2010年9月15日水曜日

小沢、完敗

う~む。民主党代表選挙の結果は、菅の圧勝。小沢が制するといわれていた国会議員票でも僅かながら、菅が小沢を上回った。筆者の予想は外れた。

革命後に訪れる反革命勢力が、革命を成功させたエネルギーを凌駕したわけだ。小沢一郎がこのまま蟄居すれば、民主党のこの先にあるものといえば、フランス革命(テルミドールのクーデター)後のブリュメールの18日(ナポレオンの帝政復活)、ロシア革命後のスターリン独裁と同じように、権力を掌握した保守的で陰湿な反革命勢力による弾圧の始まりだ。

負けた小沢一郎に期待するのは、彼が永続革命を継続することだ。もちろん、急ぐ必要はない。しばらく党内に潜伏し、自身の勢力の立て直しを図る時間も必要だろうし、党外に協力者を求める時間も必要だろう。また、この先においては、小沢一郎自身が首班を務める必要はない。小沢の意志を理解する第二世代、第三世代に永続革命を託せばいい。

今回の敗北をもって小沢が官僚独裁国家=日本の改造を諦めれば、日本の発展、成長は見込めない。菅が目指す政治は、「政治ショー」にすぎない。彼を有名にした「薬害問題」の二番煎じ、三番煎じがこの先、続くだけだろう。菅は、「ヒューマニズム」の化粧を施した弱者救済の「政治ショー」の主役を務め続けるため、官僚という悪魔に魂を売り渡したのだ。菅の演ずる「政治ショー」は小泉と同じ、ただ、演目が異なるだけ。

行政の実務的部分=ドロを被るべき部分は官僚に「まる投げ」し、その代わり、官僚の既得権益を保証し、「おいしい」ところ、「きれいな」ところ、大衆の「ヒューマニズムに訴える」ところだけを自分の「政治的成果」として、メディアに宣伝させる。失態が起きれば官僚を批判するが、官僚制度の改革には手をつけない。こっそりと、増税を行い、人々の暮らしは苦しくなり、格差社会はより、強固なものになる。それでも、大衆の痛みを感じることなく、首相の座に居座り続けようと、菅は考えているに違いない。

菅の政治姿勢を端的に表しているのが予算である。従来型の手法で官僚に予算案をつくらせ、みせかけの事業仕分けで、盲腸くらいを除去し、霞ヶ関の本丸には手をつけない。メディア受けするような、弱者、病者、高齢者等を救済するような法案をバンバンつくって国会を通し、点数を稼いでいく。菅には政治資金に係る大きなスキャンダルはおそらくないだろうから、メディアも野党も、追及するネタがない。その結果、菅政権を静観せざるを得ない。参院で「ねじれる」ような、対立軸も見出せまい。

なんとなく、平穏無事な安定した政治が続くというわけか、日本の首相が長持ちして、海外から笑われなくてすむ、というわけか。そういう物言いが、大手を振ってメディアを通じて世間にまかりとおることこそが、お笑いそのものなのだと思うが。

そうこうしているうちに、日本各所の劣化が進み、日本という病者の治療が困難になる。