた可能性も高かった。

選手は調整不足、監督は力不足、闘争心はゼロ

主審の判定に泣かされることもあるし、その反対もあるから、オマーン戦の結果はいい。それよりもなによりも、アジア杯における日本代表チームの状態が悪すぎる。第一に選手のコンディションの悪さ、第二に闘争心が感じられないこと、第三が指揮官の資質、能力不足の露呈――と、内容は極めて深刻。森保には選手を統率する力がない。モチベーターの役割すら果たしていないようにみえる。試合中の指示が不明確なのがうかがえるし、試合前の戦術の徹底がなされておらず、相手に自軍がなにを武器に、いかに戦うか――が理解されていないまま、選手が試合に入っている感が否めない。

日本国内における親善試合でいい結果を出したものだから、日本のメディアが絶賛した森保ジャパンだが、公式戦では相手が思うようにやらせてくれない。その分、内容の乏しい試合を続けている。具体的には、攻撃面では、選手が個人プレーに走りすぎ、コンビネーションが絶無。2列目の堂安、南野、原口が「個」について誤解している感があり、仲間と確実に得点につながるような有機的アクションの構築が目指されていない。

ロシア大会代表を凌ぐ人材ゼロ

それだけではない。中島が欠場した今大会、魅力的なニュースターも現れていない。まず2018年ロシア大会で活躍した大迫を押しのけるようなCFが出ていない。大迫が欠場したオマーン戦でそのことが証明された。

サイドバック(SB)も低調。右SBの酒井もキレがなく、右サイドからの攻撃の形ができていない。酒井に代わる人材もいない。左SBのベテラン長友が相変わらず豊富な運動量を見せつけているが、彼を追い越す人材が不在なことの逆証明。森保ジャパンにおいて、両SBの人材不足は明らか。SBに関しては、お先真っ暗闇である。中盤の柴崎もプレーメークができていない。スペインリーグで試合には出ていないのだから、彼のポジションを奪う人材が出てこなければいけない。

守備陣では、吉田とコンビを組むCBの人材が発掘できていないまま、大会に来てしまった感がある。さらに深刻なのがGK。権田が連続出場したが、高さ、判断力、キャッチがおぼつかない。トルクメニスタン戦で相手の先制ゴールとなったミドルシュートにほぼ無反応というのはさびしい限り。

このままなら、日本代表のガラパゴス化が進むばかり

森保が決勝トーナメントでこのチーム状態を建て直せなければ、協会は監督更迭のプログラムに着手しなければなるまい。代表監督とは、協会が「育てる」ような職務ではない。日本人だから日本代表監督という論法の誤りは、引退した日本人横綱・稀勢の里の事例が示すとおり。このままなら、日本代表のガラパゴス化がますます進行する。