2019年12月29日日曜日

「花相撲」はみたくないーU22日本、ジャマイカに爆勝

U-22日本代表 9-0 U-22ジャマイカ代表〔12月28、日トランスコスモススタジアム長崎〕

東京五輪メダル獲得を狙うU-22日本代表が同ジャマイカ代表に大量得点をあげて勝利した。下のカテゴリーでしかも親善試合とはいうものの、代表戦における9点差試合は記憶にない。

ジャマイカは弱すぎた

この結果はもちろん日本が強かったからではなく、相手が弱すぎたから。この試合をもって日本が世界レベルにあると思う人は少数だろう。日本のメディアも結果を淡々と伝えただけで、大騒ぎはしていない。ジャマイカは、▽闘争心、▽技術、▽戦略、▽戦術…がなかった。遠路はるばるやってきて、試合をするモチベーションがなかったのだろう。TV中継のアナ氏の言説によれば、ジャマイカは既に五輪予選で敗退しており、このカテゴリーにおけるチームづくりを始めたばかりだという。筆者の推測にすぎないが、日本の大学選抜より弱いのではないか。

花相撲もしくは咬ませ犬

これは興行であって、強化ではない。いわゆる「花相撲」「咬ませ犬」の範疇に属する。マッチメークする日本サッカー協会にまっとうな強化の意識があれば、もっとましな相手を選んだだろう。

協会は代表スポンサーである飲料メーカーのために、海外チームとマッチメークする必要に迫られた。海外ならヨーロッパ、南米がいいのだが、この地域のリーグ戦はクリスマス休暇もしくはオフシーズンで代表チームを送り出すことが難しい。相手チームが見つからない中、たまたまジャマイカからOKがでたのではないか。

協会及びメディアは詐欺に近い

ここで問題とすべきは第一に、ジャマイカを選んでしまった日本サッカー協会の力量(情報収集力、交渉力、コネクション)のなさ、事なかれ主義だ。第二に、試合前に対戦相手を評価できない(しない?)日本のスポーツメディアのスポンサー第一主義。両者は、安くない代表チケットを購入するナイーブ(うぶ)な代表サポーターを騙しているに等しい。ナイーブな代表サポーターは、相手は「代表」なんだからそれなりの準備をして日本にやって来ると思って当然だ。ところが蓋を開けてみたら、日本の学生選抜より弱いし、闘争心も見せない。日本のゴールラッシュで喜ぶ者もいるのだろうが、本来のスポーツの楽しみ方ではない。このような詐欺に近い興行試合が続けば、代表サポーターもチケットを買わなくなる。親善試合はテレビでいいや、となる。

繰り返すが協会トップ及び代表監督を代えないと・・・

この試合は勝ったが、A代表は先のE1大会決勝で韓国に圧倒された。気力、体力、戦略・戦術で韓国に一蹴された。この試合を境に、森保ジャパンに対する批判が強まった。筆者にしてみれば、批判のタイミングが遅すぎるのだが、それでもここにきて、メディアもサポーターもやっとのこと、森保の代表監督としての力量に不安を覚えてきた。そしてこのたびの、U22における犯罪的花相撲だ。協会の強化プランの底の浅さが露呈している。日本の代表サッカーが悪い方、悪い方へと流れている。